日々の恐怖 3月4日 ナムアミダブツ
短大に通っていた頃のKさんの話です。
私の部屋は2階の通りに面しています。
ある日の朝4時頃に、男の子の、
「 ナムアミダブツ、ナムアミダブツ・・・。」
という声で目を覚ましました。
あまりに延々と聞こえるので、朝機嫌が悪いタイプの私は、むかついたので窓を開けました。
すると、小学校4、5年生くらいの色白の男の子が(ランドセルを背負っていて、ベージュの半ズボン)立っていたのです。
半分寝ぼけ眼で私が、
「 ボク、まだ朝早いから、みんなに迷惑でしょ!」
と声をかけたら、顔だけ私に向け、スーッスーッと歩きはじめ、同じ様にお経を唱えて去っていきました。
朝になって、母に今の話をして、
「 うるさかったよね!」
と言っても、そんなの聞こえなかったとのこと。
それに、家族の誰も聞いて無い。
いまだに私の謎です。
寝ぼけていたかもしれませんが、その後トイレに行ってので、意識ははっきりしていたんです。
あの時は起こされてむかついてたから、
“ 変なの!”
としか思いませんでしたが、尋常でないような気がします。
小学生の能面のようなあの顔は未だに憶えています。
月日が経つにつれて、
“ あれは、なに・・・?”
て気がしてます。
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