彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
2023年の車載用ディスプレー世界市場,93.2億ドル
9月20日、矢野経済研究所は,車載用ディスプレー世界市場を調査し,タイ
プ別や部位別,インチ別,純正・市販品別の市場動向(数量,金額),メ
ーカー動向,価格動向,採用動向,将来展望を明らかにした
2023年の車載用ディスプレイ世界市場(事業者売上高ベース)は前年比10
3.8%の93.2億ドルと予測する。 車載用ディスプレイは、コックピットの
全幅に広がるPillar to Pillar Display等の大型ディスプレイや、複数情
報がデジタル表示されるDigital Cockpit向けに従来のLCDに比べて高輝度
なMini LED Display[Direct LED(BLU)]、高コントラストで映り込み
を抑制するAG/LR反射フィルム、インセル(内蔵)型タッチパネル等を採用
した高い付加価値を持つ車載用ディスプレイの搭載が増加している。さら
に、12インチ以上の大型やAMOLEDパネル等高単価な車載用ディスプレイの
採用拡大により、車載用ディスプレイ世界市場は順調に拡大していくと予
測する。
2050年、温室効果ガスの実質排出量ゼロとする「カーボンニュートラル」
の実現に向けて、注目を集めているのが太陽光のエネルギーを駆動力とす
る「次世代の水素製造」である。この方法は、太陽光をもとに水から水素
を生成させるだけでなく、水素と工場などから排出されるCO2から炭化水
素を創出し、「人工光合成」と呼ばれるCO2を再利用する循環システムに
もなっている。このなかで、水素を効率よく生成するために、低温で、大
量の水の中でも水素だけを通すセラミックスの分離膜の開発に初めて成功
する。
名古屋工業大学の岩本雄二教授らが開発このシステムはわたし(たち)オ
ール再生可能エネルギー派を、「これは世界初、低温太陽エネルギー(核
融合)利用発電システムだ!」と驚かせた。岩本教授の材料開発は水素製
造技術は多岐にわる。温室効果ガスのCO2を発生させずに、水素を生成さ
せるアプローチの1つは、太陽光エネルギーを太陽電池で電力エネルギー
に変換し、水を電気分解して水素を生成する。元のエネルギー源が太陽光。
基本的にCO2は発生しない。もう1つは、「次世代の水素製造」として期
待されている方法で、光触媒として機能する半導体に直接太陽光を当てて
水分解して水素をつくり出す。 なお、生成された水素は燃料電池などに活
用できるだけでなく、メタネーションという技術によって、工場や発電所
などから回収したCO2をメタン(CH4)に変換、あるいはその他の触媒反
応を利用し炭化水素を製造することも可能。その際、今までであれば、排
出されるCO2を回収し、地中などの別の場所に隔離して閉じ込める「CO2
回収・貯留=CCS」 がさかんに叫ばれていたが、最近は「CO2を利用する
=CCUS」という技術の確立が進められている。
この考え方であれば、CO2と水素からつくられたメタンなどの炭化水素は、
工場などから排出されたCO2が原料になっているので、これ以上CO2を増
やすことなく、つねにCO2が循環しているカーボンニュートラルな状態を
創出できる。このように太陽光エネルギーを利用し水から水素や酸素を生
成し、CO2を循環させる仕組みは、植物の光合成の働きを模倣しているこ
とから『人工光合成』と呼ばれるが問題もある。太陽光をエネルギー源と
した「次世代の水素製造」は持続可能なクリーンエネルギー社会を構築で
きるのですが、現段階では効率の向上が課題となっており社会全体のエネ
ルギーを供給できるまでにはまだ至っていない。そのため現状では、太陽
光(ソーラー)による「次世代の水素製造」と共に、CO2の排出を抑制し
ながらも「化石燃料による水素製造」を活用する、ハイブリッドな方法が
選ばれている。研究グループは、新規なセラミックス系機能材料の創製に
取り組んでおり、「化石燃料による水素製造」と 「次世代のソーラー水
素製造」この2つの製造プロセスにおいては、4つの研究ニーズがある。
まず「化石燃料による水素製造」においては、
①「効率よく水素を生成させるための分離膜」
②「化石燃料から排出されるCO2 を効率よく回収するための材料」
③「次世代の水素製造」では、水を光触媒で分解して得られる水素精製す
る分離膜、
④CO2と水素からCH4などの炭化水素を合成するための「効率のよい合成触
媒」。
分離膜などの材料開発として求められるのは、「ナノメートル」といわれ
る10のマイナス9乗メートルや「サブナノメートル」の 10のマイナス10乗
メートルスケールでの材料の組織制御です。水素分子にいたっては0.3ナノ
メートルほどしかない。先程紹介した①では、このサイズの穴をあけて水
素だけを通すガス分離膜を創出。②では、原子の配置制御を行って水素を
回収し、CO2と反応させて、炭化水素を生成する触媒を開発。なかでも、
特に我々が力を入れているのが、③の「次世代の水素(ソーラー水素)製
造」向けのセラミックス材料の分離膜。ここでは、特に有機金属化合物を
セラミックスの前駆体として分離膜がつくられるが、従来の無機材料の場
合、粉末粒子を圧縮して、高温で焼き固める「粉末冶金」という加工法で
生成。これだと主にマイクロメートル(10のマイナス6乗メートル)オー
ダーの材料組織制御にとどまり、先ほど話したようなナノからサブメート
ルサイズレベルの組織制御には至らない。そこで、①まず有機金属化合物
のモノマーやポリマーを重合化させ、有機一無機のハイブリッドをつくる。
②次にそれを加熱して「有機成分」を取り除き「非晶質のガラス(材料)」
に変換。③さらに加熱して「結晶化」させると「セラミックス(多結晶体
)」が生まれる。これら一連の材料合成技術を「前駆体法」と呼び、この
技術を材料開発のシーズとして持つている。④そして、このソーラー水素
の精製において、低温で大量の水の中でも水素だけを選択できる膜を開発
することに初めて成功した。世界でも、他にはまだ存在しない。この有機
一無機のハイブリッド材料の特長は、有機と無機それぞれ良い部分を活か
せる点である。例えば、有機材料には「疎水性」があり、水を弾く性質が
ある。また無機材料は、水素をよく通す性質があり、原子・分子レベルで
制御すると今までにない機能を持つことができる。
この研究が生まれた経緯
80年代終わり頃から、有機金属化合物を積み上げていくと、無機材料や有
機一無機のハイブリッド材料が開発できることが分かってきて、次第にこ
うした研究アプローチができるようになる。並行して、水素と材料の関係
性についても研究していたところ、セラミックス材料を使えば、水素だけ
を通過させることを発見。
90年代終わりにはセラミックス材料を水素分離膜に応用する開発を始めた
が、当時はCO2削減や地球温暖化対策は企業でも優先順位が低く、この研
究もほとんど注目されなかった。
2002年頃になると、環境問題への関心が高まり、クリーンエネルギー社会
の話が出てくるようになり、この研究も次第に注目され始めた。2003年度
から5年間、NEDOが推進する国家プロジェクトで水素分離膜の開発に携わり
今の研究に取り組むきっかけとなる。
セラミックス材料は水素を通すが、まだまだ性能としては改善の余地があ
り、水素分子の大きさが 0.289ナノメートルで、酸素はそれよりも少し大
きい0.346ナノメートル。1つでも0.346ナノメートルの穴があると酸素が
通ってしまう。また水分子は水素よりも小さいため、水分解の際には、穴
から水素と共に水も通してしまい、固体に溶け込むような特殊な膜を開発
して、水を通さないようにしたが、全ての穴をなくせず、まだ完全な水素
分離ができないのが現状である。
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岩本 雄二 (いわもと・ゆうじ)
名古屋工業大学 大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授 1985年名
古屋市立大学薬学部卒業。1987年名古屋市立大学 薬学研究科 有機化学修
士課程修了。1987年4月 日本農薬株式会社に入社。1990年より財団法人フ
ァインセラミックスセンター 研究員。1997年よりファインセラミックス技
術研究組合 シナジーセラミックス研究所 前駆体設計グループ グループ
サブリーダーも務める。同年4月より財団法人ファインセラミックスセンタ
ー 主任研究員、2003年より主管研究員を経て、2007年より現職。2008年に
は文部科学省 科学技術政策研究所 客員研究官を兼務。2017年より副学長
。現在は同大学の国際戦略室 室長として海外教育・研究機関との交流協定
の締結と国際共同教育・研究活動の推進、学生の留学と受け入れ支援を行
っている。
セラミックス材料により、高効率な水素エネルギーの実現を目指す~岩本
雄二・名古屋工業大学大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授
https://top-researchers.com/?p=1866
【再エネ革命渦論 169: アフターコロナ時代 170】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
特異点真っ直中 ㊿
※ 最新レドックスフロー電池
レドックス・フロー電池は二次電池の一種で、イオンの酸化還元反応を溶
液のポンプ循環によって進行させて、充電と放電を行う。 redoxはreduction
-oxidation reaction の短縮表現。「フロー」を略してレドックス電池と呼ぶ
こともあるが、分類としてはフロー電池が上位にあたる。
via ウィキペディア
サイクル耐久性: >10,000サイクル
体積エネルギー密度: 15–25 Wh/L (54–65 kJ/L)
充電/放電効率: 75-80% 公称電圧: 1.15–1.55 V
1.特開2023-133170 規則構造を有するビオローゲン誘導体及びそれを
用いたレドックスフロー電池 産業技術総合研究所
【要約】
レドックスフロー電池の活物質に用いる溶解度の高い化合物を提供し、さ
らにはこの化合物を用いたクロスオーバーによる容量低下が大幅に低減さ
れたレドックスフロー電池を提供する。
【解決手段】一般式(I):
式中、Arは、置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未置換の
ヘテロアリール基、又はビピリジニウム基であり、aは0又は1の整数で
あり、bは0~5の整数であり、cは1~6の整数であり、dは1~5の
整数であり、eは1~6の整数であり、nは分子の電気的中性を保つため
に必要な整数であり、Xはカウンターアニオンであり、Yは親水性の置換
基である。)で表されるビオローゲン誘導体。
【選択図】図1.レドックスフロー電池の構成図
【符号の説明】 1、30 負極 2 負極セル 3、31 正極 4 正極セル
5、32 隔膜 6 試験セル 7 負極電解液用のタンク 8 正極電解液用の
タンク 9、10 ポンプ 11 レドックスフロー電池 21 小型試験セル
33、34 グラファイト複合集電板 35、36 ガスケット 37 負極端
子 38 正極端子 39、40 バックプレート 41~44 チューブ 5
1 ナフィオン膜 52 カーボンフェルト
【概要】
太陽光や風力など再生可能エネルギーの主力電源化のためには、それらを
利用する発電システムの大量導入だけでなく高性能な蓄電池(二次電池)
も導入し、絶えず変動する出力を調整する必要がある。しかしながらコス
ト・安全性・資源的側面を満たす高性能な蓄電池の開発は十分とは言えず、
大規模な導入にはいたっていない。レドックスフロー電池は長寿命であり
安全性や設計自由度も高いため 再生可能エネルギーの平準化手段の一つ
として有力視されている。しかしながら、エネルギー密度の向上や更なる
低コスト化の課題がある。レドックスフロー電池は、1970年代にNASA
が開発に成功した電池である。開発当初は、鉄/クロム系が主流であった
が、正・負電解液が隔膜を通して混合するクロスオーバーにより電池の容
量が低下してしまう欠点があり開発がうまく進まなかった。1985年にバナ
ジウム系が報告されると現在はこの系が主流となり、一部で実用化が進ん
でいる。しかしながら、バナジウム系は今後の大規模な導入を考えた場合、
資源的な制約による低コスト化に課題が残ると言われており、大規模な導
入に向けた新たな電解液の開発が世界中で盛んに行われている。近年では
無機系の金属イオンの代わりに有機化合物を用いる報告が数多くなされて
いる。有機化合物の場合、正・負極の両極で生じる酸化還元電位を広げて
エネルギー密度を向上するために、正極と負極で異なる構造の化合物が一
般的に用いられている。
しかしながら、その場合、容量低下を引き起こすクロスオーバーを抑制す
る必要がある。その方法の一つとして、高分子化した化合物やベーテ格子
あるいはケイリー樹の一部を形成する構造を含む化合物を用いる報告例が
あるが(非特許文献1、2、及び特許文献1)、十分な溶解度の確保が困
難であることや、酸化還元に伴う分子の凝集による析出が避けられないと
いった理由から、結果的にバナジウム系のエネルギー密度を超えるのは難
しいのが現状である。このような背景から、凝集を回避できる程の高い溶
解度とクロスオーバー抑制の二つの機能を併せ持つ新たな材料の開発が求
められている。
【非特許文献1】
T.Janoschka,N.Martin,U.Martin,C.Friebe,S.Morgenstern,H.Hiller,M.D.Hager and
U.S.Schubert,Nature 2015,527,78-81.
【非特許文献2】
T.Hagemann,J.Winsberg,M.Grube,I.Nischang,T.Janoschka,N.Martin,M.D.Hager,
U.S.Schubert,J.Power Sources 2018,378,546-554.
【特許文献1】 特開2020-170697号公報
【発明の効果】
本発明によれば、レドックスフロー電池の活物質に用いる新規な化合物が
提供される。さらに、この化合物を用いたクロスオーバーによる容量低下
が大幅に低減されたレドックスフロー電池を提供することができる。
2.特開2023-129054 光触媒システム 東京理科大学他
【要約】 下図1のごとく、実施形態に係る光触媒システム1は、窒素源を
含む水性媒体と、酸化反応を呈する酸化光触媒6と、還元反応を呈する還
元光触媒7と、を備え、還元光触媒7は、半導体2と、金属錯体3と、を
有し、光照射によって酸化光触媒6に生じた励起電子が、半導体2に移動
すると共に、光照射によって半導体2に生じた励起電子が、金属錯体3に
移動することにより、前記水性媒体中の前記窒素源がアンモニアに還元さ
れることを特徴とする窒素源からアンモニアへの還元反応を促進させ、ア
ンモニアの生成量を向上させることを可能とする光触媒システムを提供す
る。
図1.光触媒システムの構成の一例を示す図
【概要】
アンモニアは、窒素系の肥料、食品、医薬品等の原料、合成樹脂や繊維の
製造において幅広く利用され、世界全体の需要は、現在、年間で1.7億
トンを超えている。また、アンモニアは貴金属フリー(非白金)の燃料電
池であるアニオン型燃料電池の燃料や炭素フリーの燃料としても注目され
ている。一見、アンモニアは炭素を含まないクリーンな燃料であるように
考えられる。しかし、現在の工業的なアンモニア合成は、空気中の窒素と
水素を触媒存在下で、高温高圧(400~500°、100~300気圧)
で反応させるハーバーボッシュ法が使用され、その水素は天然ガス由来の
ものである。従って、石油が枯渇する将来においては、ハーバーボッシュ
法に代わるアンモニア合成の開発が求められ、国際的な問題となっている。
一方、近年では、環境中への窒素の流出及び蓄積が、生態系への悪影響が
懸念されるとして問題となっている。なお、窒素含有排水中に含まれる硝
酸イオンや亜硝酸イオン等の窒素酸化物イオンは水質汚濁防止法で排出基
準が定められている。そこで、最近では、こうした問題を解決すべく、光
触媒を用いて水中の有害な窒素酸化物イオンを還元反応により低減させ、
且つ化学工業等で必要不可欠な窒素源であるアンモニアを合成する試みが
なされている。例えば、非特許文献1には、金属助触媒を担持したTiO2
を用いて、窒素酸化物イオンを光還元し、アンモニア(アンモニウムイオ
ン)を合成する技術が提案されている。また、例えば、非特許文献2には、
NiをドープしたZnSを用いて、窒素酸化物イオンを光還元して、アンモ
ニアを合成する技術が提案されている。 しかしながら、従来の技術では、
窒素酸化物イオン等の窒素源からアンモニアへの変換率は低いため、十分
な量のアンモニアを生成することができない。
【特許文献】
【特許文献1】 特開2019-84527号公報
【特許文献2】 特開2020-179346号公報
【非特許文献1】A. Kudo, et al., J. Catal., 135, 300-303(1992)
【非特許文献2】A. Kudo, et al., Chem. Lett., 8, 838-839(2002)
【課題を解決するための手段】
本実施形態に係る光触媒システムは、窒素源を含む水性媒体と、酸化反応
を呈する酸化光触媒と、還元反応を呈する還元光触媒と、を備え、前記還
元光触媒は、半導体と、金属錯体と、を有し、光照射によって前記酸化光
触媒に生じた励起電子が、前記半導体に移動すると共に、光照射によって
前記半導体に生じた励起電子が、前記金属錯体に移動することにより、前
記水性媒体中の前記窒素源がアンモニアに還元されることを特徴とする。
また、前記光触媒システムにおいて、電子メディエータを含み、前記酸化
光触媒の前記励起電子は、前記電子メディエータを介して前記半導体に移
動することが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記酸化光触媒は、BiVO4を含
むことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体は、銅、ガリウム、亜鉛
のうち少なくともいずれか1つの元素を含む硫化物を含むことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体は、チタン、タンタルの
うち少なくともいずれか1つの元素を含む酸化物を含むことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記金属錯体は、コバ
ルト、ルテニウム、銅、鉄、ニッケル、モリブデンからなる群から選択さ
れる少なくとも1つの金属を含む錯体であることが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体の伝導帯最下端のエネル
ギー準位は、前記金属錯体の最低空軌道のエネルギー準位よりも卑である
ことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記酸化光触媒の伝導帯最下端のエ
ネルギー準位が、前記半導体の価電子帯上端のエネルギー準位よりも卑で
あることが好ましい。
【発明の効果】
本発明によれば、窒素源からアンモニアへの還元反応を促進させ、アンモ
ニアの生成量を向上させることを可能とする光触媒システムを提供するこ
とができる。
図1.(1)フレキシブルなペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の様
子(2)タンデム太陽電池の外観 (3)タンデム太陽電池の概念
曲げられる高効率太陽電池を開発
9月⑳日、東京都市大学は,エネルギー変換効率が30%に迫る,曲げられる
「ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池」の作製技術を開発。近年,
変換効率の向上に向け,異なる種類の太陽電池を重ね合わせて発電する「
タンデム型太陽電池」の開発が世界的に加速しており,ペロブスカイトと
シリコン型の組み合わせでは,30%以上の変換効率が達成されている。
一方,通常この組み合わせでは,ボトムセルに200μm程度の厚さがあるシ
リコンウエハーを用いるため,ペロブスカイトの特徴である薄くて曲がる
という特性(フレキシブル性)が活かされないことが課題となってきた。
表1.各種太陽電池の変換効率(セル面積1cm2以上)と曲げ性を比較
研究グループが今回開発した作製技術は,ボトムセルであるシリコンヘテ
ロ接合太陽電池のシリコンウエハー厚を83μm程度まで薄くするもの。トッ
プ側のペロブスカイト太陽電池は厚さ1μm程度なので,「ペロブスカイト/
シリコンタンデム太陽電池」にフレキシブル性を付加するとともに,軽量
化も達成し,従来の太陽電池では設置困難だった場所への設置を可能にす
る。 また,エネルギー変換効率の面でもセル面積1cm2において26.5%を達
成し,従来のペロブスカイト太陽電池以上の高効率化を実現した。研究グ
ループは,界面パッシベーションの改善や,両面受光構造の導入により更
なる効率向上が見込めるとし,最終的には35%以上の高効率を目指してい
る 。
この研究における技術的ポイントは,①表面ミラー/裏面テクスチャ構造を
有する薄いシリコン基板を作製するプロセスの確立。②そのシリコン基板
のミラー表面に光閉じ込めのための比較的サイズが小さい凹凸を形成し,
高性能なボトムセルを作製。③そのボトムセルにおける表面凹凸の上にペ
ロブスカイト太陽電池の特徴の一つである塗布。といった簡便な工程によ
り綺麗にペロブスカイト層を堆積することが挙げられるという。
研究グループは,軽量・フレキシブルな高効率太陽電池は,重量的制約か
ら設置できない工場などの屋根や,湾曲のある屋根やビル壁面など従来の
太陽電池では設置が困難だった場所に設置が可能であり,特に,用地の確
保が難しい都市部での展開を期待するとしている。また,電気自動車(EV)
などの移動体や飛行体など新市場への展開もされるとしている。
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世界最小電圧で光る青色有機ELを開発
9月20日、東京工業大学,大阪大学,富山大学,静岡大学,分子科学研究所
は,乾電池(1.5V)1本をつなぐだけで光る,世界最小電圧で発光する青
色有機ELの開発に成功した。 有機ELはテレビやスマートフォンディスプレ
ーなどで実用化されている一方で,駆動電圧が高く消費電力が大きいとい
う問題を抱える。特に赤,緑,青の光の三原色の中で最もエネルギーが大
きな青色の発光を得るのが一番難しく,通常は4V程度の電圧が必要となっ
ている。研究グループは,2種類の有機分子の界面を使った独自の発光原理
を使って,1.5Vの乾電池1本という超低電圧で光る青色有機ELを開発した。
その発光メカニズムは,まず電子と正孔がデバイスに注入された後で,
2種類の電子ドナー/アクセプター分子の層の界面で再結合を起こし,電荷
移動(CT)状態という励起状態を形成する。次に,CT状態からエネルギー
移動が起こり,ドナー層中で三重項励起状態(T1)を生成する。 その後,
ドナー層中で,2つの三重項励起状態から,三重項―三重項消滅により高
エネルギーの一重項励起状態(S1)を作り出すアップコンバージョン過程
を経て,青色発光を実現する。 この発光メカニズムを実現するドナー/ア
クセプター分子の組み合わせを明らかにするため,青色発光を示すドナー
分子として5種類のアントラセン誘導体を,アクセプター分子として14種
類のナフタレンジイミド誘導体を探索した。 これらのドナー/アクセプタ
ー分子から最適な組み合わせを用い有機ELデバイスを作製したところ,
462nmに最大発光強度をもつ青色発光(光エネルギーで2.68eVの青色の発
光)が観測された。 印加電圧に対する発光輝度の立ち上がりを測定した
ところ,青色発光が1.26Vという超低電圧から認められ,スマートフォン
ディスプレー程度の発光輝度である100cd/m2には1.97Vで到達した。
このように1.26Vという超低電圧で青色の発光が認められたことから,乾電
池1本(1.5V)をつなげるだけで青色光を得ることに成功した。また,今
回開発した素子の安定性を検証するため,発光輝度が1000cd/m2の状態で
連続駆動した際の輝度の低下を,従来報告されている青色りん光の有機EL
素子と比較した。その結果,従来の青色りん光素子と比較して,90倍程度,
素子寿命が長いことがわかった。 研究グループは,今後はこの技術をディ
スプレー機器へ応用するため,より色純度が高い,スペクトル幅が狭線な
青色発光を低電圧で実現することを目指すとしている。
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わたしは何んなの ③
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。
第2回 人工知能に支配されたディストピアを描く『マトリックス』
第1回の『ターミネイター』が、 作中で「審判の日」 (Judgement day)
とされているのは1997年8月29日で、この月日は当時アメリカと冷戦を激
化させていたソ連による初の原爆実験 (RDS-1) に由来し、映画公開の前
年(1983年)には、実際に第三次世界大戦が起きかねない監視システムの
コンピュータが核ミサイル発射を誤報した事件も起きていたという(wiki
pedia)。キャメロンは、冷戦を意識し製作に当たり、キャメロンは「現
代の技術では殺人ロボットの実現は不可能な上、かといって未来の話では
セットに費用がかり観客にも受け入れがたいと考え、未来の殺人ロボット
が現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と動機を語っ
ている。「人工知能と人類の戦い」を描いたSF映画の金字塔となった作品。
当時はまだ「人工知能」という言葉や発想さえ珍しかった中、このような
世界観を生み出したジェームズ・キャメロン監督は高評価を獲得している。
これに対し、映画『マトリックス』では、プログラマーとして働く裏で天
才ハッカー「ネオ」としても活動するトーマス・アンダーソンは、「自分
の生きる世界は偽りのものではないか」という違和感を感じていたトーマ
スに、トリニティとモーフィアスという謎の人物が接触してくる。トーマ
スは彼らによって、この世界は人工知能が人間を閉じ込めるために作った
仮想現実であり、本当の世界では人工知能と人類の熾烈な戦いが行われて
いるということを知る。 真実を知ったトーマスは「ネオ」として人類の戦
いに加わることを決意し、人工知能と死闘をくり広げていく。 人工知能に
支配されたディストピア----ディストピア(en: dystopia)とは、反理想郷
・暗黒世界、またはそのような世界を描いた作品,「否定的に描かれたユー
トピア」を指す言葉。産業革命後に発達した機械文明の、否定的・反人間
的な側面が強調されて描き出された「未来社会」像。典型例は反自由的な
社会であり、隠れた独裁や横暴な官僚システム、性愛制御などが描かれる
----を描く『マトリックス』。仮想現実やディストピア社会が入り混じる
複雑な世界観の中で、VFXを駆使したかつてない戦闘シーンが描かれて大
きな話題を呼びました。キアヌ・リーブス演じる主人公ネオが「救世主」
として成長していく物語など、どこかスピリチュアルなメッセージ性が込
められているのも注目ポイント。公開から20年以上が経った現在でも、カ
ルト的な人気を集め続けていのも面白い。
風蕭々と碧い時
John Lennon Imagine
アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
カリンカ(ロシア民謡)Richard Greidaman Kalinka
● 今夜の寸評:
via jp.wikimedia
bbc news 2023.09.23
アメリカのバイデン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイト
ハウスで会談。 これにあわせてバイデン政権は最大で3億2500万ドルの追加の
軍事支援を発表したが、ウクライナが強く求めている最大射程が300キロの地対
地ミサイル「ATACMS」は含まれていなかっした。 このミサイルについてアメリカ
のNBCニュースは22日、複数のアメリカ政府当局者などの話として、バイデン大
統領がゼレンスキー大統領に対し、供与する方針を伝えたと報じている。