彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
【季語と短歌:2月2日】
海苔結ぶ歳徳神追儺会や
高山 宇 (赤鬼)
⛑️取り出せたのは「12億分の1」 福島第一燃料デブリ
東京電力福島第一原発の事故から14年。廃炉作業が続く中、昨年、初めて
燃料デブリの試験的取り出しに成功した。しかし、その量はあまりにも少
ない。(AERA 2025年2月3日号)
昨年、福島第一原発の作業員約5500人に労働環境についてアンケートをし
たところ、作業時に放射線に対する不安があると答えた人が4割に上ったこ
とがわかった。アンケートは毎年行い、不安がある人の割合は減少傾向だ
ったが、前年から2.8倍に急増したという。福島第一原発での作業時に放
射線に対する不安があるか尋ねたところ、「ある」(12.1%)と「多少あ
る」(28.2%)の合計は40.3%に上った。近年は不安が解消傾向にあった
が、前年比で2.8倍に増えた。「ある」「多少ある」と答えた人に、具体的
にどんな不安があるのかを選択肢をあげて質問したところ、体に放射性物
質が付着する「身体汚染」が52.2%と最も多く、前年よりも約7ポイント
増えていた。 福島第一原発では2023年10月、多核種除去設備(ALPS(
アルプス))の配管を洗浄中に高濃度の汚染廃液を浴びた作業員2人が入
院。昨年2月には、汚染水の浄化設備がある建屋の排気口から汚染水約1.5
トンが流出するトラブルが起きた。東電は、相次いだトラブルが作業員の
不安を強めた可能性があるとみている。福島第一廃炉推進カンパニーの小
野明代表によると、作業経験が短い作業員が不安を感じている傾向がある
という。小野氏は「建屋の中は放射線量が高く、汚染されやすい場所もあ
るが、しっかり対策をすれば安全に作業できる。そのことを伝えながら、
不安を解消していきたい」と話した。
✳️ 半導体製造でのPFASを除去 3年以内の商用化目指す
イリノイ大学アーバナシャンペーン校で化学工学を研究するXiao Su氏の
チームは、電界駆動でPFASを除去できるナノろ過技術を発表(2025年01
月31日 EE Times)
2024年11月、Su氏のチームは、重要部分であるシステムの膜を汚染する
ことなく、電界駆動でPFASを除去できるナノろ過技術を発表した。チーム
はベンチスケールのプロトタイプ製作を完了していて、3年以内に商用化
できると考えているという。同氏は「ベンチャーキャピタルや半導体メー
カーが生産規模の拡大に関心を示している」としたが、企業名は明かさな
かった。
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【掲載論文】
Titol:Rejection of PFAS and priority co-contaminants in semiconductor
fabrication wastewater by nanofiltration membranes
【要点】
1.半導体製造は、パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキ
ル化合物 (PFAS) の発生源。
2.ナノ濾過膜は、長鎖、短鎖、超短鎖の PFAS を除去する。
3.静電相互作用により、陽イオン性共汚染物質の除去率は陰イオン性 PFAS
より低くなる。
4.半導体廃水マトリックスにおける PFAS および共汚染物質の除去率が向
上した。
5.半バッチ パイロット システム操作により、90 % の水回収率を達成した。
【要約】
高圧膜の使用は、変動する水質や特定のPFAS構造に対して吸着プロセスよ
りも感度が低いPFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル
物質)の除去に効果的な手段です。本研究では、半導体製造(ファブ)廃
水中のPFASおよび業界関連の共汚染物質の除去のためにナノフィルトレー
ション(NF)膜の使用を評価した。フラットシートフィルトレーションセ
ルを使用した初期実験では、NF90(タイトNF)膜がNF270(ルーズNF)
膜と比較して優れた性能を示し、NF90の除去率は評価されたすべてのPFAS
に対して97%を超え、超短鎖トリフルオロメタンスルホン酸(TFMS)も含
まれていた。陽イオン性のファブ共汚染物質であるジアリルヨニウム(DIA)、
トリフェニルスルホニウム(TPS)、およびテトラメチルアンモニウム水酸
化物(TMAH)は、静電気的効果により陰イオン性PFASほど高くは除去さ
れなかった。その後、スパイラル巻きのNF90モジュールがパイロットシス
テムで使用され、PFASと共に含まれるラボ溶液を処理した。
共汚染物質とファブの廃水排出。トリフルオロ酢酸(TFA:96,413 ng/L)、
ペルフルオロプロパン酸(PFPrA:11,796 ng/L)、ペルフルオロブタン酸
(PFBA:504 ng/L)を含む高濃度のペルフルオロカルボン酸(PFCAs)を
含むファブの廃水の処理は、すべてのPFASの92%以上の除去を達成し、半
バッチ構成で90%の水回収を実現した。これらの結果は、廃水マトリック
スからのPFAS除去を目指す処理列に組み込むための有望な技術オプション
としてナノフィルトレーションを示す。
【説明図】 2 チャンバー PECVD コーティング システム、"グリーン モー
ド" 機能を備えた真空ポンプ、最新の DAS バーナー/ウォッシャー システ
ム、および 2 つの質量分析計 (MS) で構成される、完全に機能する環境に
優しい研究施設。質量分析計の 1 つは、PECVD チャンバーの出口で直接有
害ガスを検出し、もう 1 つは FTIR 測定装置と組み合わせて、バーナー/ウ
ォッシャー ユニットの出口でのガス含有量を定量化します。
図 プロセス チャンバーの出口にある質量分析計では、イオン化によって
他の信号とともに生成される NF2 信号が最も顕著。したがって、これは
ガス流中の NF3 濃度の指標フラグメントとして使用される。チャンバー
洗浄中の NF2 測定信号の比較から、NF3 を使用すると洗浄ステップの最
後にこの温室効果ガスの濃度が大幅に増加することがわかります。これは、
プラズマ プロセスの最後にプロセス チャンバーが真空にされ、消費され
なかった NF3 が排出されるため。
⛑️気候に優しいプロセスガスによる排出量の削減
半導体製造における有害な排出物を削減するもう 1 つの方法は、温室効果
ガスの可能性がないか最小限であるガスまたはガス混合物を使用すること。
この積極的なアプローチは、半導体製造用の環境に優しい洗浄ガスの開発
を目的としたプロジェクトにおいて、フラウンホーファー EMFT が業界パ
ートナーと共同で進めてきたものです。このプロセスでは、従来の、特に
気候に悪影響を与える洗浄ガスである PFC および NF₃ が、洗浄効果を損
なうことなく、フッ素、アルゴン、窒素のいわゆる FAN ガス混合物に置
き換えられた。エッチングおよび PECVD チャンバーからの汚染物質排出
の検出は、産業界および商業業界の企業に排出削減に積極的に貢献する機
会を提供する。
✅ トランプルの粗暴さを探る⓵
◾トランプ大統領の祖先が「移民」した理由(YAHOO!ニュース 2017.11.27)
ドナルド・トランプ大統領の祖父、フリードリヒ・トランプ(Friedrich "
Frederick" Trump)はドイツからの移民だった。フリードリヒはババリア
地方にあったバイエルン王国カルシュタットの貧しい家に生まれ、父親が
1877年に気管支炎で死んだ時には8歳で、後には母親と5人の兄弟姉妹が残
された。
🌠ドイツから北米への移民
ローマ時代からババリア地方で行われていたブドウ栽培の重労働に、病弱
だったフリードリヒが耐えられないと考えた母親は、南西ドイツにある街
フランケンタールへ彼を理髪師として修業に出した。2年半の修業後、1885
年、16歳でカルシュタットへ帰って来たフリードリヒは人口の少ない故郷
の街で理髪店は成功しないことを察し、兵役義務を逃れるためもあり渡米
を決心した、と言う。
ちなみに、ファイザー製薬の創業者、カール・グスタフ・ファイザー(Karl
Gustav Pfizer、チャールズ・ファイザー)はカルシュタットから南西に位
置するヴュルテンベルク王国のルートフィヒスブルクで生まれ、1848年
に米国へ移民した。また、米国の大手食品メーカー、ハインツ(Heinz)
の創業者、ヘンリー・ハインツ(Henry Heinz)もフリードリヒと同じ
1885年に同じカルシュタットから米国へ移民している。
フリードリヒ・トランプは、ゴールドラッシュで好景気の米国西海岸で飲
食業やホテル業で財を築き、1905年には彼の息子フレッド(父の米国名と
同じFrederick)、つまりトランプ大統領の父親が生まれた。フレッドは母
親と一緒にニューヨークで不動産業を始め、帝王学を授けた息子に事業を
譲る。トランプ大統領が誕生した背景には、このようにドイツから米国へ
移民した流れがあった。
19世紀までのドイツは、日本が幕藩体制だったのと似たようにプロイセン
王国やバイエルン王国、バーデン大公国、ホルシュタイン公国、ハンザ諸
都市などが割拠し、統一した国家ではなかった。また、30年戦争やナポレ
オン戦争などの戦乱で荒廃し、諸国の国民は貧しく飢餓に喘いでいた。
19世紀は移民の時代
封建制から近代資本主義制へ移行した19世紀は、世界的に人口が大きく異
動した時代でもある。日本でも1885(明治18)年にハワイへの移民第一号
(944人)が渡航した。国家統一の動乱などのため19世紀には500万人以
上がドイツから北米大陸へ移民している。もちろん、移民を後押ししたの
は戦争ばかりではない。気候変動や食物の疫病による食糧不足なども移民
の大きな要因になっていた。アイルランドのジャガイモ飢饉は、人為的に
引き起こされた側面も大きいが、アイルランドから北米移民が激増した背
景でもある。こうした北米大陸への移民について、ドイツ・フライブルク
大学の研究者が新たな分析を発表。この研究では特に、19世紀の南西ドイ
ツ、つまりフリードリヒ・トランプやチャールズ・ファイザー、ヘンリー・ハ
インツらが生まれ育ったエリアから、どのような理由でドイツ移民が北米
新大陸へ向かったのかを調べている。
研究者は、19世紀のヨーロッパからの移民がまず1815年のインドネシア・
タンボラ火山の大噴火の影響から始まった、とする。噴火による火山灰が
大気に拡散し、太陽光をさえぎったせいで世界的に冷夏や冷害、食糧不足
を引き起こした。こうした火山活動などの影響では、1883(明治16)年の
クラカトア火山の噴火もよく知られている。例えば、エドヴァルド・ムン
ク(Edvard Munch)の絵画『叫び』の背景の空が血のような色になってい
る理由もこの火山の影響のようだ。
一方、地球は14世紀の半ばから19世紀半ばにかけて小規模な氷河期である
小氷期にあたり、19世紀後半は気候変動によって干ばつや洪水などの天災
がよく起きた。不安定で劇的な気候変動は農業を痛めつけ、食糧不足が蔓
延していたという。
バーデン地方(青い線)とヴュルテンベルク王国(赤い線)からの移民の
推移。1815年前後、1852年前後、1882年前後に大きな山がある。トラン
プ大統領の祖父がドイツから米国へ移民したのは1885年だった。
Via:Rudiger Glaser, et al., "Climate of migration? How climate triggered
migration from southwest Germany to North America during the 19th
century." Climate of the Past, 2017
この項つづく
心に響く歌曲 『四つのお願い ちあきなおみ』
ジャンル:歌謡曲 1970年
作詞:白鳥朝詠 編曲:小谷充
ちあきは本楽曲で「第1回日本歌謡大賞」放送音楽賞を受賞。当時のちあき
は「お色気アイドル路線」といわれた。また、本楽曲で1970年の『第21回
NHK紅白歌合戦』に初出場した。
● 今日の言葉:「I Have a Dream」(Wikipadia) Martin Luther King Jr.
春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』