極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

最新熱触媒及び熱電変換素子工学論 ⑤

2023年07月14日 | 環境リスク本位制


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



7月11日、セブン‐イレブン・ジャパンはプラントベースプロテイ
ン(植物由来のタンパク質)を使用したツナマヨおにぎりやナゲッ
トを全国のセブン‐イレブン約2万1400店舗で発売すると発表。環
境に配慮した商品を強化する

 

     

 

  

【再エネ革命渦論 147: アフターコロナ時代 146】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
  特異点真っ直中  ㉚
ここ数年の科学技術進展に驚く昨今。今日も気になる事例を摘出。

ここでペロブスカイト化合物の鉛が鉛蓄電池と導尿にに問題にされ
ていたので、問題解決の手だて(工学)を考察する。貴金属や希少
金属のように全面リサイクルシステムの完備可能かと問えば、それ
は程度ものになる。使用されている製品にトレーサビリティ保証タ
グタ検出システムが作動する国内(あるいは国際)法整備を完備し
完全回収できれば問題ないはずではあるが、散弾銃の鉛の規制ある
いは回収は現実社会では実現できていないが、回収奨励金リベート
政策や環境付加価値奨励税金及び不法投棄罰則政策などの「反エン
トロピ-政策)を国内・国際整備すれば可能であり、「無鉛・鉛フ
リー」が絶対条件化は避けられると判断するが、ここからは、理想
的な手だて(工学的手段)の事例を俯瞰する。
【最新特許事例】
1.特開2023-66639 圧電素子、および圧電素子の製造方法 日本特
殊陶業株式会社
【概要】
従来、圧電性を示すセラミックスとして、PZT(チタン酸ジルコ
ン酸鉛)が広く利用されている。しかし、PZTは成分に鉛を含む
ために、環境負荷が問題視されており、鉛を含まない圧電セラミッ
クスの開発が求められている。 また、圧電セラミック電子部品は、
圧電セラミック層となるセラミックグリーンシートと電極となる導
電膜とを積層し、共焼成することで製造されることが一般的である。
電極材料としては、Pt、Ag-Pd合金などが広く用いられてい
る。しかし、これらの電極材料は高価であり、かつ、マイグレーシ
ョンが発生しやすいため、近年、代替品として、安価でマイグレー
ションの発生を抑制できるNi(ニッケル)が提案されている。N
iは、大気雰囲気中で焼成すると容易に酸化されてしまうことから、
還元雰囲気で焼成する必要がある。しかし、圧電セラミック材料と
して鉛を含有したチタン酸ジルコン酸系材料やチタン酸鉛系材料が
用いられている場合、これらの材料を還元雰囲気で焼成しようとす
ると鉛が還元されてしまい、所望の安定した圧電特性を得ることが
できない。 近年、鉛を含まず、還元雰囲気で焼成を行っても圧電
性が発現する無鉛圧電セラミック素材の有力候補の1つとして、ニ
オブ酸アルカリ系ペロブスカイト型酸化物を主相とする無鉛圧電磁
器組成物が各種開発されている(特許文献1、2)。

【特許文献1】 特許第5862983号公報
【特許文献2】 特許第6489333号公報

(発明が解決しようとする課題)
上記のような無鉛圧電磁器組成物は、誘電損失(tanδ)が約5
%と比較的大きく、絶縁性などに懸念がある。このため、数十℃で
高電界が印加される分極処理時やデバイスとして駆動される際に、
リークや絶縁破壊が生じたり、温度が上昇しやすくなったりするお
それがある。
下図1のごとく、 圧電素子は、組成式(A1aM1b)c(NbdiM
nd2Tid3Zrd4Hfds)O3+e(但し、元素A1はアルカリ金属の
うちの少なくとも1種であり、元素M1はBa、Ca、Srのうち
少なくとも1種であり、0<a<1、0<b<1、a+b=1であ
り、cは0.80<c<1.10を満たし、0<d1<1、0<d2
<1、0<d3<1、0≦d4<1、0≦d5<1、d1+d2+d3
+d4+d5=1であり、eは酸素の欠損あるいは過剰を示す値)
で表されるニオブ酸アルカリ系ペロブスカイト型酸化物からなる主
相を含み、b/(d3+d4+d5)≦1を満たす無鉛圧電磁気組
成物からなる圧電体と、卑金属を主成分とし、前記圧電体に接する
電極と、を備える誘電損失を低下させ、絶縁性を改善することがで
きる圧電素子を提供する。

図1.実施形態の圧電素子の断面図
【符号の説明】10:圧電素子 11:圧電層(圧電体) 12、
13:内部電極(電極)
以下、割愛(後略)

2.特開2021-52081 光電変換素子及び太陽電池、光吸収剤、並び
に、
発光素子 富士フイルム株式会社
【概要】
(発明が解決しようとする課題)
光電変換素子の感光層に含まれる光吸収剤には、光電変換素子の工
業的な生産効率を向上させる観点から、より少ない工程数で簡便に、
目的のペロブスカイト化合物の膜を形成できること(以下、「製膜
性」とも称す。)が求められてくる。また、ペロブスカイト化合物
の膜(以下、ペロブスカイト膜とも称す。)を光電変換素子に適用
する場合、使用環 境に依っては素子が高温(例えば、80℃以上)
にさらされることから、熱に対する安定性も求められる。これは、
鉛フリーのペロブスカイト化合物の膜についても同じである。 
しかし、本発明者が検討したところ、これまで知られている鉛フリ
ーのペロブスカイト化合物では、上記の特性を十分に満足するには
至っていないことがわかってきた。例えば、上記非特許文献1及び
2に記載のペロブスカイト化合物は、簡便な方法でペロブスカイト
型結晶構造を有する膜を作製できるものはほとんどなく、そもそも
、得られた膜は、加熱によって膜にクラックが生じてしまうことが
わかってきた。このクラックの発生は、ペロブスカイト膜を適用し
た光電変換素子の性能の低下に繋がる可能性がある。また、上記非
特許文献3に記載のペロブスカイト化合物の膜は、加熱により吸光
度そのものが低下してしまう問題があることがわかってきた。この
吸光度の低下は、例えば、ペロブスカイト膜を適用した光電変換素
子の光電変換効率の低下に繋がる。 これらの点に鑑み、簡便な方法
でペロブスカイト膜を構築でき、しかも、得られた膜は、加熱によ
るペロブスカイト膜のクラックの発生及び吸光度の低下のいずれも
が効果的に抑制された(以下、これらの特性を耐熱性と称す。)、
鉛フリーのペロブスカイト化合物の開発が求められている。 
本発明は、感光層の光吸収剤として、簡便な塗布工程によりペロブ
スカイト膜を構築でき、しかも得られた膜が優れた耐熱性を有する、
鉛フリーのペロブスカイト化合物を含む光電変換素子及びこの光電
変換素子を用いた太陽電池を提供することを課題とする。 また、本
発明は、簡便な塗布工程によりペロブスカイト膜を構築でき、しか
も得られた膜が優れた耐熱性を有する、鉛フリーのペロブスカイト
化合物を含む光吸収剤を提供することを課題とする。 さらに、本
発明は、上記優れた特性を有する光吸収剤を含む層を具備する、発
光素子を提供することを課題とする。

下図1のごとく、導電層11と導電層11上に設けられた光吸収剤
を含む感光層13Aとを有する第一電極1Aと、第一電極1Aに対
向する第二電極2とを有する光電変換素子10Aであって、光吸収
剤が特定の組成式で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する太
陽電池であって、感光層の光吸収剤として、簡便な塗布工程によりペ
ロブスカイト膜を構築でき、しかも得られた膜が優れた耐熱性を有
する、鉛フリーのペロブスカイト化合物を含む光電変換素子及び太
陽電池、光吸収剤、並びに、発光素子を提供する。


図1.光電変換素子の好ましい態様について、層中の円a部分の拡
 大図も含めて模式的に示した断面図

【符号の説明】1A~1F 第一電極 11 導電層 11a 支持体
11b 透明電極 12 多孔質層 13A~13C 感光層 14 ブロ
ッキング層2 第二電極3A、3B、16 正孔輸送層4、15 電子
輸送層6 外部回路(リード)10A~10F 光電変換素子100
A~100F 太陽電池を利用したシステムM 電動モータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】 導電層と該導電層上に設けられた光吸収剤を含む感光
層とを有する第一電極と、前記第一電極に対向する第二電極とを有
する光電変換素子であって、 前記光吸収剤が下記組成式(I)で表
されるペロブスカイト型結晶構造を有する、光電変換素子。 組成式
(I):AaBbXc 上記組成式中、Aはセシウム、ルビジウム及
びカチオン性有機基の少なくとも1種を示す。Bは下記(i)、
(ii)及び(iii)を満たす金属元素を示す。Xは塩素原子、臭
素原子及びヨウ素原子の少なくとも1種を含むアニオン性の原子又
は原子団を示す。X中の塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の含有
量の合計は80mol%以上である。a~cは組成比を示し、a及
びbは0.50<a/b<1.50を満たす。ただし、Bは鉛を含
まない。 (i)周期表の1族~15族に属する金属元素のうち、
セシウム及びルビジウムを除く2種以上の金属元素である。 (ii)
価数が1価の金属元素及び価数が2価の金属元素を少なくとも含む。
(iii)価数毎に算出される金属元素の割合のうち、価数が2価
の金属元素の割合が最も高い。ただし、前記の価数が2価の金属元
素の割合は、2価以外のいずれかの価数の金属元素の割合と同じで
あってもよい。
【請求項2】 前記Bが、周期表の2族~15族に属する2種以上の
金属元素である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】 前記光吸収剤が3次元ペロブスカイト型結晶構造を有
する、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
【請求項4】 前記Xが臭素原子及びヨウ素原子の少なくとも1種を
含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
【請求項5】 前記X中のヨウ素原子の含有量が70mol%を越え
る、請求項1~4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
【請求項6】 前記Bが3種以上の金属元素を含む、請求項1~5の
いずれか1項に記載の光電変換素子。
【請求項7】 前記Bが、Ti、Zr、Nb、Ta、Cu、Ag、
Au、Zn、Ga、In、Ge、Sn、Sb及びBiのうち少なく
とも1種の金属元素を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の
光電変換素子。
【請求項8】 前記のa及びbが0.80≦a/b≦1.15を満た
す、請求項1~7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
【請求項9】 請求項1~8のいずれか1項に記載の光電変換素子を
用いた太陽電池。 【請求項10】 下記組成式(I)で表されるペ
ロブスカイト型結晶構造を有する光吸収剤。 組成式(I):AaB
bXc 上記組成式中、Aはセシウム、ルビジウム及びカチオン性有
機基の少なくとも1種を示す。Bは下記(i)、(ii)及び
(iii)を満たす金属元素を示す。Xは塩素原子、臭素原子及び
ヨウ素原子の少なくとも1種を含むアニオン性の原子又は原子団を
示す。X中の塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の含有量の合計は
80mol%以上である。a~ cは組成比を示し、a及びbは
0.50<a/b<1.50を満たす。ただし、Bは鉛を含まない。
(i)周期表の1族~15族に属する金属元素のうち、セシウム及び
ルビジウムを除く2種以上の金属元素である。 (ii)価数が1価
の金属元素及び価数が2価の金属元素を少なくとも含む。 (iii)
価数毎に算出される金属元素の割合のうち、価数が2価の金属元素
の割合が最も高い。ただし、前記の価数が2価の金属元素の割合は
、2価以外のいずれかの価数の金属元素の割合と同じであってもよい。
【請求項11】 請求項10に記載のペロブスカイト型結晶構造を有
する光吸収剤を含む層を具備する、発光素子。
以下割愛(後略)

3.特開2021-091599 短波IRデバイスのための鉛フリーペロブス
カイト材料 <ユタ ステート ユニバーシティ/strong>
【概要】
下図1のごとく、一般式A3+B+C+XYZ3を有する鉛フリー
ペロブスカイト材料であって、A3+Z3が、A3+、第1の三価
の金属カチオンと、Z3、3つの第1の一価のアニオンと、を含む
、第1の化合物であり、B+Yが、B+、第2の一価金属カチオン
と、Y、第2の一価のアニオンと、を含む、第2の化合物であり、
C+Xが、C+、第3の一価金属カチオンと、X、第3の一価のアニ
オンと、を含む、第3の化合物であり、前記第1の化合物と、前記
第2の化合物と、前記第3の化合物とのモル比が、約1:1:2で
ある、鉛フリーペロブスカイト材料とすることで、可視から短波I
R(SWIR)にわたる特有の吸光度を有する、より低コストで環
境に優しい鉛フリー短波IR材料、及び短波IRデバイスを作製す
るための方法を提供する。


図1.ガラス基板上のCs2BiAgBr6ペロブスカイト薄膜の
 XRDパターンの図示
以下割愛(後略)
以上、電子器機及び材料の鉛フリー(無鉛)化技術の事例を掲載。

【関連技術情報】
.鉛を含まないペロブスカイト太陽電池 電気通信大学 特認教
 授 早瀬修二 2021.5.28


2.ペロブスカイト太陽電池を鉛フリーで安定化させる新技術開発
 シンガポール|ASEAN科学技術ニュース、Science Portal ASEAN
 ASEANの科学技術の今を伝える 2023.4
 発表論文:Ye et al. (2023) Expanding the low-dimensional interface
 engineering toolbox for efficient perovskite solar cells
 .https://www.ntu.edu.sg/research/research-hub/news/detail/a-new-approa
 ch-for-stabilising-perovskite-solar-cells-without-lead
 
.ペロブスカイト太陽電池の欠陥発見へー豪、世界初の技術を用
 いた検査装置開発 《動画あり》2022.09
.キヤノン、高耐久の「ペロブスカイト量子ドットインク」を開
 発 2023.5.29

以上のように、鉛フリー(無鉛)化技術も着々進んでおり近〃高性
能・高品質・高機能なペロブスカイト型太陽電池及び電子器機・電
子材料の商用化が新興していくと確信している。さらに、中間総括
的に感想すれば、「再エネ百パーセントエネルギー社会」は早晩実
現する。現に、エネルギーの送電は宇宙空間(海中)を含め、光(
レ-ザ-)・電磁波送電できることもはっきりしており、デジタル
革命渦論の基本則の「イレージング」(➲ワイヤレス)で大がか
りな送電線がなくなる日がくるだろうと20年前に考えていたこと
が実現する。地下化石燃料本位制下で、石炭は石油に駆逐されつつ
あるが、米・中・ロなどの大国は未だに石炭火力を使用している。
既得権益にしがみつくのは早々に止め、昨今の気候変動禍を抑止す
べきである。
                         この項了

異方性ボンド磁石の製造技術を開発
レゾナック強度と磁気特性の両立を実現
7月12日、レゾナックは異方性ボンド磁石の製造に関し、高強度と磁
気特性を両立させるための新技術を開発し、特許を取得したと発表
した。開発したボンド磁石は、効率の良いEV(電気自動車)向けモ
ーターなどに提案する。
ボンド磁石は、樹脂と磁粉を組み合わせて作製し、加工性や寸法精
度に優れている。ボンド磁石には「等方性磁石」と「異方性磁石」
があり、異方性磁石は磁気特性に優れているという。また、「焼結
磁石に比べ軽量で熱損失も少なく、効率の良いモーターを作製でき
る」といった特長がある。一方で、高強度と磁気特性を両立させる
のが難しい。今回は、高密度成形技術と樹脂・潤滑剤を最適化する
技術を開発し、従来の課題を解決した。
【関連特許】
特許第7298804号 磁性成形体の製造方法、及び異方性ボンド磁石
株式会社レゾナック
【概要】
下図1のごとく、磁性成形体の製造方法は、磁石粉末と熱硬化性樹
脂とワックスとを含むコンパウンドを、型内に供給する供給工程と、
成型温度Tmで加熱された型内のコンパウンドへ磁場を印加しなが
ら、型内のコンパウンドを圧縮することにより、コンパウンドから
成形体を形成し、且つ成形体からワックスを除去する成型工程と、
成型工程後、成形体を脱磁する脱磁工程と、脱磁工程後、熱硬化性
樹脂の熱硬化温度以上である温度で成形体を加熱することにより、
磁性成形体を得る熱硬化工程と、を含む。磁石粉末は、Sm-Fe
-N系永久磁石を含む。成型温度Tmは、ワックスの滴点以上であ
り、且つ熱硬化性樹脂の熱硬化温度未満である。

図1.図1中の(a)及び図1中の(b)は、本発明の一実施形態
に係る磁性成形体の製造方法に用いる製造装置の模式的な断面図で
あり、図1中の(a)及び図1中の(b)に示される断面は、一対
のパンチ、ダイ、コンパウンド、及び一対のコイルの全てを横断し
一対のパンチがコンパウンドに及ぼす圧力の方向(加圧方向)に平
行である。
【符号の説明】 2…コンパウンド、2A…成形体、2B…異方性
ボンド磁石、3…磁石粒子(磁石粉末)、4…ワックス、5…熱硬
化性樹脂(樹脂組成物)、6…クリアランス、10…製造装置(成
型装置)、c1…第一コイル、c2…第二コイル、d1…ダイ、H
…磁場、m…磁石粒子の磁化方向、M…異方性ボンド磁石の磁化方
向、p1…第一パンチ、p2…第二パンチ、P1…第一圧力、P2
…第二圧力。
【発明の効果】 本発明の一側面によれば、残留磁束密度及び機械
的強度に優れた異方性ボンド磁石の製造に用いる磁性成形体の製造
方法、及び残留磁束密度及び機械的強度に優れた異方性ボンド磁石
の製造法が提供される。
(特許請求の範囲】
【請求項1】 磁石粉末と熱硬化性樹脂とワックスとを含むコンパ
ウンドを、型内に供給する供給工程と、成型温度Tmで加熱された
前記型内の前記コンパウンドへ磁場を印加しながら、前記型内の前
記コンパウンドを圧縮することにより、前記コンパウンドから成形
体を形成し、且つ前記成形体から前記ワックスを除去する成型工程
と、 前記成型工程後、前記成形体を脱磁する脱磁工程と、 前記脱
磁工程後、前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上である温度で前記成
形体を加熱することにより、磁性成形体を得る熱硬化工程と、 を
備え、 前記磁石粉末が、Sm-Fe-N系永久磁石を含み、 前記
成型温度Tmが、前記ワックスの滴点以上であり、且つ前記熱硬化
性樹脂の前記熱硬化温度未満である、 磁性成形体の製造方法。
【請求項2】 前記成型工程が、第一加圧工程と、前記第一加圧工
程に続く第二加圧工程と、を含み、 前記第一加圧工程において、
前記成型温度Tmで加熱された前記型内の前記コンパウンドへ作用
する圧力が、第一圧力P1に維持され、 前記第二加圧工程におい
て、前記成型温度Tmで加熱された前記型内の前記コンパウンドへ
作用する圧力が、第二圧力P2に維持され、 前記第二圧力P2が、
前記第一圧力P1よりも高く、 前記第二加圧工程において、前記
成形体から前記ワックスが除去される、 請求項1に記載の磁性成
形体の製造方法。
【請求項3】 前記成型工程において、前記成型温度Tmで加熱さ
れた前記型内の前記コンパウンドへ作用する圧力を、第二圧力P2
まで連続的に増加させることにより、前記成形体から前記ワックス
が除去される、 請求項1に記載の磁性成形体の製造方法。
【請求項4】 前記成形体が収容された前記型を、前記成型温度T
mから前記滴点未満である温度まで冷却する冷却工程を更に備え、
前記冷却工程が、前記成型工程に続き、 前記脱磁工程が、前記冷
却工程後に実施される、 請求項1~3のいずれか一項に記載の磁
性成形体の製造方法。
【請求項5】 クリアランスが前記型に形成されており、 前記成型
温度Tmでの前記ワックスの粘度が、前記成型温度Tmでの前記熱
硬化性樹脂の粘度よりも低く、 前記成型工程では、前記成形体か
ら除去された前記ワックスが、前記クリアランスを通じて、前記型
外へ排出される、 請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性成形
体の製造方法。
【請求項6】 前記磁石粉末の質量及び前記熱硬化性樹脂の質量の
合計が、M1と表され、 前記コンパウンド中の前記ワックスの質
量が、M2と表され、 (M2/M1)×100が、2以上10以
下である、 請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性成形体の製
造方法。
【請求項7】 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、マレイミド化
合物、ポリイミド、ポリアミド、及びポリアミドイミドからなる群
より選ばれる少なくとも一つの樹脂を含む、 請求項1~3のいず
れか一項に記載の磁性成形体の製造方法。
【請求項8】 前記ワックスが、モンタン酸エステルを含む、 請求
項1~3のいずれか一項に記載の磁性成形体の製造方法。
【請求項9】 請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性成形体の
製造方法を備え、 前記磁性成形体を着磁することにより、異方性
ボンド磁石を得る着磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製
造方法。
【請求項10】 請求項4に記載の磁性成形体の製造方法を備え、
前記磁性成形体を着磁することにより、異方性ボンド磁石を得る着
磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製造方法。
【請求項11】 請求項5に記載の磁性成形体の製造方法を備え、
前記磁性成形体を着磁することにより、異方性ボンド磁石を得る着
磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製造方法。
【請求項12】 請求項6に記載の磁性成形体の製造方法を備え、
前記磁性成形体を着磁することにより、異方性ボンド磁石を得る着
磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製造方法。
【請求項13】 請求項7に記載の磁性成形体の製造方法を備え、
前記磁性成形体を着磁することにより、異方性ボンド磁石を得る着
磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製造方法。
【請求項14】 請求項8に記載の磁性成形体の製造方法を備え、
前記磁性成形体を着磁することにより、異方性ボンド磁石を得る着
磁工程を更に備える、 異方性ボンド磁石の製造方法。



出所:NREL
「両面発電パネル」のシェア急拡大、
発電事業用の8割に 発電量が5~20%アップ
7月11日、米ファースト・ソーラー(First Solar)は、6月14日、
ドイツで開催されるヨーロッパ最大の太陽光発電業界の展示会「イ
ンターソーラー・ヨーロッパ(Intersolar Europe) 2023」で、世
界初となる両面発電型の薄膜太陽光パネルを限定的に生産すると発
表。結晶シリコン系の太陽電池では、n型セル(発電素子)の採用
により、早くから両面発電型太陽光パネルが製品化され、ここ数年、
中国メーカーも主要な製品ラインナップに加えている。一方で、ガ
ラス基板上に化合物半導体でセルを形成する薄膜太陽光パネルの場
合、両面発電タイプは製品化されていなかった。  
両面発電型太陽光パネルは、表面・裏面どちらでも発電が可能で、
地面などからの反射光が裏面に当たることによって発電量が上乗せ
される。この裏面の発電により従来の片面発電パネルと比べて5~
20%もの発電量の増加効果が期待できるといわれている。  
太陽光パネル当たりの発電量が多いことから、パネル価格の上昇を
ある程度、抑えられればLCOE(均等化発電原価)を引き下げ、太陽
光発電の経済性を大きく向上させる。そのため米国では発電事業用
の大規模な太陽光発電所で、結晶シリコン系の両面発電型パネルの
採用が拡大している。


図2.ニューヨーク州非住宅用太陽光発電市場の両面発電型パネル
の導入量推移
青棒=コミュニティソーラーを除いた非住宅用導入量、赤棒=コミ
ュニティソーラー導入量、折れ点線=コミュニティソーラーにおけ
る両面パネルの比率、折れ実線=コミュニティソーラーを除いた非
住宅用における両面パネルの比率、出所:NREL)
-----------------------------------------------------------

しかしながらカドミウム汚染が心配
薄膜系の革新で世界をリード ファースト・ソーラーは、カドミウ
ムテルル(CdTe) 型化合物系太陽電池を生産し、薄膜太陽光パネ
ルの製造・販売で世界トップのメーカーである。 太陽光発電市場
に関するリサーチ・コンサルティング会社である米SPVマーケット
リサーチ(SPV Market Research)によると、2022年の全世界にお
ける太陽光パネル出荷量は約283GWに達し、中国メーカーがシェア
上位を独占するなか、ファースト・ソーラーは10位に食い込んでい
る。中国を拠点としない、そして結晶シリコン系以外で唯一の太陽
電池メーカーである。  「シリーズ6 プラス(Series 6 Plus )
」と名付けられた、最初の両面発電型薄膜太陽光パネルは、同社の
研究開発(R&D)チームによって開発された革新的な透明バックコ
ンタクトの採用を特徴としている。これにより、両面からのエネル
ギー獲得が可能になるだけでなく、赤外波長の光が透過するため、
熱として吸収されず、パネルの動作温度が下がり、太陽光を電気に
変える変換効率の向上が期待できるという。現在、同社では、「シ
リーズ6 プラス」のラボテストとフィールドテストを行っている。  
同社は研究開発に力を入れており、先進的な薄膜太陽光パネルの開
発と生産を加速するために、2022年10月、約3億7000万ドルを投資
して、オハイオ州ペリズバーグに新しい研究開発イノベーションセ
ンターを建設すると発表した。  米国には、「テルル化カドミウ
ム技術加速コンソーシアム(CTAC)」という組織があり、カドミウ
ムテルル型化合物系太陽電池における米国の技術的リーダーシップ
と競争力を強化するために活動している。ファースト・ソーラーは
そのメンバーの一員だ。CTACは、国立再生可能エネルギー研究所(
NREL)が運営し、米エネルギー省(DOE)の太陽エネルギー技術局
から資金が出ている 。

発電事業用市場の約85%  
現在、両面発電型太陽光パネルの市場は、主に地上設置型に限られ
ているが、業界に詳しい専門家は、米国の発電事業用市場の約85%
、そして商業用市場の約半分は、両面発電型パネルが採用されてい
ると推定している。 実際、ニューヨーク州エネルギー研究開発局N
YSERDA)による太陽光発電普及プログラムのデータによると、同州
の分散発電市場における両面発電型パネルの設置が大きく拡大して
いる。2022年のデータをみると、住宅用市場全体で両面発電型パネ
ルの採用が3.8%に留まっているのに対し、非住宅用では54.8%が両
面発電型パネルを使用。非住宅用に含まれる「コミュニティソーラ
ー」に限定して集計すると、60%ものコミュニティソーラーは両面
発電型パネルを採用したことがわかった(図2)。ちなみに、2020
年時点では、この分野での両面発電型パネルのシェアはわずか5%
に過ぎなかった。

関税除外で採用広がる  
実は、近年の米国市場における両面発電型パネルのシェア急上昇に
は連邦政府の貿易政策も絡んでいる。
2018年に、国内製造業を保護するため、トランプ前政権は結晶シリ
コン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を
課すことを決定した。具体的に、最初の1年目にはCSPVのセル(発
電素子)と太陽光パネルの輸入価格に30%が課された。  
しかし、同年の6月に両面発電型太陽光パネルについては、関税免除
のリストに加えられた。その後、両面発電型パネルの関税除外は、
2020年10月にトランプ前政権によって取り消されたものの、2021年
11月に再び関税免除になった。  2022年、バイデン政権は、太陽光
パネルへの追加関税を4年間続けることを発表し、引き続き両面発
電型パネルは追加関税の対象外とした。これにより、太陽光発電設
置業者は両面発電型パネルを採用することで、関税関連のパネルコ
ストを回避できることになった。こうした政策が、両面発電パネル
の価格優位性を高めることになり米国内での普及を促すことになっ
たという。
※カドミなどのリサイクルはどうするのかな?
via 日経クロステック(xTECH)



TDK、国内全製造拠点の電力を100%再エネに
2050年までに国内外の全拠点に拡大

TDKは、国内の全ての製造拠点で、利用する電力を100%再生可能エ
ネルギー由来に転換したと発表した。同社は2050年までに国内外の
全拠点の電力を100%再生可能エネルギー由来にする方針。
同社は、2025年度までにグループ全体における総電力使用量に占め
る再生可能エネルギーの比率を50%以上とする目標を掲げている。
これまで国内電力会社から購入する電力を再生可能エネルギー由来
のものにする取り組みを進めていて、2023年7月1日から国内の全製
造拠点が再生可能エネルギー由来の電力100%で操業しているとい
う。 今回の取り組みによって、2023年7月時点でTDKの国内外にお
ける生産開発拠点81拠点のうち44拠点が再生可能エネルギー由来の
電力100%での操業となり、再生可能エネルギー導入率は約40%に
なった。なお、同社は国外の製造拠点においても、太陽光発電シス
テムの設置や再生可能エネルギー由来の電力購入を進めている。  
TDKは「今後も国内外の製造拠点において再生可能エネルギーのさ
らなる導入を進め、2050年までに使用電力の100%を再生可能エネ
ルギー由来に転換することを目指す」とコメント。


画像:光生成穴のアクセプター部位として作用し、酸化反応を支配
する金属コタリーズの機能は、CH4のH2Oとの光触媒酸化の文脈で調
査。金属コカタリストがほとんど光発生した電子を蓄積し、還元反
応を排他的に誘導するという光触媒の従来の仮定を超え、CH4の穴
駆動酸化のダイナミクスと選択性に影響を与える。

メタン酸化光触媒反応を分子レベルで解明 
分子科学研究所の研究グループは,リアルタイム質量分析とオペラ
ンド赤外吸収分光を組み合わせることで,非熱的なメタン酸化光触
媒反応のメカニズムを分子レベルで解明。
メタン(CH4)は天然ガスやバイオガスに含まれ,持続可能社会に
おける炭化水素資源として期待されている。また,メタンの温室効
果は二酸化炭素(CO2)の約25倍であるため,温室効果ガスの低減
という観点からもメタンの有効利用は重要な研究課題となっている。

しかし,メタンは化学的に安定であるため,従来の触媒反応では
700℃以上,20気圧以上といったエネルギー多消費な反応プロセス
が必要になる。そこで,光や電気を駆動力とする非熱的な触媒・化
学技術によって持続可能かつ常温常圧でメタンを有効利用する手法
が研究されている。メタンを化学資源として有効利用するためには
適切な触媒を用いることで目的の反応を選択的に促進することが求
められる。酸化物半導体に代表される光触媒では,触媒表面におい
て非熱的に生じる光誘起正孔がメタン酸化反応を誘起することが知
られている。 しかし,触媒表面でのメタン酸化反応のメカニズム
は分子レベルでは未解明な点が多く,触媒材料に応じた酸化反応の
選択性の違いの起源は明らかとなっていなかった。
今後,実用的な光触媒を戦略的に設計するために,この反応メカニ
ズムを微視的に解明することで適切な材料設計・反応制御の指針を
得ることが求められていた。 今回研究グループは,光を反応駆動
源とした非熱的反応系において,金属助触媒は光誘起電子を捕捉・
蓄積して専ら還元反応場として機能すると従来考えられてきたが,
実際は光誘起正孔を捕捉・蓄積する酸化反応場としても機能するこ
とを明らかにし,半世紀に渡る光触媒の常識を刷新した。
今回見出された「金属助触媒が光誘起正孔を蓄積して酸化反応も誘
起可能である」という知見は,「金属助触媒は光誘起電子を捕捉・
蓄積して専ら還元反応のみを誘起する」という半世紀に渡る光触媒
研究の常識にパラダイムシフトをもたらすものであり,金属助触媒
のエンジニアリングによって非熱的反応の酸化選択性を制御できる
可能性が示されたとする。 メタンと水というユビキタスで一般性
の高い分子において得られた今回の知見は,より複雑な反応分子系
のメカニズムを理解する際の基礎学理となることが期待され,持続
可能な物質変換・エネルギー変換を実現する重要な環境エネルギー
化学技術のプラットフォームである非熱的な触媒反応系の高度化・
高機能化に貢献することが期待されるとしている。
【関連論文】
掲載誌: Angewandte Chemie International Edition, 
論文タイトル: “Beyond Reduction Cocatalysts: Critical Role of Metal
Cocatalysts in Photocatalytic Oxidation of Methane with Water
”(「還元
助触媒を超えて:水による光触媒メタン酸化における金属助触媒の重
要な役割」)
著者: Hikaru Saito, Hiromasa Sato, Taisuke Higashi, and Toshiki Sugimoto
掲載日:2023年6月27日(オンライン公開)
DOI:(英) 10.1002/anie.202306058, (独) 10.1002/ange.202306058


 風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【 J-POPの系譜を探る:2015年代



● 今夜の寸評:先端技術で世界一をめざす

 

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