彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
【季語と短歌:2月9日】
豪雪で総動員や雪間草
高山 宇 (赤鬼)
✳️ アルミニウムイオン電池の安定化に成功 ②
昨日の続き。その前に、「エネルギーフリー社会を語ろう」が語りから実
現できそうな革命前夜に立つていることを再確認しておこう。😁
電気自動車(EV)とグリーンエネルギー源は、電力を蓄えるためにバッテリ
ーに大きく依存する。現在、世界のエネルギー貯蔵の75%以上が、価格変
動する高価な鉱物であるリチウムを含むバッテリーに依存。リチウムイオ
ン(Li-ion)電池自体も、過充電すると発火する可能性のある可燃性電解質
を使用しているため揮発性になる可能性がある。現在、北京に拠点を置く
研究グループは、アルミニウムがより良い解決策を提供すると確信する。
アルミニウムは、地球の地殻で3番目に豊富な鉱物で、リチウムの約4分の
1の価格。また、正しく製造されれば、アルミニウムベースのバッテリー
は、⓵揮発性のバッテリーよりも寿命が長く、②より安全で持続可能な設
計を提供できるっだろう。北京理工大学と北京科技大学の研究グループは、
はるかに長持ちするアルミニウム電池を安定させる方法を発見した。
アルミニウムイオン(Al-ion)電池は、長年研究の対象となっていたが、こ
れまでの試みでは、一般的にイオン性液体電解質が使用されていたため、
特に湿度の高い条件下ではアノード腐食を引き起こす可能性がある。他の
研究者は、液体と固体の中間にあるゲルポリマー電解質を使用しているが、
これらは導電率が低い傾向にある。研究チームは別のアプローチで、アル
ミニウムイオンを含む液体電解質に塩(不活性フッ化アルミニウム塩)を添
加、固体電解質を作成した。この塩類は多孔質の3D構造を持っため、液体
を吸収して安定させる硬質スポンジのように機能し、イオンがより自由に
移動できる。これにより、材料の導電性が向上し、その結果、漏れのない
固体複合材料が得られる。また、研究者たちは、時間の経過とともにバッ
テリーの性能低下させるアルミニウム結晶の形成を防ぐのに役立つ材料の
薄い層で電極をコーティング。安定したリサイクル可能な固体電解質が、
腐食、安全性、長いサイクル寿命などの問題を解決することでアルミニウ
ムイオン電池を改善できることを示す。これにより、アルミニウムベース
の電池の代替品となる可能性があるとShuqiang Jiao氏は言う。
研究者のテスト結果では、非常に長寿命であり、10,000回の充電/放電サ
イクル後もバッテリーが元の容量の99%を維持可能であることを実証。対
照的に、一般的なリチウムイオン電池は、条件にもよりますが、300〜500
サイクル後に充電容量の80%しか維持できない。また、固体電解質は、液
体電解質を使用する一般的なリチウムイオン設計よりも安全。従来の液体
電解質入り電池のように液漏れすることはないため、研究者のAlイオン電
池は、繰り返しの穿孔損傷しても、最後まで貫通しても正常に機能し続け
た。バッテリーは、200℃の高温でもテストされた。出力電圧は熱にも
かかわらずほぼ同じで、バッテリーが過度に膨張したり変形したりするこ
とはない。これらの性能上の利点に加えて、Alイオン電池は、従来のリチ
ウムイオン設計と比較して、より優れたリサイクル性をもつ。研究者たち
は、実験室での実験からフッ化アルミニウム塩の80%を容易に回収できた
。工業規模でははるかに高いレベルの回収を予測しています。固体アルミ
ホイルは、簡単な表面洗浄後に再利用することもできます。その結果、設
計全体がコンポーネントの効率的なリサイクルに役立ちます。。
より優れたバッテリーは、多くの市場に大きな影響を与える可能性がある。
「バッテリーの寿命を延ばし、コストを下げるイノベーションは、自動車
から家電製品、ホームセキュリティまで、複数の業界を変革する可能性が
ある」と、市場調査会社Parks Associatesのリサーチ担当バイスプレジデン
トであるJennifer Kent氏は言う。「例えば、バッテリーの航続距離はEV購
入の最大の障壁であり、EVを所有していない、または購入する予定がない
人の39%が、EVは頻繁に充電する必要がある、または航続距離が限られて
いる。」また、より安価なバッテリーは、必要になるまで余剰エネルギー
を貯蔵する費用対効果の高い方法を提供することで、風力や太陽光などの
持続可能なエネルギー源の使用を促進する上で重要な役割を果たすことが
できる。新しいバッテリー構造は、商業規模で簡単に製造できる必要があ
ある。しかし、Al-ionバッテリーが商用アプリケーションの準備が整う前
に、そのエネルギー密度を改善する必要があると研究者らは述べている。
それでも、この新しいアプローチは、より安全で、より安価で、長持ちし
効率的にリサイクルしやすいバッテリーの可能性を提供する。「私たちの
研究は、安定したリサイクル可能な固体電解質が、腐食、安全性、長いサ
イクル寿命などの問題を解決することでアルミニウムイオン電池を改善で
きることを示している。これにより、アルミニウムベースの電池の代替品
となる可能性がある」と、Shuqiang Jiao氏はこう話す。
【掲載誌】
・Aluminum batteries: Opportunities and challenges
・Energy Storage Materials
・https://doi.org/10.1016/j.ensm.2024.103538
【関係特許技術事例】
1.特開2020-31061 再充電可能なアルミニウムバッテリ エバーオン24
エルエルシー
【要約】電解質としてアルミニウム塩の溶液を使用する再充電可能なバッ
テリが、そのバッテリを作製する方法およびそのバッテリを使用する方法
と共に開示される。本発明は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、
またはアルミニウム化合物を含むアノードと、カソードと、アノードとカ
ソードとの直接接触を防止する電気絶縁材料を含む多孔質セパレータと、
アルミニウム塩の溶液を含む電解質とを含むバッテリであって、電解質が
アノードおよびカソードと電気接触する再生可能なバッテリを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】【0001】
発明の背景
発明の分野
本開示は、アルミニウムイオンを含む電荷担体を使用する再充電可能なバ
ッテリ、詳細には、ヒトの健康障害および環境被害が最小限に抑えられる
ように有毒成分を低減させた、バッテリに関する。
【背景技術】 背景の記載
風およびソーラーなどの再生可能エネルギー源からの発電に対する関心の
増大により、実現可能なバッテリ貯蔵システムをつき止めることがますま
す重要になってきた。例えば鉛酸バッテリは、それらの低コスト(約$
100~$150/kWh)により、グリッド貯蔵に最も広く使用される
バッテリ技術である。しかし鉛酸バッテリは、比較的低い質量エネルギー
密度(30~50Wh/kg)と、放電の深さが低い(50~75%)こ
とに基づき充放電サイクルが500から1000回の間にある不十分なサ
イクル寿命とを有する。さらに鉛酸バッテリには、硫酸および有毒鉛成分
の存在に起因する、取扱いおよび処分に関連した著しい安全性の問題があ
る。鉛酸バッテリの安全ではない取扱いおよび処分に曝された作業者およ
び子供の間で、鉛中毒および酸関連傷害が増大したとの報告は、再生可能
エネルギー源から発生した電気の貯蔵としての、鉛酸バッテリの大規模な
実装に対して強い懸念を引き起こしている。
鉛酸バッテリの環境および健康上のリスクがない、電気貯蔵のための経済
的代替例に対する探求は、これまで成功していない。1つの代替例であるナ
トリウムイオンバッテリは、2020年までに約$250/kWhの価格
に達すると推定されるが、ナトリウムイオンバッテリ技術の体積エネルギー
密度は、約30Wh/L未満で鉛酸バッテリの場合よりも低い。
別の代替例であるバナジウムレドックスフローバッテリは、高い容量と、
長い放電時間と、高いサイクル寿命とを提供するが、比較的低い質量およ
び体積エネルギー密度を有し、バナジウムおよびその他の成分の高いコス
トに起因して高価である。一方、液体金属バッテリは、2種の不混和性融
解塩電解質同士でのイオン交換をベースにするが、最高450℃の高温で
動作しなければならず、イオン交換のために複雑な鉛-アンチモン-リチ
ウム複合体を利用し、そのようなシステムには可燃性および毒性の問題が
ある。
2.特許第7626298号 アルカリ金属塩の回収方法およびアルカリ金属塩の回
収装置 東レ株式会社
🪄以上を踏まえ、「エネルギーと環境 118」で掲載した「環境アルカ
ンから水素を取り出す触媒を開発」は、東大の研究グループの「常温・可
視光で アルカンから水素を取り出す触媒」("Catalytic Acceptorless Co-
mplete Dehydrogenation of Cycloalkanes,"Nature Communications: 2
025年1月9日, doi:10.1038/s41467-024-55460-y.)のように水素がほぼ自
由に生産できる社会」が実現すればこのテーマ」は完結する。
✳️ 消費電力はGPU比で1000分の1
「フラッシュメモリで」AI演算
フローディア(Floadia)が、SONOS構造のフラッシュメモリを用いて超
低消費電力で推論を行うCiM(Computing in Memory)技術を開発中だ。
GPUに比べ1000分の1ほどの消費電力で積和演算を実行できるという。
2025年春ごろには試作チップができ上がる。
🎈ルネサスから独立した7人で創業
フラッシュモリメモリIP(Intellectual Property)を手掛けるフローディア
が、 SONOS構造のフラッシュメモリを用いて超低消費電力でAI演算を行う
CiM(Computing in Memory)技術を開発中。 フローディアは、ルネサ
ス エレクトロニクスでフラッシュメモリの開発を20年以上手掛けていた
7人のエンジニアにより、2011年4月に設立された。 BCDプロセスを適用
したSONOS構造のフラッシュメモリ(SONOSメモリ)技術を、IPとして
半導体メーカーやファウンドリーに提供している。 SONOSメモリは、窒
化シリコン(SiN)膜に電子をトラップする(チャージトラップ方式)こ
とでメモリ機能を実現する。 フローティングゲート方式を用いた一般的な
組み込みフラッシュメモリでは、ゲート酸化膜が高温に弱く電荷が大量に
漏れてしまうのに対し、SONOSメモリは電荷が結晶の微細な構造に閉じ込
められていて漏れにくい。 そのため優れたリテンションを実現する。 現在、
最大256Kバイトの中容量用途向け「G1」がフローディア製品の主力で、
車載機器やパワーマネジメントIC(PMIC)、スマートフォンなど向けに
出荷している。
◾GPUの1000分の1、超低消費電力で推論
ローディアが、SONOSメモリで培った技術をベースに開発中なのがCiM
技術だ。 CiMでは、メモリセルに保持された重み係数と、ワード線から印
加された電圧で生成された電流がフラッシュメモリを通過することで積
算し、その後ビット線上で加算することで積和演算を実行する。 GPUの
ような大規模なデジタル回路ではなく、電流を流すことでアナログ回路的
に積和演算を行うのがCiM。 原理的にはシンプルで、GPUに比べると
約1000分の1(TOPS/Wで比較)という超低消費電力でニュートラルネッ
トワークの演算を実行できるのが最大の特徴になる。 「メモリセルに流す
電流がナノアンペアレベルと低いため、極めて低消費電力のAI演算チッ
プを構成できる」
CiM(Computing in Memory)の原理 出所:フローディア
ResNet-18を1~2個で処理できるAIチップを試作
フローディアは現在、CiMをタイル状に並べ、 バスで接続したプログラマブ
ルなAIチップ「FP(Field Programmable) CiM」を試作している。 1つの
CiM(CiMコア)は1MビットのSONOSメモリセルと演算回路、A-Dコン
バーター、D-Aコンバーター、ALUやSRAMなどで構成されている。 CiM
コアでニューラルネットワークの演算を実行し、その結果を隣接するタイ
ルに次々に渡していくことで演算を継続する。 「試作中のFP CiMは、CiM
コアを16個搭載したもので、ResNet-18の各レイヤーを一つ一つのCiMコ
アで演算していく。ResNet-18のようなニューラルネットワークモデルを、
1~2個のFP CiMで処理できる」(米田氏)。 FP CiMの試作チップは既に
テープアウトしており、現在評価中だ。 2025年3~4月にも登場する予定。
開発中のFP CiMはデータ保持性能も優れているとする。 フローディアは、
各メモリセルの電荷を制御し128レベル(7ビット)の多値化を実現。 加
えて、メモリセルに記憶させた128レベルの係数データを長期間保持でき
る。 「通常のフラッシュメモリセルでは100秒しかデータを保持できない
が、現在は4時間保持できるところまで確認している。次世代のFP CiMテ
ストチップでは10年保持できる可能性も見えている」とのこと。
FP CiMは、GPUの置き換えを狙うものではないとフローディアは主張す
る。 「高速に積和演算を実行するSoC(System on Chip)やGPUのオフロ
ードエンジンとして、コプロセッサの役割を担うものとしての位置付け」
同プロジェクトには九州工業大学や日立製作所などが参画していて、リザ
バーコンピューティング用AIチップも開発している。 これも2025年3月に
試作チップが完成する予定だ。 ノイズが多い環境下で使われるセンサー用
のノイズ除去フィルターなど、産業用途を想定する。
GPT-4演算が手のひらサイズのコンピュータで実現
最終的にフローディアが目指すのは、CiMを3次元積層し、大規模言語モ
デル(LLM)などを搭載できるようにして推論だけでなく学習の分野も狙
っていくことだ。 「データセンターではどのくらいの規模でニューラルネ
ットワークを搭載できるかが鍵になるので、2次元実装だといずれ限界が
来る」
「Cube CiM」を18個搭載したAIコンピュータには180兆パラメータのモデルを搭載できるという
出所:フローディア
AIの演算で「メモリ」を主役に
CiMの3次元積層は次のような段階で開発していく。 まずはNOR型SONOS
メモリを256層積層したチップを作る。 このチップのサイズは、レチクル
で製造できる最大チップサイズを考慮し20×20mmを想定している。 20mm
角のチップを16個、シリコン貫通電極(TSV)でスタックし、1パッケー
ジ化したものが「Cube CiM」だ。 このCube CiMをプリント基板(PCB)
上に18個実装したものが最終形になる。 この最終形には180兆パラメータ
のモデルを搭載できるという。 「GPT-4を超低消費電力で処理できるAIコ
ンピュータを、手のひらサイズで実現できるようになる」
フローディアは、2023年にシリーズDで10億5000万円の資金調達を完了。
奥山氏によれば、2027年3月の新規株式公開(IPO)を予定している。 「
2025年はCiMのデモに力を入れ、2027~2028年にビジネスを本格化させ
ていきたい」。 現在、フローディアは本社(東京都小平市)と岐阜県に
加え、台湾・国立清華大学の敷地内に設計拠点を構えている。 本社と岐阜
県では計60人超、台湾では約20人が設計開発に従事する。
🪄生成AI向けのデーターセンタの膨大な消費電力が問題とされているが、
いろんな解決策が考えられ、事業開発がスタートしている。この懸案もそ
のひとつである。
試作したパラジウム・コバルト酸化物(PdCoO2)薄膜
✳️ 酸化物で金並み導電性
酸化物で金並みの導電性を持つ微細配線材料を開発。 27ナノメートルの膜
厚で電気抵抗が4マイクロオームセンチメートルとなった。 安定性が高いた
め、微細配線に電流を流すと金属原子が拡散するエレクトロマイグレーシ
ョンが発生しないと見込まれる。 最先端半導体の微細配線近平坦なバンド
がフェルミ準位近傍にシフトする。 フェルミ準位上の状態密度が大きくな
るため、Stoner条件を満たし、表面Pd層が強磁性状態に変化する。 これま
でに、この強磁性状態による異常ホール効果をPdCoO2の極薄膜において
観測した [T. Harada et al, Phys. Rev. Res. 2, 013282 (2020)]。
図 1. PdCoO2 の結晶構造と電子構造。 (a) PdCoO2 の結晶構造。 (b) 2 次
元 Pd 層。 (c) CoO2 サブラティス (上) と Co3+ スピン配置 (下)。 (d) ス
トーナー不安定性によってストーナーによって分割された表面 Pd バンド
の状態密度 (DOS)[17,18]。 (e) ds にわたって広がる表面強磁性状態を持つ
PdCoO2 薄膜の模式図。 ホール効果測定により、薄膜全体の伝導が調べら
れる。 (f) Al2O3 (0001) 上の PdCoO2 薄膜の HAADF-STEM 画像。
Al2O3 [¯ 1100] 方向に沿って投影。 Pd および CoO2 サブラティスが Al2O3
基板上に見られます。 (g) d = 8.0nmのPdCoO2膜のKカットに沿った電
子バンド分散。 スピン分裂表面Pdバンドはαとβとして示されている。 紫
色の点線の四角は、Co由来の表面バンドが存在すると予想される領域を示
している[18,22]。 (h) (g)のARPESデータを対称化して得られたPdCoO2の
フェルミ面
物質・材料研究機構の原田尚之独立研究者は、酸化物で金並みの導電性を
持つ微細配線材料を開発した。 27ナノメートル(ナノは10億分の1)
の膜厚で電気抵抗が4マイクロオームセンチメートル(マイクロは100
万分の1)となった。 安定性が高いため、微細配線に電流を流すと金属原
子が拡散するエレクトロマイグレーションが発生しないと見込まれる。 最
先端半導体の微細配線に提案していく。 パラジウム・コバルト酸化物や白
金コバルト酸化物を薄膜化した。 同酸化物は単結晶の物性値から有望視さ
れていたが、薄膜で高い物性を実現したのは初めて。 スパッタリングで成
膜できるようになり、大面積ウエハーの製造プロセスとして適用可能にな
った。
実験ではパラジウム・コバルト酸化物が膜厚27ナノメートルで電気抵抗
が4マイクロオームセンチメートル。 電子を取り出すために必要なエネル
ギーを指す仕事関数は7・8エレクトロンボルトと既知物質の中では最高
だった。 微細配線に用いると電流が流れやすく、周囲に漏れにくい物質に
なる。 同酸化物はパラジウムイオンや白金イオンのプラスの層と、コバル
ト酸化物イオンのマイナスの層が交互に積み重なってイオン結合している。
電流はパラジウムや白金の層を流れる。 配線を微細化して電流密度が大き
くなっても、イオン結合で強固に固定され原子拡散が起きにくい。 銅配線
は電流密度が大きくなると銅原子が拡散するため絶縁層で保護していた。
2ナノ世代以降では配線が細く、絶縁保護の限界が指摘されている。 銅の
代替候補としてルテニウムやモリブデンが研究されてきたが、新材料は両
方の物性値を上回った。 現在は新材料を上回る候補物質はないという。 サ
ファイア基板上で実証できたため、シリコンウエハーへの適用を進める。
✳️ 全固体フッ化物イオン二次電池用正極材料
2025年1月、京都大学の研究グループは、トヨタ自動車や東京大学、兵庫
県立大学、東北大学および、東京科学大学と共同で、全固体フッ化物イオ
ン二次電池用の超高容量正極材料を開発した。 既存のリチウムイオン二次
電池正極材料に比べ、2倍を超える高い可逆容量を示すことが分かった。
◾550mAh/gを実現
フッ化物イオン(F-)をキャリアとして用いる全固体フッ化物イオン二次
電池は、高いエネルギー密度や入出力密度、安全性を備えた二次電池とし
て注目されている。 ただ、正極材料として開発されてきた金属/金属フッ
化物は、サイクル特性や入出力特性が十分ではないという課題があった。
こうした中で、F-のインターカレーション反応を利用した正極材料の開発
も進んでいるが、利用可能な容量が小さいという新たな問題点も指摘され
ていた。 研究グループは今回、逆ReO3型構造を有するCu3N窒化物に着目。
予想よりもはるかに多くのF-を可逆的に挿入できる。 これにより、550mAh
/gという高い可逆容量を示すことが分かった。 これは既存のリチウムイオ
ン二次電池正極材料の2倍を超える値である。
開発したCu3N正極と既存正極材料における重量当たりの容量と体積当たり
の容量比較 出所:京都大学他
さらに、大型放射光施設「SPring-8」でX線吸収分光法や共鳴非弾性X線散
乱法などを活用し、Cu3N正極の反応機構を解析した。 この結果、「F-1挿
入時に正イオンである遷移金属に加え、負イオンである窒素が電荷補償を
担っている」ことや、「窒素が電荷補償をする際に構造内で分子状窒素を
形成するため、結晶構造から予想されるよりもはるかに多くのF- を挿入可
能にしている」ことを明らかにした。 こうした反応機構がCu3N正極の高容
量化につながっているという。
充電前後におけるCu3N正極のN-K吸収端でのX線吸収分光測定(左)と共
鳴非弾性X線散乱測定(右)に結果 出所:京都大学他
今回の研究は、京都大学大学院人間・環境学研究科の山本健太郎特定准教
授(現在は奈良女子大学研究院工学系准教授)や内本喜晴教授らによる研
究グループとトヨタ自動車、東京大学、兵庫県立大学、東北大学および東
京科学大学らが共同で行った。 (EE Times Japan)
心に響く楽曲 『アンコ椿は恋の花 都はるみ』
作詞:星野哲郎/作曲:市川昭介
ジャンル:演歌 2064年10月5日
都 はるみ(みやこ はるみ、1948年(昭和23年)2月22日 - )は、日本の
女性演歌歌手、音楽プロデューサー。「はるみ節」と呼ばれる力強い歌唱
法をもち、昭和後期を代表する女性演歌歌手として多くのヒット曲を世に
送り出した。「アンコ椿は恋の花」(アンコつばきはこいのはな)は、19
64年10月5日に発売された都はるみの3枚目のシングル。
● 今日の言葉:チョコレート新時代ってさ 😁
春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』