極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

人工太陽創造時代 ④

2023年09月20日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。


開放電圧が 2.8 V 以上の三重接合ペロブスカイト
 ペロブスカイト - シリコン太陽電池
ドイツのフラウンホーファー ISE の研究グループは、ペロブスカイト -
ペロブスカイト - シリコン サブセルで構成される三重接合太陽電池を設
計した。このデバイスは 20.1%の効率と 2.8 V以上との開放電圧を達成。
同グループによると、このセルは2.8Vを超える開路電圧を達成したが、こ
れは従来のセル値が0.7V~0.8Vの間であるのに比べ、これはこのタイプの
太陽電池として記録的な値であり、ペロブスカイトとシリコンを組み合わ
せた太陽光発電が未開発の大きな可能性を秘めているという。
ACS Publications に掲載された論文「開回路電圧 2.8 V以上のモノリシッ
ク 2端子ペロブスカイト/ペロブスカ
イト/シリコン三重接合太陽電池」セ
ルのペロブスカイト吸収体は、1.56V~1.83Vの範囲のエネルギーバンドギ
ャップを持つペロブスカイト材料で作られている。

関連論文】
ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の効率は、Ⅲ-V族ベースの二
重接合太陽電池のこれまでの記録を上回った。 これは、多接合用途にお
けるペロブスカイト太陽電池の高い可能性を示す。 ペロブスカイト/ペ
ロブスカイト/シリコンの三重接合太陽電池は、二重接合太陽電池よりも
さらに高い効率の可能性を備えた効率的で低コストの多接合太陽電池を実
現するための次のステップ。今回我々は、2.8Vを超える開回路電圧を備え
たペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池を紹介。こ
れは、この構造に関してこれまでに報告されている記録値です。 これは、
上部ペロブスカイト層の堆積にガス急冷法を採用し、ペロブスカイト サ
ブセル間の中間層を最適化することによって実現されます。さらに、当社
の三重接合太陽電池の測定では、報告値の信頼性と正確性を確保するため、
正確な測定手順が実施されている。



【要約】
ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の効率は、Ⅲ-V族ベースの二
重接合太陽電池のこれまでの記録を上回った。 これは、多接合用途におけ
るペロブスカイト太陽電池の高い可能性を示す。 ペロブスカイト/ペロブ
スカイト/シリコンの三重接合太陽電池は、二重接合太陽電池よりもさら
に高い効率の可能性を備えた効率的で低コストの多接合太陽電池を実現す
るための次のステップとなる。 今回、2.8 Vを超える開回路電圧を備えた
ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池を紹介する。
これは、この構造に関してこれまでに報告されている記録値。 これは、
上部ペロブスカイト層の堆積にガス急冷法を採用し、ペロブスカイト サ
ブセル間の中間層を最適化することにより実現される。さらに、三重接合
太陽電池の測定では、報告値の信頼性と正確性を確保するため、正確な測
定手順を掲載する。

・原 題:開回路電圧 > 2.8 V のモノリシック 2 端子ペロブスカイト/ペ
     ロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池;Monolithic Two-Ter-
       minal Perovskite/Perovskite/Silicon Triple-Junction Solar Cells with
       Open Circuit Voltage >2.8 V
・著 者:Maryamsadat Heydarian, Minasadat Heydarian, Alexander J. Bett, Martin
        Bivour, Florian Schindler, Martin Hermle, Martin C. Schubert, Patricia S.
        C. Schulze, Juliane Borchert, and Stefan W. Glunz

掲載誌:   ACS Energy Letters 0, 8  
D O I :  10.1021/acsenergylett.3c01391           
 

Supplementary Information 
    https://pubs.acs.org/doi/suppl/10.1021/acsenergylett.3c01391/supplfile/nz
    3c01391_si_001.pdf     




図 1. (A) 標準貧溶媒堆積ルートと (B) 適応したガス急冷技術を使用した、
湿式化学堆積ステップの概略図と中央ペロブスカイト セル/上部ペロブス
カイト スタックの SEM 断面画像。 適応されたガス急冷技術を使用する
と、膜に損傷を与えることなくペロブスカイト中間セル上にペロブスカイ
ト上部吸収体を形成できる。

高バンドギャップペロブスカイトの結晶化度を比較に、これら2つの技術
で堆積された膜に対して X 線回折 (XRD) 測定した。両方のフィルムのXRD
パターンは、同様のピーク位置を示す (図 2A)。さらに、ガスクエンチン
グ(GQ)法で作製した膜は、14.4°、20.4°、29°でペロブスカイトのよ
り高い回折ピークを示し、結晶性が向上していることを示す。12.8°のPbI
2ピークはペロブスカイト溶液中の10%鉛過剰から生じ、どちらの場合も同
様であり、GQを使用した場合の急速な結晶化にも関わらず反応の完了を示
す。 GQと ASで堆積したペロブスカイト膜の形態を比較し、図 2D に示す。
上面から見た SEM画像は、適用された技術で堆積された膜に悪影響を及ぼ
さないことを示しており、どちらの膜も非常に類似した粒径を持つ高品質
で緻密で均質なペロブスカイト層を示 (図 S3)。 反射および透過の測定か
ら決定された吸収率曲線は、両方のペロブスカイト層で同様の吸収が確認
されている (図 2B)。さらに、両方のサンプルのフォトルミネッセンス (
PL) スペクトルは、1.82 eVに相当する 680nm にピークを示す (図 2C)。
GQ で処理したサンプルは、5分間の連続照射後に安定した PLピーク位置
を示す。これは、組成中の Brの量が多いにもかかわらず、HBGペロブスカ
イトの光安定性を証明 (図 S4)。 したがって、ASを GQ法に置き換えるこ
とにより、中央のペロブスカイト太陽電池の上に上部ペロブスカイト吸収
体形成できた。 さらに、GQアプローチには、追加の溶媒が不要になるこ
とや大面積の蒸着技術との互換性など、他の利点もいくつかある。 (9,13)



図 2. 標準的な貧溶媒および適応したガス急冷法で調製された HBGペロブ
スカイト膜の (A) XRD パターン、(B) 吸収率スペクトル、(C) PL スペク
トル、および (D) 上面 SEM 画像の比較。

2つの方法で堆積されたペロブスカイトの膜形成と品質は同等。モノリシ
ック三重接合太陽電池のもう1つの重要な特徴は、サブセル間の再結合層
である。サブセルは再結合層を介して直列に接続されているので、この追
加層によって生じる電圧損失と寄生吸収が最小限に抑えられることが重要
となる。一般に、2つのペロブスカイトサブセルを接続するには 2つの一
般的なアプローチがある。最初のアプローチは、オールペロブスカイト太
陽電池 (11,15-17) や有機タンデム太陽電池で非常に一般的である金 (Au)
などの蒸着された極薄金属層を使用するものであり (18)、2 番目のアプロ
ーチはスパッタリングされた層を使用する。ペロブスカイト/シリコンタン
デム太陽電池でよく使用される酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性
酸化物(TCO)。 (19-21)
多くの高効率オールペロブスカイト太陽電池は再結合層として 1nmの蒸着
Auを使用しているが、(11,15-17) 最近では 5~15nmの範囲の薄い TCOが
有利であることが示された。 全ペロブスカイト太陽電池 (22) とペロブス
カイト/有機タンデム太陽電池の両方。 (23) この研究では、ペロブスカ
イト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池のペロブスカイトサブセ
ル間の再結合層として、1 nmの蒸着 Auと 15 nmのスパッタリングITO を
比較。これら 2 つの層の光学特性を分析に、光学ガラス/SnOxスタック上
に堆積された 15 nm ITOと 1 nm Auで反射と透過の測定を実行 (図 3A)。

以前に報告されているように、ITO 層は Au に比べて透明性が高く、寄生
吸収が低いことがわかりました。 (22) Au 層は、400 ~ 1200 nm の波長
範囲で約 20% の寄生吸収を示し、上部セルからその下のサブセルへの透
過光を制限します。 Auを再結合層として採用することのもう1つの欠点は
その固定基であるホスホン酸が縮合反応で結合するためにヒドロキシル基
を必要とするため、一般的な自己組織化単層(SAM)正孔輸送材料をその
上に直接形成できないことである。
(24) したがって、Au再結合層の場合、
トップセルの正孔輸送層 (HTL) としてポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリ
メチルフェニル)アミン] (PTAA) を採用した。ただし、特にHBGペロブス
カイトの場合、HTL/ペロブスカイト界面での界面非放射再結合を最小限に
抑え、VOCを改善するには、HTLとして PTAAをSAMに置き換える必要がある
ことが以前に示されている。 (19、21、25) 図 S5は、ガラス/HTL/ペロブ
スカイトスタックの絶対 PL測定値を PTAA および 2PACz SAMとの比較。 2

PACz上のHBGペロブスカイトのPLシグナルは、PTAA上のものよりも 1 桁高
い。したがって、PTAAを 2PACz に置き換えると、iVOC 値が 50 mV以上増
加(図 3B)。したがって、再結合層としてITOを採用すると、光学的に有利
なだけでなく、当社の三重接合太陽電池構造における HBGペロブスカイト
の HTLとして SAMを統合することも可能となる。


図 3. (A) 光学ガラス/SnOx スタック上に蒸着された 15nm ITOと 1nm Au
の透過率、反射率、吸収率のスペクトル。 (B) 絶対 PL測定から得られた
PTAAおよび 2PACz HTL上のHBGペロブスカイトのiVOC値。

ITO は、Au層に比べて透明性が高く、寄生吸収が少ないことがわかる。 2
PACzで処理されたペロブスカイトは、HTLとして PTAAを使用したペロブス
カイトと比較して、より高いiVOCを示す。これらの最適化 (Au/PTAA対ITO
/2PACz相互接続) がデバイスの性能に及ぼす影響を調査するために、次の
アーキテクチャを備えたペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接
合太陽電池が開発された: SHJ/ITO/PTAA/PFN/ペロブスカイト /C60/SnOx/
Au/PTAA/PFN/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/Ag/MgF2 および SHJ/ITO/PTAA
/PFN/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/2PACz/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO
/ 図 4Aに示す Ag/MgF2。三重接合デバイスの外部量子効率 (EQE) の測定
結果を図4Bに示す。各サブセルの EQEを測定するために、三重接合太陽電
池をスペクトル選択性バイアスLEDで照明し (図S1)、外部バイアス電圧を
印加して、参考文献 (26 および 27) に従って測定中のサブセルを短絡状
態した。詳細については、サポート情報も参照。 EQEが完全に校正されて
いない場合でも、ペロブスカイトサブセルに使用される最適化されていな
いバンドギャップを考慮すると、デバイスの全体の電流が中間セルによっ
て制限されることは明らかである。



図4. (A) ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコンの三重接合デバイス
構造の概略図。 (B) Au/PTAA および ITO/2PACz 相互接続層を備えた三重
接合太陽電池の EQE曲線。

Au/PTAAを ITO/2PACzに置き換えることにより、寄生吸収が少なくなるた
め、より多くの光が中間セル (図 3A) に伝達されるため、最終的な三重
接合太陽電池ではより高い jSC が期待されます。最後に、多接合太陽電
池の電流密度 - 電圧 (j-V) 曲線を測定する場合、ソーラー シミュレー
ターのスペクトルがエアマス 1.5地球規模 (AM1.5g) のスペクトラムとス
ペクトルは完全には一致しないことを考慮することが重要。  したがって、
3 つのサブセルすべてがシミュレータ下で AM1.5g スペクトル下で発生す
るのと同じ電流を生成するように測定前にソーラー シミュレータのスペ
クトルを調整する必要がある。 3 つのサブセルのスペクトル応答に基づ
いてこの調整を実行するには、少なくとも 3 つの異なるスペクトル チャ
ネルを備えたソーラー シミュレーターが必要である。 (28) このような測
定手順は非常によく確立されており (28,29)、ペロブスカイト/シリコン
タンデム太陽電池の測定にも一般的ですが、これまでのところ、ペロブス
カイトベースの三重接合太陽電池の測定には採用されていない。ここでは、
スペクトル調整されたソーラーシミュレーターの下で測定されたペロブス
カイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池の j-V 曲線を報告。
j-V 測定は、スペクトル的に独立した 20 個の LED を備えた発光ダイオー
ド (LED) ベースのソーラー シミュレーターを使用して実行した。スペク
トルは、次の要件が確実に満たされるように、参考文献 (30) で開発され
たアルゴリズムを使用して調整される。
この手順では相対的なスペクトル応答のみが必要であることに注意。 (28)
このような測定手順は非常によく確立されており(28,29)、ペロブスカイト
/シリコンタンデム太陽電池の測定にも一般的、これまでのところ、ペロ
ブスカイトベースの三重接合太陽電池の測定には採用されていない。 ここ
では、スペクトル調整されたソーラーシミュレーターの下で測定されたペ
ロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池の j-V 曲線を報
告する。 j-V 測定は、スペクトル的に独立した 20 個の LED を備えた発
光ダイオード (LED) ベースのソーラー シミュレーターを使用して実行し
た。 スペクトルは、次の要件が確実に満たされるように、参考文献 (30)
で開発されたアルゴリズムを使用して調整される。



両方のグループの最高のパフォーマンスの j-V 曲線を図 5 に示す。ITO/2
PACz相互接続層を備えたサンプルは、Au と比較した ITO の光学的利点(つ
まり、中央セルの電流)が減少し、ペロブスカイト/PTAA(トップセルの
VOCが増加する)と比較して、ペロブスカイト/2PACz界面での非放射再結合
が減少した。



5.(A) Au/PTAAおよびITO/2PACz相互接続層を備えた三重接合太陽電池、
最高性能の j-V曲線、およびペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコンデ
バイスの光起電力パラメータの例示的な写真。 (B) シリコン/ITO/PTAA/
ミドルペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/2PACz/トップ ペロブスカイトの SE
M断面画像、および (C) 報告されているペロブスカイト/ペロブスカイト
/シリコンの出版物における VOC の進化。この研究で達成されたVOCは、
VOC > 2.8 V とさらに改善された。

最も性能の高いセルは、20.0% の PCE、78% の FF、および 8.9 mA/cm2の
jSC を示す。最大電力点電圧に近い固定電圧での 6分間にわたる PCEの変
化を図 S6に示す。 この研究における HBG ペロブスカイトのバンドギャ
ップは 1.83 eVであるにもかかわらず、このデバイスは 2.8 V以上の VOC
を示し、これは以前に報告されたペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコ
ン三重接合太陽電池の VOC (図 5C) よりも高い。参考文献(6および7)で
使用されている1.90および1.96 eVのペロブスカイトよりも低い。 1 太陽
照明下では、単接合太陽電池の上部ペロブスカイトと中間ペロブスカイト
の開回路電圧は、それぞれ〜1.12 V と〜1.02 V  (図 S7)。 この研究に
おける SHJボトムセルのVOC は約 0.73 V。したがって、最終的な三重接
合デバイスの電圧損失は無視できる。これは、サブセル間の再結合層の高
品質を示す。ペロブスカイトまたは有機ボトムセルを使用した三重接合太
陽電池では、より高い VOC値が報告されていることに注意。 (31,32) た
だし、シリコン太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池と有機太陽電池のバ
ンドギャップがそれぞれ 1.2 eVと 1.3 eVである他の 2つのボトムセルと
比べて電圧が低いため、技術間には電圧差が予想される。 (31,32) 最後に
なりますが、適応した処理によって中間セルへのダメージが最小限に抑え
られるとしても、プロセスの再現性を高めるためには、中間層の溶媒バリ
ア機能を向上させることが重要であることに気付きました。SEM上面画像
(図 S8 を参照) から、シリコン上の 1nm Au の島状の成長は明らかであ
り、これまでに 1nm の銀 (Ag) 層で示されたものと同様である。 (23)
これにより、表面被覆率が不完全になりましたが、15nmITO は均質な緻密
な層を特徴としており (図 S8)、ITO はより優れた溶媒バリアーになる。
しかし、私たちの研究では ITO 層が 1 cm2 の開口部を持つシャドウマス
クを通してスパッタリングされるため、溶媒の浸透に対して十分な保護が
できなかった。したがって、次のステップとして、さまざまな厚さの SnOx
層の溶媒バリア特性を調査した。20 nm SnOxは溶媒に対して耐性を示さず
溶媒が下層に急速に浸透することが観察された。SnOxの厚さを 30および
40nmに増やすと、溶媒耐性が向上し、その結果、下にある層をより効果的
に保護できるよになる (図 S9)。 さらに、さまざまな厚さのSnOx 層の吸
収率曲線は、厚いSnOx層では追加の寄生吸収を示さない (図 S10)。 厚さ
30 nmの SnOxと ITO再結合層を組み合わせた三重接合太陽電池では、歩留
まりが向上し、データのばらつきはほとんどない (図 S11)。要約すると、
この論文はモノリシック二端子ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン
三重接合太陽電池の開発と特性評価におけるいつかの重要な課題に取り組
んでいる。三重接合構造のペロブスカイトトップセルの処理にガス急冷法
が初めて採用され、HBG ペロブスカイト吸収体の均一な形成が可能になり
下層への溶剤による損傷を防ぐ。さらに、ペロブスカイトサブセル間の
ITO/2PACz 相互接続層では、電圧損失がほとんどない。このデバイスの主
な制限要因は、中間セルの電流によって制限される低い短絡電流密度にあ
。これは、ペロブスカイトサブセルのバンドギャップと厚さを調整する
ことで克服できる可能性がある。さらに、ここで達成される電圧は個々の
サブセルの電圧の合計に等しいが、中間および上部のペロブスカイトセル
の電圧を改善することでさらに高めるられる。全体として、ペロブスカイ
トベースの三重接合太陽電池は複雑な新しい技術となる。 研究では、高
電圧で高効率の三重接合セルを堅牢処理するためのいくつかの有望なソリ
ューションが指摘れている。ペロブスカイト/シリコン二重接合太陽電池
のレベルに到達し、最終的にはそれを超えるには、さらなる最適化が必要
である。さらに、標準的なテスト条件および高温下でのこれらの太陽電池
の長期安定性については、今後の研究で取り組む必要がある。最後に、ペ
ロブスカイトベースの多接合太陽電池の商品化には、産業用シリコンウェ
ーハ上でスケーラブルな技術を使用して効率の向上を達成する必要がある。

✔ 面白い論文であった。金属・非鉄金属・無機物・有機物の劣化を完全
制御できたらなら自在接軽出来る野田はないか、例えば鉛を哲にかえるの
Ⅱ替えることも出来るのでは、起電力の差は別にしても最適設計できれば
使えるのではないかとか、ダイヤモンドなどのカーボンなどのカーボンが
使えないとか。いずれにしてもリサイクルを前提に変換効率30%超の道
筋は完備できるステージに入ったように思える。

   



再エネ革命渦論 167: アフターコロナ時代 168
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊽



図1.素子作製概要:i-vの手順で作製、(a) 発光分子成膜箇所をナノギ
ャップ電極間及び電極上に限定するための単分子膜(SAM)処理に用いた
分子OTS、(b) 発光分子F8BT、(c) イオン液体P66614-TFSAの分子構造。
Reprinted with permission from R. Yonemoto et al., Nano Lett. 2023, 23, 7493−
7499. Copyright 2023 American Chemical Society.


ナノギャップ電極を基盤とした電気化学発光セル
分子スケール電流励起発光源の実現に向けた大きな一歩
9月19日、明治大学らの共同研究グループは、ナノギャップ電極を基盤とし
た電気化学発光セル(nano-LEC)の開発。本デバイスは分子スケールの電
流励起発光源の実現に貢献する。 本研究ではイオン液体と発光性ポリマー
をナノギャップ電極部分にそれぞれ堆積することで、意図しないナノ構造
由来の発光や電極変形による不安定性を抑制し、ギャップ間分子への効率
的な両極電荷注入と再結合発光を得ることに成功した。

【概要】
単一の有機発光分子は理想的な光学ナノ材料と考えられる。分子スケール
の物性研究や量子技術応用のためのナノスケール光源として、走査型プロ
ーブ顕微鏡を用いた単一分子光源や、固定型ナノギャップ電極を用いた光
源が報告されている。これらは①電極から電子および正孔が分子に直接注
入・再結合することで発光を得る機構、②電子の非弾性トンネリングや局
在表面プラズモン、真空放電を介して発光を得る機構の2つに大別される。

前者は発光特性が電極間分子に依存するため安定したデバイス特性が得ら
れる利点があり、発光の基本的なメカニズムを単一分子レベルで理解する
上でも重要。後者は発光特性が電極材料・形状、印加電圧、温度などの条
件により変化するため、繊細なデバイス設計と制御が必要となる。また強
電界の印加により電極の変形や破壊を引き起こす場合があるため、本過程
を抑制し、電荷注入・再結合に基づく発光を得ることはナノスケールデバ
イスの安定性・制御性の観点から重要な課題となる。

しかしながら、これまで固定ナノギャップ電極を用いた研究では、ギャッ
プ間分子への効率的な両極電荷注入を実現することは困難でした。これら
の課題を解決すべく、本研究グループは新しいナノスケールデバイスであ
る「ナノギャップ電気化学発光セル」を提案した。電気化学発光セル(LE
C
)は、発光分子と電解質によって構成される発光層を有する有機発光デ
バイスです。可動イオンによって引き起こされる電気化学ドーピングによ
り、電極の仕事関数※3によらず両極電荷注入・再結合発光が容易となり、
低電圧で高効率な電界発光が得られる。これまで、LECに関する多くの研
究は、柔軟性・伸縮性を有する比較的大面積のエレクトロニクス素子への
応用の観点から行われてきました。本研究では、LECの動作原理をナノギ
ャップ電極系に初めて応用し、同種金属から成るナノギャップ電極から分
子のHOMOとLUMOへ、正孔と電子の効率的な両極電荷注入を実現し、再結合
発光を得ることに成功しました。本研究成果は、LECの新たな応用例を示
すだけでなく、分子スケールオプトエレクトロニクスの進歩に貢献する。

【成果】
研究グループは、ナノギャップ電極を基盤としたナノスケールのLEC(nano-
LEC)
を開発し、その電気光学特性を解析した。具体的には、金ナノギャッ
プ電極上に発光分子F8BTを堆積後、イオン液体P66614-TFSAを滴下するこ
とでnano-LECを作製した(図1)。自己組織化単分子膜によりSiO2表面を
疎水化することで、金電極上に選択的に分子が堆積されるように工夫。
イオン液体を除いたデバイスの原子間力顕微鏡像を見ると、ナノギャップ
電極間及び電極上に発光分子が点在している様子が窺える(図2)。これ
は、電流経路がナノギャップ電極間及び電極上に限定されることを示唆。
また、作製したデバイスにおける種々の電気光学特性:一定電圧印加時に
微小電流が立ち上がったのち徐々に上昇する様子や、F8BTの発光ピーク波
長に対応する540 nm付近での顕著な発光、電流・発光強度の温度依存性(
図3)も、作製したデバイスがLECとして動作していることを強く示唆。
さらに、イオン液体と発光分子を、それぞれ別々にナノギャップ電極部分
に堆積するデバイス作製法は、nano-LECを安定動作させるために重要な役
割を果たすことを突き止めた。通常のLECでは、発光分子とイオン液体の
混合膜を成膜するが、この手法でnano-LECを作製した場合には、電極の露
出部分から意図しない発光や放電を誘発し、デバイスの安定性が著しく低
下することが分かった。


図2.原子間力顕微鏡像:(a) 高さ像、(b) 粘性像。ナノギャップ電極間・
電極上においてより高く(白~金色)、より粘性が低い(黒~赤色)箇所
に分子が存在している。Adapted with permission from R. Yonemoto et al.,
Nano Lett. 2023, 23, 7493−7499. Copyright 2023 American Chemical Society.


図3 作製したデバイスの電気光学特性:一定電圧印加時における(a) 電
流、(b) 発光強度の時間依存性。Adapted with permission from R. Yonemoto et
al., Nano Lett. 2023, 23, 7493−7499. Copyright 2023 American Chemical Society.

【展望】
本研究ではnano-LECを作製し、固定型ナノギャップ電極間に堆積されたF8BT
からの電流励起再結合発光を得ることに成功。Nano-LECの発光特性を詳細に
解析することで、分子・ナノスケール電界発光現象に関する更なる理解に貢献
し、
nano-LECに異なる発光分子を添加し、ホスト-ゲスト系nano-LECとすることで
、より少数の、ひいては単一分子による発光を固定電極デバイスベースで実現
する。本成果は固定電極型の単一分子発光源の実現できるだろう。

【関係技術情報】
題目:Light-Emitting Electrochemical Cells Based on Nanogap Electrodes
著者:Ryo Yonemoto, Rieko Ueda, Akira Otomo, and Yutaka Noguchi雑誌:Nano
Letters

DOI:10.1021/acs.nanolett.3c02001


⾦属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)において
光照射により予期せぬ超⾼速構造変化
光励起による強誘電性発現などにより新規超⾼速光応答デバイス開発へ
9月19日、東京⼯業⼤学 東北⼤学らの共同研究チームは、⾦属有機構造体
Metal-Organic Framework:MOF)結晶において、室温下での光励起を⾏
うと、超⾼速結晶構造変化を伴う新しい電⼦状態が発⽣することを明らか
にした。この状態が光励起特有の隠れた秩序状態であることも分かった。
室温より⾼温で電荷移動型相転移( ⽤語3 ) を起こすMOF 結晶である
(NPr4)2[Fe2(Cl2An)3]において、室温で10 兆分の1 秒のパルス幅の超短パ
ルスレーザー光による時間分解分光を⾏った結果、有機分⼦イオン周りの
局所的な反転対称性の破れを伴う、当初予期しなかった光誘起構造変化を
⽰す反射率スペクトルを得た。本研究成果は、MOF の構造が強固だという
従来の思い込みを覆し、多彩なMOF 結晶が、光励起により超⾼速な結晶構
造変化を伴う新しい電荷秩序状態を⽣ずる物質の候補であることを⽰す。M
OF 結晶の多孔質性を活かしたフォトクロミズムや、光磁性デバイスの開発
の端緒となるだけでなく、マクロな反転対称性の破れによる強誘電体の光
制御の可能性を開く。



【展望】
光で導⼊された局所的な反転対称性の破れを、集団的な反転対称性の破れ
につなげることができれば、光による強誘電体の⽣成制御への道が開ける
と考えられる。また、電荷移動型MOF は、構成する分⼦を変えることによ
り電荷移動度の異なるさまざまな結晶を得ることができるため、光刺激に
対して超⾼速応答をする新物質のさらなる発⾒も期待できる。
【関係技術情報】
掲載誌: Advanced Optical Materials
論⽂タイトル: "Appearance of a photoinduced hidden state in the electron donor‒
acceptor type metal‒organic framework (NPr4)2[Fe2(Cl2An)3]"
著者: Samiran Banu, Mone Kato, Kou Takubo, Yoichi Okimoto, Shinya Koshihara,
Kaoru Iwano, Wataru Kosaka, Hitoshi Miyasaka, and Tadahiko Ishikawa



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風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine




アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24
ハンガリー舞曲 第5番 嬰ヘ短調(ブラームス)
Richard Greidaman Danse Hongroise No5


     

 

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