彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。
【季語と短歌:1月20日】
寒い朝終日ひとりブログ打つ
高山 宇 (赤鬼)
✳️ タンデムセルで30%超の変換効率達成
【概説】自動車や人工衛星等で使用される太陽電池は,搭載可能な面積が
限定されるため可能な限り高い変換効率が求められる。ペロブスカイト太
陽電池単独の理論変換効率は33.7%であるのに対し,ペロブスカイト太陽
電池と結晶シリコン太陽電池を積層したタンデム型の理論変換効率は43.8
%と単独型の数値をはるかに上回るため,タンデム型には高効率太陽電池
として非常に高い優位性がある。タンデム型は,受光面側から順にペロブ
スカイト,結晶シリコンそれぞれの発電層を持つ構造となっており,最初に
ペロブスカイト太陽電池が可視光領域の光エネルギーで発電し,ペロブス
カイトが吸収しない赤外領域の光エネルギーで結晶シリコン太陽電池が発
電する。ペロブスカイト太陽電池には,可視光での高い発電能力と赤外線
をロスすることなく結晶シリコンに透過させる性能の両立が求められる。
今回,両社はペロブスカイト太陽電池の透過性に着目し,赤外線透過率を
81%まで向上させることに成功した。ペロブスカイト太陽電池には,可視
光での高い発電能力と赤外線をロスすることなく結晶シリコンに透過させ
る性能の両立が求められる。今回,両社はペロブスカイト太陽電池の透過
性に着目し,赤外線透過率を81%まで向上させることに成功した。
今回得られた変換効率の数値は、セルレベルの限定された面積での測定値
であり、今後、本取り組みの成果を基盤としてモジュール化・大型化に取
り組み、ユーザーメリットに優れた高効率太陽電池の実用化に向けて開発
を継続。 なお、本成果は 2025 年 1 月 21 日、22 日に京都大学宇治キャ
ンパスで開催される The Asia-Pacific International Conference on
Perovskite,Organic Photovoltaics and Optoelectronics (IPEROP25)に
おいて発表される予定。
【エネコートテクノロジーズについて】
エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所若宮淳志研究室の研究
成果を実用化するために2018年1月に設立された京都大学発スタートアッ
プであり、①低照度(屋内)向け高効率太陽電池を用いたデバイス(屋内
光源デバイス)による IoT 化促進への貢献、②高照度(屋外)向け軽量薄
膜太陽電池によるカーボンニュートラル社会実現への貢献をコーポレート
ミッションと位置付け事業に取り組んでいる。 車載用太陽電池の開発は、
上記②高照度(屋外)向け軽量薄膜太陽電池によるカーボンニュートラル
社会実現への貢献の一環として取り組んでいるものであり、豊かなカーラ
イフの実現、自動車セクターのCO2排出量削減を目指す。
✅ 太陽光で水から水素生産を変える可能性
オーストラリアのフリンダース大学が主導する国際研究により、ナノスケ
ールの化学が進歩し、太陽光エネルギーを利用して水から水素を生成する
持続可能かつ効率的な技術の開発がさらに進展したという。
PEM電解技術のコスト開発画像: グリフィス大学、Journal of Cleaner
Production、クリエイティブ コモンズ ライセンス CC BY 4.0
🎈水素がネットゼロへの移行において役割を果たすためには、生産コスト
を下げる必要がある。数メガワットの太陽光発電で動く今日のプロジェク
トを1GW程度にまで規模を拡大することで、オーストラリアで水の電気分
解によりグリーン水素を生産するコストは、2050年までに1kgあたり2ドル
まで下がる可能性があることを示す。この研究で、水素製造の電気分解技
術のプロトン交換膜(PEM)を想定。電気分解装置に電力を供給に、10M
W、100MW、500MW、1GWの設備容量を持つ太陽光および風力発電所を
想定する。異なる条件は、電解装置アレイサイズ。最初のバリエーション
では、発電所の出力で最大電力を利用できるサイズ。しかし、ピーク電力
は頻繁に発生せず、十分に活用されない可能性があり、無効となるピーク
電力を削減する削減電力プロファイルも提示し、より小型で安価な電解装
置アレイを実現させる。
本研究では、FeドーパントとCo/Se空孔を組み込むことで、OER用の原子
的に薄いCoSe 2ナノベルトの触媒ポテンシャルを完全に掘り起こすこと
を目指す。実験と理論計算の両方を通じて、最良の触媒はCoSe 2 –D Fe –
V Coであり、最も活性な中心はV Coに最も近い表面Feサイトに隣接する
Co 2サイトであることがわかった。FeドーピングとCo空孔は相乗的に作
用してCo 2の電子状態を最適化のため、OH*の結合エネルギーが大幅に減
少し、高い触媒活性が達成される。対照的に、Se由来のO空孔はCo 2サイ
トでのO*の結合エネルギーに明らかな影響を及ぼし、その結果、比較的高
い過電位と低い触媒活性をもたらした。
アレイの 3 番目のバリエーションでは、電解槽の過負荷を考慮。「このシ
ナリオでは、電解槽は、スタックの寿命を縮めないように、短期間でまれ
に定格容量を超える入力電力を使用するようにサイズ設定する。「過負荷
容量を組み込むことによる LCOH への影響を確認に、150% の値を想定す
る」。
基準シナリオにおけるLCOH、楽観的シナリオと悲観的シナリオを示すエ
ラーバー(画像: グリフィス大学、Journal of Cleaner Production、CC BY
4.0 DEED)
✳️ 空気から燃料や肥料になる「グリーンアンモニア」生成
化学肥料の大量生産を可能にしたハーバー・ボッシュ法は、世界中の農業
を支えているが、全世界のエネルギー消費量の2%以上、天然ガス使用量
の約5%を占めるエネルギー集約技術。昨年12月13日に科学誌・Science
Advancesに掲載された論文で、空気中から肥料にできるアンモニアを集
める装置が発表されている。容易に液体に溶けるアンモニアは気体の水素
よりも扱いやすいため、キロワット時当たりのコストも低く抑えられる。
海運業界は既にアンモニアに注目しており、2024年には世界初の炭素排出
ゼロのアンモニア駆動船が就航された。
メタンや水素ガスよりもクリーンな燃料としてのアンモニアに注目したス
タンフォード大学とサウジアラビアのキング・ファハド石油鉱物大学のチ
ームは、空気中の窒素と水蒸気を利用したグリーンアンモニアの収集装置
を開発。下図は、その「オンサイトアンモニア製造装置」の概略図。この
装置は触媒メッシュ、採取した液体サンプルを捕集するための冷却コンデ
ンサープレート、収集容器で構成。
「オンサイトアンモニア製造装置」の仕組みは、自然風か装置に組み込ま
れたファンで空気中の水蒸気と窒素を触媒メッシュの中に通すと、装置内
にグリーンアンモニアが発生するため、それを冷やして凝集させて液体と
して集めるが、チームが実際に装置を稼働させたところ、1時間当たり最
高120μM(マイクロモーラ)の濃度のアンモニアの生成に成功。これは、一
部の作物にとっては十分な濃度。また、廃水中のアンモニアを除去するの
によく使われるゼオライトを使うことで、必要に応じてアンモニアを載淑
できる。スタンフォード大学の化学教授で、論文の著者の1人であるリチ
ャード・ザレ氏は「このイノベーションは、集中型生産に代わる持続可能
かつコスパが高い代替手段となる。また、発展途上国の農業の強化から、
医薬品製造や工業の進歩に至るまで貢献可能だという。アンモニアの生成
は、マグネタイトとナフィオンと呼ばれるポリマーで構成された触媒によ
り、水蒸気(H2O)と大気中の窒素(N2)を結合させて、アンモニア(NH3)と
酸素(O2)を発生させるというプロセスで行われる。
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【掲載論文】
Titol:Onsite ammonia synthesis from water vapor and nitrogen in the air
Science Advances 13 Dec 2024 Vol 10, Issue 50
DOI: 10.1126/sciadv.ads4443
✳️ 水素製造触媒で最高効率、物材機構 AIで短期間で発見
物質・材料研究機構(NIMS)は水を電気分解するための触媒で世界最高
効率の材料を発見した。マンガンや鉄などの安価な5つの元素で構成される。
グリーン水素の製造効率向上と低価格化につながる。人工知能(AI)で効
率的に材料を探索して見つけたという。再生可能エネルギー由来の電力で
水を電気分解してつくるグリーン水素を、新たな燃料や余剰電力の貯蔵に
使う動きが広がっている。普及には低価格化が欠かせず、水の電解効率向
上と装置コストの低減が課題となっている。
改善策の1つが、多種の金属元素を複合化した多元素合金だ。構成元素の
組み合わせを変えることで通常の合金や単一元素の金属よりも高い性能を
示すことがある。安価な金属を選んでつくれば合金の値段も下がる。ただ、
組み合わせの種類が膨大で、高い性能の材料を見つけることが難しい。物
材機構の研究チームはまず安価な11種類の金属を選定した上で、うち5種
類の金属を選んで合金化した。従来だと約3000候補の材料をそれぞれ合成
して実験する必要があったが、AIの活用により全候補数の2%を実験するだ
けで優れた材料を発見した。期間に直すと6年間かかる研究を70分の1以下
の1カ月に短縮できたという。
図2:水素環境下試験設備の温度・圧力環境の比較。従来は200K以上が中
心で、低温領域は常圧・液化水素環境(20K)下の設備があるのみ(☆)。
今回、20K~200Kかつ常圧~10MPaまで、低温での幅広い温度・圧力域で
試験が可能となった。新材料はマンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀で構成
される。水の電気分解に必要な2種類の触媒のうち、全体の効率を特に左右
する酸素を発生させる触媒だ。実験によると水が中性の条件では世界最高
の酸素発生効率を示したという。価格が安く、5元素のうち最も高価な銀
でも従来世界最高のルテニウムの20分の1程度となる。
✳️ 「水素」破格に 触媒1粒で効率水分解
カーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向
け、安価な水素の大規模供給が渇望されている。水素は燃料として使える
だけでなく、二酸化炭素(CO2)と反応させればプラスチックを製造で
きる。炭素を環境に排出せず、繰り返し使うことが可能だ。この水素の価
格破壊を起こすと期待されるのが光触媒。粉を水にといて光を当てると水
素が得られる。日本にはノーベル賞級とされる研究者がいる。
「正直、あと2―3年待ってほしかった。もう少しで実用レベルに到達す
る」―。英調査会社クラリベイトの2024年の引用栄誉賞を受賞し、堂
免一成信州大学特別特任教授は苦笑いした。同賞はノーベル賞の前哨戦に
も位置付けられる。水分解光触媒は実用化まであと数歩のところまできて
いる。
光触媒研究は光の吸収波長を広げ、水の分解効率を高める。この二つを両
立させる必要がある。太陽光のすべての波長を触媒が吸収できれば、光の
利用効率が向上する。光エネルギーで水を効率的に分解できれば生産性が
向上する。前者は光触媒の母材、後者は助触媒が機能を担う。そして水を
分解して酸素を作る助触媒と、水素を作る助触媒は物質が異なる。そのた
め母材と二つの助触媒がそれぞれ開発されてきた。堂免教授はこれらを一
粒の触媒で実現した。堂免教授は「一つの触媒で水素を生成できたため
、光触媒が実用技術と認められた」と06年の論文の意義を振り返る。二
つ必要だった触媒を一つにまとめた研究は高く評価され、英科学誌「ネイ
チャー」に掲載された。それまでは水素生成と酸素生成の触媒の間にレド
ックスシャトルという電荷の受け渡し機構が必要で、反応効率が上がらな
い要因になっていた。
一粒の触媒上で二つの反応が完結すれば効率は劇的に向上する。堂免教授
らは窒化ガリウムと酸化亜鉛を固溶させてこれを実現した。窒化ガリウム
/酸化亜鉛の界面が酸素を生成し、助触媒のロジウム・クロム酸化物複合
体が水素を生成する。エネルギーの小さな可視光でも水素を作れると実証
した。
✳️ 母材の吸収波長拡大が課題
それまでは光触媒のアプローチは実現性を疑われるほどだった。堂免教授
らの論文は人工光合成の研究に火を付けることになる。欧米でも同じアプ
ローチの研究プロジェクトが立ち上がっている。また水分解の面では紫外
光を用いて量子収率100%を達成した。触媒が光を吸収すると電子と正
孔が生じる。量子収率100%とは、生成した電子と正孔はほぼすべて水
分解の反応に利用できていることになる。この研究では母材にアルミニウ
ムを添加したチタン酸ストロンチウム、水素生成助触媒はロジウム・クロ
ム酸化物複合体、酸素生成助触媒に水酸化酸化コバルトを利用した。チタ
ン酸ストロンチウムの結晶は電子が流れやすい表面と正孔が流れやすい表
面が存在する。そこで電子の流れやすい面に水素生成助触媒を付着させ、
正孔の流れやすい面には酸素生成助触媒を付けて反応が干渉しないように
制御した。わずか500ナノメートル(ナノは10億分の1)の18面体
の粒を精密に塗り分けることに成功している。
現在は性能を維持したまま母材の吸収波長を広げられるかが課題になって
いる。新しい母材として窒化タンタルやスズ・ニオブ酸化物などを見いだ
した。堂免教授は「元素を添加すれば波長を広げることはできる。だが結
晶に欠陥が入りやすくなる」と説明する。実用レベルにはあと数歩必要だ。
日本は触媒分野に限らず、半導体や電池などマテリアル研究者の層が厚い。
思わぬ分野のアイデアがブレークスルーをもたらすかもしれない。触媒研
究と並行して事業化や製造プロセスの検証も進んでいる。新エネルギー・
産業技術総合開発機構(NEDO)事業では、実際にパネル1600枚を
並べて100平方メートル規模の水素製造実証システムを構築した。プラ
ント設計の知見を蓄え、現在は三菱ケミカルなどが実証開発を進めている。
🎈 安全に水分解、海水も利用
光触媒方式に求められるのは圧倒的なコスト競争力だ。触媒の粉末に水を
かけて光を当てれば水素が発生するため、装置が単純で安価に供給できる
と期待されてきた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
人工光合成プロジェクトでも「破壊的に安価なグリーン水素製造」が掲げ
られている。経済産業省とNEDOは2012―21年の10年間で約1
50億円を投じ、人工光合成技術を育ててきた。参加した研究者の総数は
約150人。信州大学の堂免一成特別特任教授らが光触媒を開発し、三菱
ケミカルがシステム設計などを担った。現在は経産省・NEDOのグリー
ンイノベーション(GI)基金事業で三菱ケミカルが事業化を進めている。
光触媒方式では水素と酸素の混合ガスが得られる。ガスを水素と酸素に分
離するプロセスや消炎対策などが必要になる。そこで水素分離には膜分離
方式を採用した。水素分子の大きさは2・9オングストローム(オングス
トロームは100億分の1メートル)で酸素分子は3・4オングストロー
ム。この差を利用して分子をふるいにかける。分離膜はセラミックやゼオ
ライト、シリカ膜、炭素膜などを検証した。水素ガス中の酸素を4%未満
に減らせれば爆発しない。条件を限定すれば水素濃度96%以上、水素回
収率90%が見えている。
安全対策は配管に接続して組み込める消炎ユニットを開発した。さらに分
離膜ユニットでの爆発実験を繰り返し、爆発させても分離膜性能に異常が
ないことを確認した。堂免教授は「火を付けないことが大前提。だが仮に
着火したとしても壊れないシステムを開発できた」と説明する。安全研究
の専門家らが開発を支えた。水素の原料となる水の供給可能性も検証され
た。水素を大規模製造するとなると海水や河川水が原料となる。ただ遷移
金属イオンや塩素、有機物などの不純物が含まれるため、そのままは利用
できない。淡水化の工程が必要になる。
そこで蒸留水と海水淡水化水を検証したところ、光触媒の活性は変わらな
かった。材料メーカーの試算では海水淡水化水のコストは水1トン当たり
1ドル未満。50年の水素目標価格の1ノルマル立方メートル20円にお
いても淡水化コストは0・4%程度になった。堂免教授は「実用化されて
いる淡水化技術で十分」と断言する。また水分解パネルは太陽電池パネル
よりも簡素な構成で作れる。堂免教授は「アイデア次第で非常に安い水分
解パネルを構築できる」という。将来、瀬戸内海などの波の静かな内海に
パネルを浮かべて水素を生産する風景が日常になるかもしれない。
✳️ CO2からプラスチック製造へ
🎈 「人工光合成触媒」
水素社会の実現へは水素のサプライチェーン(供給網)全体でコストを抑
える必要がある。水素の温度や圧力、不純物などを需要側に合わせるため
の工数はできる限り削減したい。例えば燃料電池車(FCV)へは水素を
冷やして液化して供給する。液化の際に不純物を取り除けるが、冷却にコ
ストがかかる。水分解で生産する水素を、そのまま使える用途があれば簡
単だ。三菱ケミカルは水素を化学品の原料製造に利用する。水素で二酸化
炭素(CO2)をメタノールに還元し、メタノールからエチレンなどのオ
レフィンを製造する計画だ。これなら水素製造システムと水素利用システ
ムを直接つないで供給することも不可能ではない。
もともと水素の用途はFCVが筆頭とされてきたが、現在はカーボンニュ
ートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)でCO2を資源化する需要が高
まっている。CO2を化学品に変換して使い続ければ、実質的にCO2排
出量を減らせる。オレフィンを重合したポリエチレンやポリプロピレンは
それぞれ年間230万トン程度利用されている。以前は夢物語とも言われ
たが、カーボンクレジットでCO2に値が付くようになってからは関係者
の目の色が変わった。巨大なビジネスになると投資が進んでいる。安価な
グリーン水素とCO2の需要が急拡大している。
経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリー
ンイノベーション(GI)基金事業ではCO2からメタノールを製造する
ために、新しい反応分離膜ユニットを開発している。従来法は一酸化炭素と
水素の混合ガスからメタノールを製造する。メタノールの収率は熱力学的
平衡で決まり、平衡収率は3―4割だった。そのためできたメタノールを
分離して未利用原料を再度反応器に投入していた。膜反応プロセスでは、
できたメタノールは分離され排出されるため効率が飛躍する。
メタノールからのオレフィン製造ではゼオライト触媒でエチレンへの選択
率が70%、プロピレンへの選択率が76%に向上した。それぞれ既存の
触媒では39%と65―70%だった。CO2からプラスチックが作れれ
ば、炭素を環境に放出せず、繰り返し使う社会につながる。CO2を大か
ら取り除いて固定する目的においても、プラスチックの利用量は大きく、
寿命が長いため有望になる。調査ではメタノールだけを選択的に分離可能
なゼオライト膜は三菱ケミカルの技術のみで、膜反応器をベンチスケール
で実証しているのも三菱ケミカルのみだ。GI基金事業の終了後に5年程
度研究開発を続け、2035年ごろのオレフィン製造を目指している。
GI基金事業は21―30年度の10年間で研究開発費用は約231億円
を見込む。これを官民で半分ずつ分担する。32年ごろから事業化し、45
年の投資回収を見込んでいる。人工光合成触媒の開発は産学官が密接に連
携してきた。実用化に向けた開発と基礎研究を並行して走らせ、企業は安
全性検証などの企業単独の開発ではカバーしきれない領域も対応できた。
大学は基礎研究や実証研究がそれぞれ「ネイチャー」などの一流学術誌に
掲載された。論文は注目を集め、社会から期待と投資を集めた。産と学で
好循環を回してきたといえる。堂免一成信州大学特別特任教授は「我々は
この分野では最も恵まれた研究チームだった」と振り返る。(ニュースス
イッチより)
作詞:なかにし礼・作曲:加藤登紀子
1987年4月21日 歌謡曲
された。そして、水素製造及び炭化水素合成の触媒が発
明されることが明らかになった。これは目出度いことだ。
奇跡に乾杯し、「わが人生に悔いはない」とお礼しよう
と思う。(LK-99超伝導体騒動もあったけれど)
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