極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

増強される海上風力発電三国

2017年06月12日 | 環境工学システム論

           
      僖公二十四年:晋の文公、本国に帰る / 晋の文公制覇の時代  

 

                          

              ※ 失敗した暗殺計画:三月、文公は反乱に対処するため、ひ
         そかに秦に赴き、穆公と王城の地で会見して、秦の援助を
         求めた。三日己丑(きちゆう)の日、晦日、呂甥、郤芮は
         計画どおり反乱を起こし、宮殿に火をはなった。反乱軍一
         味は文公をさがしたが、文公の姿は影も形もなかった。あ
         わてた呂甥と郤芮が、黄河方面に逃げたところを、秦の穆
         公がおびきよせて殺した。反乱がおさまったので、文公は
         懐嬴(穆公の娘、文公が溺滞在中、妻とした:亡命十九年)
         をつれて何回した。穆公は威風堂々たる三千の軍勢にかれ
         らを護衛させた。
 

 No.33

 

【RE100倶楽部:スマートグリッド篇】 

 June 10, 2017

● 再生可能エネルギーの記録的な2016年

設備の価格が低下し続ける中、再生可能電力は新たな記録を樹立し、2016年に161ギガワットが追
加され、世界全体の容量は2テラワット
以上に増加。今週、21世紀の再生可能エネルギー政策ネット
ワーク(REN21)は、再生可能エネルギーの状態に関する最も包括的な年次総覧である「再生可能エ
ネルギー2017年グローバルステータスレポート(GSR)」を公表。
報告書によると、設置された再生
可能電力容量の追加により、2016年に新たな記録が設定され、161ギガワットが追加され、2015年
の世界全体の容量は約9%増加して約2,017ギガワットになる。
太陽光発電は追加された容量の
約47%を占め、その後風力発電は34%、水力発電は16%であった。



再生可能エネルギーが最もコストの低い選択肢になり、デンマーク、エジプト、インド、メキシコ、
ペルー、アラブ首長国連邦の最近の取引では、キロワット時あたり6セントで再生可能な電力が供給
されている。
これは、これらの国々の化石燃料と原子力発電容量に相当する費用をはるかに下回り、
オークションは政府の補助金を必要とせずに卸売価格にのみ依存することがますます増えている。
告書によれば、「ベースロード」の本質的な必要性は神話である。
化石燃料や核ベース負荷がなくて
も、グリッド相互接続、ICT、ストレージシステム、電気自動車、ヒートポンプなどのセクター結合
や有効化技術を通じて、電力システムに十分な柔軟性を持たせ、可変再生可能発電の大きなシェアを
統合できる。

 May 20, 2017

この種の柔軟性は、可変世代のバランスを取るだけでなく、システムを最適化し、全体的な世代コス
トを削減します。
したがって、再生可能エネルギー源からの発電量が百%に近づいたりそれを上回っ
たりするのを成功裏に管理している国の数が増えていることは、驚くことではない。
例えば、デンマ
ークとドイツは、再生可能エネルギーベースの電力のピークをそれぞれ140%と86.3%に成功
する。
化石燃料と産業からの世界の二酸化炭素排出量は、世界経済が3%成長し、エネルギー需要が
増加したにもかかわらず、3年連で安定する。
これは、主に石炭の減少だけでなく、再生可能エネル
ギー容量の急速な増加とエネルギー効率の向上にも起因する。


・ストレージ技術の革新と画期的な進歩により、電源システムの柔軟性がますます向上しています。
 2016年には、約0.8ギガワットの新しい先進的エネルギー貯蔵が稼動し、年末合計は6.4ギガワ
 ットとなった。上記の
グラフに示すように、グリッド接続されたバッテリストレージは、50%増
 加して1.7ギガワットを超える。
・ミニグリッドとスタンドアロンシステムの市場は急速に進化しており、モバイル技術によってサポ
 ートされているPay-As-You-Go(PAYG)ビジネスモデルが爆発的に増加しています。
2012年PAYG
 の太陽光発電会社への投資額はわずか300万ドルに過ぎない。
2016年には2億2,300万ドル以上に増
 加(2015年の1億5,800万ドルから増加)。

REN21Arthouros Zervos議長は次のように述べる。「世界中では、毎年、再生可能な電力容量が増え
ている。
「今年のGSRの最も重要な発見の1つは、全体的で全身的なアプローチが重要であり、例外
的ではなくむしろルールになるということである。再生可能エネルギーのシェアが拡大、インフラへ
の投資だけでなく、
供給と需要のバランスを取るための手段、セクターの結合(例えば、電力と輸送
ネットワークの統合)、幅広い可能な技術の展開など、幅広い手段を提供している。しかし、これら
の奨励的な傾向にもかかわらず、エネルギーの移行は十分な速さではない。
パリ合意の目標を達成に
は、クリーンテックのさらなる加速が求められている。
投資は風力や太陽光発電に重点を置いている
が、地球温暖化を2
℃以下に保つためには、すべての再生可能エネルギー技術を導入する必要がある
とする。

輸送/暖房/冷房部門は、電力分野に遅れをとっている。加熱冷却分野の再生可能技術展開には、こ
の市場の独特で分散した特徴が課題とし
てあり。
輸送セクターの再生可能エネルギーは、まだ重視さ
れていない。
主にバッテリー技術のコスト低下による電気自動車の販売の大幅拡大にもかかわらず、
十分なインフラストラクチャーが確保され、再生可能な電力供給するためには多くのことを行う必要
がある。
輸送/航空部門は最大課題を提示するものの政府政策は不十分である。

このように、化石燃料への補助金制度は妨げとなっていおり、世界的に化石燃料や原子力発電への
助金は再生可能エネルギーの補助金を大幅日上回っている
2016年末までに、50カ国以上が化石燃料
補助金を段階的廃止を約束しているが十分ではない。
化石燃料補助金と再生可能エネルギー補助金の
比率は4:1の現状――
再生可能エネルギーに1ドルを費やすたびにを永続させ4ドルを費やしてい
る。
REN21のクリスティン・リンス事務局長は「世界は時間と競争している。二酸化炭素排出量を迅
速かつコスト削減の最重要なことの1つとして、石炭の段階的廃止とエネルギー効率化への投資のス
ピードアップである。
中国が今年1月に発足した百の石炭工場を打ち切ったと発表、政府は明確かつ
長期的な政策と財政のシグナルとインセンティブを確立し計画実行により劇的に変化するだろう。」
と説明している。



 June 6, 2017

●  ドイツ・デンマーク・ベルギー 海上風力発電10年で5倍増強

ドイツ、デンマーク、ベルギーの各国政府は、今後10年間に世界の既存発電量の5倍以上の60ギ
ガワットの新しいオフショア風力発電を導入するという約束を支持。3
カ国のエネルギー大臣は、世
界最大のオフショア風力開発会社ドン・エナジー(Dong Energy)を含む25社が投資を増やしコスト
を削減する声明を発表。
火曜日にロンドンで署名されたこの声明は、昨年北欧10カ国が海上で風力
発電機を設置する費用削減に協力するこ
とで合意。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナン
(Bloomberg New Energy Finance)によると、昨年、世界中で海上風力13.8ギガワットを記録。こ
れにより
、欧州の海上風力価格は過去110年間で劇的に下がり、2016年だけで22%下落する。
WindEuropeのCEOGiles Dickson は「この共同声明により、大手企業と政府は海上風力エネルギーの
大量配備に協力することで次のステップを踏み出す。
今日の声明は、ヨーロッパの清潔で競争力のあ
る信頼できるエネルギー源の海上風力発電の戦略的重要性を認識した」と述べている。


 June 12, 2017

  

    

読書録:村上春樹著『騎士団長殺し 第Ⅱ部 遷ろうメタファー編』   
 
 

    36.試合のルールについてぜんぜん語り合わない

  秋川まりえを帰したあと、私はもうコ皮スタジオに戻ってすべての明かりをつけ、部屋じゆう
 隈なく探してみた。しかし古い鈴はとこにも見当たらなかった。それはどこかに消えてしまった
 のだ。
  最後にその鈴を目にしたのはいつのことだっただろう? 先週の日曜日、最初に秋川まりえが
 うちに来たとき、彼女は棚の上にあった鈴を手にとって振っていた。そしてそれを棚の上に戻し
 た。私はそのときのことをよく覚えていた。そのあと鈴を日にしただろうか? よく思い出せな
 い。その一週間、私はほとんどスタジオに足を踏み入れなかった。絵筆をコ皮も手にとらなかっ
 たからだ。私は『白いスバル・フオレスターの男』を描きかけていたが、その作業はまったく立
 ち往生していたし、秋川まりえの肖像にもまだ取りかかっていなかった。いねば創作の谷間に入
 り込んでいたわけだ。

  そしていつの間にか鈴は消えていた。
  そして秋川まりえは夜の林を抜けてくるとき、祠の裏手から鈴の音が聞こえてくるのを耳にし
 た。鈴は誰かの手であの穴の中に戻されたということなのだろうか? 私は今からあの穴に足を
 運んで、鈴の音が実際にそこから聞こえてくるかどうか、確かめてみるべきなのだろうか?
 しかし暗い夜の雑木林の中に、これから∵八で足を踏み入れようという気持ちには、どうして
 もなれなかった。その目は予想もつかないことが次々に起こって、私はいささか疲れていた。誰
 がなんと言おうと、今目いちにちぷんの「予想もつかないこと」の割り当ては既にこなしている
 はずだ。

  台所に行って冷蔵庫から水を取りだし、いくつかをグラスに入れ、そこにウィスキーを往いだ。
 時刻はまだ八時半だった。秋川まりえは無事に林の中を抜け、「通路」を抜けて、家に戻れただ
 ろうか? おそらく問題はあるまい。こちらが心配するほどのことではないのだろう。本人の言
 によれば、小さい頃からこの周辺をずっと遊び場にしてきたのだから。そして見かけよりずっと
 芯の強い子供なのだから。
  私は時間をかけてスコッチ・ウィスキーを二杯飲み、クラッカーを何枚かかじり、それから歯
 を磨いて眠った。あるいは真夜中にまた鈴の音で目を覚まさせられることになるかもしれない。
 前と同じように午前二時くらいに。仕方ない、もしそうなったらそうなったときのことだ。しか
 し結局何も起こらなかった。たぶん起こらなかったのだろう。翌朝の六時半まで、ただのI度も
 目を覚ますことなく私は深く眠った。

  目が覚めると、窓の外には雨が降って
 いた。来たるべき冬の到来を予告するような冷ややかな
 雨だった。静かで、そして執拗な雨だ。三月に妻が別れ話を持ち出したときに降っていた雨によ
 く似た降り方をしている。妻がその話をしているあいだ、私はおおむね顔を背けて窓の外に降る
 雨を眺めていた。

  朝食のあとで私はビニールのポンチョを着て、雨用の帽子をかぷり(どちらも旅行中に函館の
 スポーツ用品店で買い求めたものだ)、雑木林の中に入った。傘は差さなかった。そして祠の裏
 手にまわり、穴にかぶせた板の蓋を半分だけどかせた。懐中電灯で穴の中を念入りに照らしてみ
 たが、中はまったくの空っぽだった。鈴もなく、騎士団長の姿もなかった。しかし念のために、
 立てかけてあった梯子を使って穴の底に降りてみることにした。私かそこに降りるのは初めての
 ことだ。金属の梯子は身体の重みで一歩ごとにたわみ、不安に感じるほど軋んだ音を立てた。で
 も結局何も見つからなかった。それはただの無人の穴だった。きれいな円形で、一見して井戸の
 ようだが、井戸にしては直径が大きすぎる。水をくみ上げるのが目的であれば、それほど大きな
 口径の穴を掘る必要はない。まわりの石の積み方も念入りで緻密すぎる。造園業者の言ったとお
 りだ。

  考えごとをしながら、長いあいだそこにじっと立っていた。頭上に半月形に切り取られた空か
 見えたから、それはどの閉塞感は感じなかった。懐中電灯の明かりを消し、薄暗く湿った府県に
 背中をもたせかけ、頭上の不規則な雨だれの音を聞きながら目を閉じていた。何を考えているの
 か、自分でもうまく把握できなかったが、とにかくそこで私は何かの考えを巡らせていた。ひと
 つの考えが別の考えに繋がり、それがまた違う考えに結びついていった。しかしどう言えばいい
 のだろう、そこにはどことなく不思議な感覚があった。どう言えばいいのだろう、まるで自分か
 「考える」という行為そのものにそっくり呑み込まれてしまったような感覚だ。

  私かある考えを持って、生きて動いているのと同じように、この穴もまた思考し、生きて動い
 ているのだ。呼吸をし、伸び縮みしているのだ。私はそのような感触を持った。そして私の思考
 と穴の思考とはその暗闇の中で根を絡め合い、樹液を行き来させているようだった。自己と他者
 が溶けた絵の具のように混濁し、その境目がどんどん不詳明になっていた。

  それからやがて、周りの壁がだんだん挟まってくるような感覚に襲われた。私の胸の中で、心
 臓が乾いた音を立てて伸縮していた。心臓の弁が闇いたり閉まったりする音まで聞こえそうだっ

 た。自分か死後の世界に近づいているような、ひやりとした気配がそこにあった。その世界は決
 して嫌な感じのする場所ではなかったけれど、私がまだ行くべきではないところだった。

  そこで私ははっと意識を取り戻し、一人歩きする思考を断ち切った。そしてもう一度懐中電灯
 のスイッチをつけ、あたりを照らしてみた。梯子はまだそこに立てかけてあった。頭上には前と
 同じ空か見えた。それを目にして私は安堵の息をついた。空がなくなり、梯子が消えていても不
 思議はなかったんだ、と私は思った。ここではどんなことだって起こりうるのだ。

  段をひとつひとつしっかり握りしめながら、慎重に梯子を上った。そして地上に到達し、両足
 で濡れた地面を踏みしめ、それでようやく正常に呼吸ができるようになった。心臓の動悸も次第
 に収まっていった。それからもう一度穴の中を覗き込んでみた。懐中電灯の光で隅々まで照らし
 てみた。穴はいつも通りの当たり前の穴に戻っていた。それは生きてもおらず、思考してもおら
 ず、壁は決まってもいなかった。その穴の底を、十一月半ばの冷たい雨が静かに濡らしていた。
  蓋を元通りにして、その上に重しの石を並べた。もとあった通りに正確に石を並べた。誰かが
 また石をどかしたら、すぐにそれとわかるように。そして帽子をかぶりなおし、もと来た達を引
 き返した。
        

                                      この項つづく  

 

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