大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 3月27日 電波な人(1)

2016-03-27 20:14:41 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 3月27日 電波な人(1)



 私のバイト先にはK君という変わり者で有名な人がいた。
かなり奇行が目立つ人なんだけど、性格的に明るく人懐っこいせいか職場のムードメーカー的な位置付けにいる人だった。
 どんな事をするか例をあげてみると、誰も呼んでいないのに、

「 ん?何?」

と突然振り返る。
鳴っていない携帯電話に出て、まるで通話中かのように話し出す。
本人いわく、不幸があった人がわかる。
まぁ電波な人なんだと言ってしまえばそれまでなんですが、冗談交じりにそういったことをするので、なかなか楽しい人だった。
 去年の丁度今頃、忘年会を兼ねてK君の家で鍋を囲もうという話が出ました。
何せ奇人変人としての評価が高い彼のこと、口には出しませんが、彼がどのような生活をしているのか皆興味津々でした。
 K君は嫌がりましたが、結局押し切られてマンションへと向いました。
部屋は3Fにあり、予想と反して普通の部屋です。
皆で、

「 ツマラネ~~~!」

とか文句を言いながら鍋を突き、酒も飲み、時間も深夜の2時を回った頃に事件は起きました。
いい感じに皆お酒が回り、下戸で運転手の私はテンションについて行けず、食器や鍋を片づけつつ、台所で洗い物をしていました。
そこに、

“ ばぁーーーーん!!!”

と物凄い音がしました。

“ 近所迷惑を考えろよ・・・。”

と思いつつリビングに戻ると、みんな青い顔でお互いを見詰めています。
ただ、K君1人だけが窓越しに外を見ているようです。

“ あんまり騒ぐと迷惑ですから・・・・^^;”

と私が注意すると、みんなが、

「 ・・・いや、・・・う~ん・・・・・。」

と要領を得ない生返事を返して来ました。

“ 誰か悪酔いして喧嘩したのかな?”

と思った瞬間です。

“ ばぁーーーーーーーーん!!!!”

 分かりました。
誰が鳴らしたのでもなく、K君の家の窓が叩かれているのです。










童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------