極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 108

2025年01月16日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月16日】

       冴ゆる朝それもそうだよアルテック 

                  高山 宇 (赤鬼)




【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 9】

3.特開2025-2926 水電解装置及び水電解装置の組み立て
構造 株式会社ノーリツ
【要約】下図5のごとく、入水部と吐水部とを有するケース内に第1電極(
11)と第2電極(12)とがイオン交換膜(13)を挟んで絶縁された状態に積層配
置され、第1電極と第2電極の間に電圧を印加してケース内を流動する水
を電気分解する水電解装置において、第1電極とイオン交換膜と第2電極
は、各々が中央に開口部を有する平板形状であって、これら開口部が連通
するように積層されてケースに固定され、第1電極は、第1電極の開口部
(11a)とイオン交換膜の開口部(13a)とを一致させ、且つ第1電極の外縁部
がイオン交換膜の外縁部よりも内側となるように形成され、第2電極は、
第2電極の外縁部とイオン交換膜の外縁部とを一致させ、且つ第2電極の
開口部(12a)がイオン交換膜の開口部よりも大きく形成された。  
 特開-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図5   

図5 左図4の電解部の分解図        図4.図1水電解装置の外観斜視図
【符号の説明】【0042】
1    :水電解装置 2    :入水部 3    :吐水部 4    :ケース 5    :
第1ケース 6    :第2ケース 7    :抑え板 8    :パッキン
9a,9b:電力線 10  :電解部 11  :第1電極 11a:開口部
12  :第2電極 12a:開口部 13  :イオン交換膜 13a:開口
部 15  :陽極板 15a:貫通孔  15b:端子部 16  :陽極側
メッシュ電極 16a:貫通孔 17  :触媒電極 17a:貫通孔 18  
:陰極版 18a:貫通孔 18b:端子部 19  :陰極側メッシュ電
極 19a:貫通孔 20  :治具 20a:棒状部(棒状部材)
【発明を実施するための形態】
【実施例】
図1図2図3に示すように、水電解装置1は、入水部2と吐水部3を
有するケース4内に電解部10が収容され、外部から電解部10に電力を
供給するための電力線9a,9bが接続される。ケース4は、入水部2を
有する第1ケース5と、吐水部3を有する第2ケース6によって構成され
ている。入水部2と吐水部3には不図示の水管又はホースが夫々接続され
る。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図1

図1.実施例に係る水電解装置の外観斜視図
【0017】
ケース4内では、入水部2から導入された水は、例えば矢印A1
のように電解部10の外周側に向かって広がるように流動した後、矢印A
2のように向きを変えて外周側から電解部10の中央に向かって集まるよ
うに流動し、矢印A3のように吐水部3からケース4の外に流出する。こ
のとき、ケース4内を流動する水の一部が電解部10で電気分解されるこ
とにより電解水が生成される。電解水は、例えばオゾン水、次亜塩素酸水
等であり、殺菌作用を有する。入水部2には水の流量を一定にするための
水ガバナー2aが装備され、一定の質(濃度)の電解水が生成される。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図2
図2.図1の水電解装置を入水部側から見た平面図
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図3
図3. 図2のIII-III線断面図である。
【0018】図3図4に示すように、電解部10は、複数のビス7aで固定
される抑え板7によって、吐水部3を有する第2ケース6に固定される。
抑え板7は、第1ケース5の入水部2から導入された水を電解部10の外
周側に向かうように誘導する。電解部10が固定された第2ケース6には、
パッキン8を挟んで第1ケース5が複数のビス4aによって固定される。

【0019】次に電解部10について説明する。電解部10は、第1電極11
と第2電極12とがイオン交換膜13を挟んで絶縁された状態に積層配置
されて形成されている。以下では第1電極11が陽極且つ第2電極12が
陰極の場合について説明するが、極性を入れ替えて構成することもできる。
【0020】図4図5に示すように、第1電極11は、各々が矩形の平板状
に形成された陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17とを積
層して平板形状に形成されている。陽極板15は中央に矩形の貫通孔15
aを有する。陽極側メッシュ電極16は中央に矩形の貫通孔16aを有す
る。触媒電極17は中央に矩形の貫通孔17aを有する。第1電極11は、
これら貫通孔15a,16a,17aが連通して積層方向に貫通する開口
部11aを有する。
【0021】第2電極12は、各々が矩形の平板状に形成された陰極板18と
陰極側メッシュ電極19とを積層して平板形状に形成されている。陰極板
18は中央に矩形の貫通孔18aを有する。陰極側メッシュ電極19は中
央に矩形の貫通孔19aを有する。第2電極12は、これら貫通孔18a,
19aが連通して積層方向に貫通する開口部12aを有する。尚、陽極側
メッシュ電極16と陰極側メッシュ電極19は、メッシュ状に形成された
電極を複数重ねて形成されてもよい。
【0022】触媒電極17は、水の電気分解を促進させるための触媒を有する
第1電極11は触媒電極17をイオン交換膜13に接触させ、第2電極1
2は陰極側メッシュ電極19をイオン交換膜13に接触させるように積層
されている。イオン交換膜13は、例えば厚さが1mm未満の矩形の平板
形状に形成され、中央にイオン交換膜13をその厚さ方向に貫通する矩形
の開口部13aを備えている。陽極板15は電力線9aと接続するための
端子部15bを有する。陰極板18は電力線9bと接続するための端子部
18bを有する。
【0023】第2ケース6は、ケース4の内方に突出する複数の突起によって
形成された電解部10の位置決め用の位置決め部6aを有する。この第2
ケース6に第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12とを積層配置
する際には、第2ケース6の吐水部3が、例えば作業台に設置された治具
20の上方に延びる棒状部20a(棒状部材)に嵌められる。
【0024】吐水部3の通路3aの開口形状は、第1電極11の開口部11a
及びイオン交換膜13の開口部13aと大きさ及び形状が一致するように
形成されている。棒状部20aの軸方向と直交する断面の形状は吐水部3
の開口形状に合わせた矩形状であるが、吐水部3を嵌めたときに棒状部
20aを中心に第2ケース6が回転せず安定する例えば八角形、十字形等
にすることもできる。
-水電解装置及び水電解装置の組み立て構造 図6
図6.図3の電解部の断面模式図
【0025】図4図6に示すように、吐水部3が嵌められた治具20の棒状
部20aの先端側は、第2ケース6の内側に突出する。第1電極11とイ
オン交換膜13と第2電極12は、この突出した棒状部20aに、各々の
開口部11a,13a,12aを嵌めて積層される。
【0026】このとき治具20の棒状部20aと第2ケース6の位置決め部6a
によって、第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12は、その積層
方向と直交する方向に拘束されて位置が決まる。尚、第1電極11を構成
する陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17と、イオン交換
膜13と、第2電極12を構成する陰極側メッシュ電極19と陰極板18
とが、治具20の棒状部20aに順に嵌められて積層されてもよい。

【0027】積層された第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12を積
層方向に拘束する抑え板7が第2ケース6に固定されることによって、電
解部10が第2ケース6に固定される。抑え板7は、その外縁部が位置決
め部6aに当接することにより位置決めされるが、治具20の棒状部20a
の先端部分との当接により位置決めされてもよい。電解部10が固定され
た第2ケース6は治具20から取り外され、端子部15b,18bに電力
線9a,9bが締結固定され、第1ケース5が第2ケース6に固定される。

【0028】第2ケース6を治具20から取り外したので、電解部10の第1
電極11とイオン交換膜13と第2電極12の各々の開口部11a,13
a,12aと吐水部3から棒状部20aが除去されて連通する。また、第
2ケース6の位置決め部6aはケース4の内方に突出する複数の突起によ
って形成されているので、電解部10の外周側は位置決め部6aによって
閉塞されない。
【0029】陽極側メッシュ電極16と陰極側メッシュ電極19は、例えばチ
タンやステンレス鋼を素材とする金属線によって、外部と連通する細かい
空隙を有するメッシュ状に形成されている。それ故、図3の矢印A1のよ
うに入水部2から導入されて外周側に向かった水は、矢印A2のように向
きを変えて電解部10の外周側から開口部11a,13a,12aが連通
した電解部10の中央の開口部に向かって陽極側メッシュ電極16の内部
及び陰極側メッシュ電極19の内部を流動する。
【0030】流動する水に浸漬した電解部10の第1電極11と第2電極12
の間に電圧を印加することにより、流動する水の一部が電気分解されて電
解水が生成される。そして、矢印A3のように電解部10の開口部に集め
られた電解水が吐水部3を介してケース4の外に向かって流れ出る。
【0031】図5図6に示すように、第1電極11は、陽極板15と陽極側
メッシュ電極16と触媒電極17の各々の貫通孔15a,16a,17a
が同じ大きさ及び同じ形状に形成され、積層したときにこれら貫通孔15
a,16a,17aが一致して第1電極11の開口部11aになる。また、
第1電極11は、陽極板15と陽極側メッシュ電極16と触媒電極17と
が、端子部15bを除いて同じ大きさ及び同じ形状に形成され、これらを
積層したときにこれらの外縁部が一致する。

【0032】イオン交換膜13は、その開口部13aが第1電極11の開口部
11aと同じ大きさ及び同じ形状に形成され、第1電極11とイオン交換
膜13を積層したときに開口部13aと開口部11aが一致する。また、
イオン交換膜13は第1電極11よりも大きく形成され、第1電極11と
イオン交換膜13を積層したときに第1電極11の外縁部がイオン交換膜
13の外縁部よりも内側となる。
【0033】第2電極12は、陰極板18と陰極側メッシュ電極19とが、端
子部18bを除いて同じ大きさ及び同じ形状に形成され、これらを積層し
たときに外縁部が一致する。また、陰極板18と陰極側メッシュ電極19
の各々の貫通孔18a,19aが同じ大きさ及び同じ形状に形成され、積
層したときにこれら貫通孔18a,19aが一致して第2電極12の開口
部12aになる。そして、イオン交換膜13と第2電極12を積層したと
きに、第2電極12は、イオン交換膜13の外縁部と第2電極12の外縁
部が一致し、第2電極12の開口部12aがイオン交換膜13の開口部1
3aよりも大きく形成され、開口部12aの内縁部は開口部13aの内縁
部よりも外側になる。
【0034】第1電極11とイオン交換膜13を積層する際には、治具20の
棒状部20aの外周に第1電極11とイオン交換膜13の各々の開口部11
a,13aを囲む内縁部を当接させてこれら開口部11aと開口部13a
とを一致させる。そして、イオン交換膜13と第2電極12を積層する際
には、第2ケース6の位置決め部6aにイオン交換膜13と第2電極12
の各々の外縁部を当接させてこれら外縁部を一致させる。これにより第1
電極11とイオン交換膜13と第2電極12の位置ずれの発生が防止され、
位置ずれによる第1電極11と第2電極12の短絡が防止される。

【0035】また、第1電極11の内縁部と第2電極12の内縁部との距離
、及び第1電極11の外縁部と第2電極12の外縁部との距離を、イオン
交換膜13の厚さよりも大きくして、析出物や異物による第1電極11と
第2電極12の短絡を発生し難くしている。尚、第1電極11とイオン交
換膜13と第2電極12の外縁部が一致し、且つ開口部11a~13aが
一致する電解部10の場合でも、位置ずれによる第1電極11と第2電極
12の短絡が防止される。
【0036】上記の水電解装置1及び水電解装置1の組み立て構造の作用、効
果について説明する。
水電解装置1は、各々が中央に開口部を有する平板
形状の第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12とが、これらの開
口部11a,13a,12aが連通するように積層され、イオン交換膜13
によって第1電極11と第2電極12が絶縁された状態でケース4(第2
ケース6)に固定されている。第1電極11は、その開口部11aをイオ
ン交換膜13の開口部13aと一致させ、且つ外縁部がイオン交換膜13
の外縁部よりも内側となるように形成されている。一方、第2電極12は、
その開口部12aがイオン交換膜13の開口部13aよりも大きく、且つ
外縁部がイオン交換膜13の外縁部と一致するように形成されている。

【0037】それ故、イオン交換膜13の開口部13aを介する第1電極11
と第2電極12との距離、及びイオン交換膜13の外縁部を介する第1電
極11と第2電極12との距離を、イオン交換膜13の厚さよりも夫々大
きくすることができる。電極間の距離が大きいほど電極間の短絡が発生し
難くなるので、イオン交換膜13に対する第1電極11と第2電極12の
位置ずれによる第1電極11と第2電極12の短絡を防止し、析出物、異
物等による短絡を発生し難くすることができる。

【0038】水電解装置1は、各々が中央に開口部を有する平板形状の第1電
極11とイオン交換膜13と第2電極12とが、これらの開口部11a,
13a,12aを吐水部3に挿入した棒状部20a(棒状部材)に嵌めて
積層され、ケース4(第2ケース6)に固定されて形成される。この水電
解装置1の組み立て構造では、開口部11a,13aを囲む内縁部に当接
する棒状部20aによって、第1電極11とイオン交換膜13の積層方向
と直交する方向の位置が決まる。一方、第2電極12とイオン交換膜13
とは、これらの外縁部が当接するケース4(第2ケース6)に形成された
位置決め部6aによって、積層方向と直交する方向の位置が決まる。従っ
て、積層時にイオン交換膜13に対して第1電極11と第2電極12の位
置ずれを防ぐことができるので、位置ずれによる第1電極11と第2電極
12の短絡を防止することができる。
【0039】第1電極11は、その開口部11aがイオン交換膜13の開口部
13aと一致し、且つ外縁部がイオン交換膜13の外縁部よりも内側とな
るように形成されている。また、第2電極12は、その開口部12aがイ
オン交換膜13の開口部13aよりも大きく、且つ外縁部がイオン交換膜
13の外縁部と一致するように形成されている。これにより、イオン交換
膜13の開口部13aを介する第1電極11と第2電極12と距離、及び
イオン交換膜13の外縁部を介する第1電極11と第2電極12との距離
を、イオン交換膜13の厚さよりも夫々大きくすることができる。従って、
第1電極11と第2電極12の位置ずれによる短絡を防止し、析出物、異
物等による短絡を発生し難くすることができる。

【0040】積層した第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12を固定
したケース4(第2ケース6)を棒状部20aから取り外すので、第1電
極11の位置ずれを防止することができる。また、棒状部20aから取り
外されたことによって、第1電極11とイオン交換膜13と第2電極12
の各々の開口部11a,13a,12aと吐水部3が連通するので、水又
は電解水の流通路にすることができる。
【0041】入水部2と吐水部3を入れ替えて、水の流動方向が上記と反対の
水電解装置1とすることもできる。断面が矩形の開口部を有する矩形の平
板形状の電解部10は、円形又は正多角形の平板形状に形成されてもよく、
断面が円形又は正多角形の開口部を有していてもよい。その他、当業者で
あれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を
付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含する
ものである。
                             この項了

□. 特開2024-173640 電気化学デバイス用電極、電気化学デバイス、アル
カリ水電解装置、および電極の製造方法  日本特殊陶業株式会社
【要約】下図1のごとく、
電気化学デバイス用電極は、金属系導電基材と、
導電基材上に設けられ、導電基材を構成する金属の酸化物を主成分とする
第1層と、第1層上に設けられ、導電性酸化物粒子の集合体として形成さ
れる第2層と、を備え、電気化学デバイス用電極の耐久性を高め、貴金属
の使用量を低減あるいは削減可能にする。

4. 特開2024-135262 電極構造体および水電解装置 株式会社SCRE
ENホールディングス 

【要約】下図3のごとく、電極構造体は、電解質膜51と、電解質膜51
のアノード側に位置する複数のアノード触媒粒子611と、電解質膜のカ
ソード側に位置する複数のカソード触媒粒子と、電解質膜51とアノード
触媒粒子611との間に位置する再結合層80とを備える。アノード触媒
粒子は、水を、水素イオン、酸素、および電子に電気分解させる。カソー
ド触媒粒子は、水素イオンおよび電子を結合させて、水素を生成する。電
解質膜51のカソード側において生成された水素が、電解質膜51を透過
してアノード側へ流れた場合、再結合層80は、透過した水素を酸素と結
合させて水に戻す。これにより、アノード側から排出される酸素に水素が
混入することを抑制できる

図3 .第1実施形態のセルにおいて、水素のクロスオーバーが発生したと
きの様子を示した図
【符号の説明】【0057】
  1   水電解装置   10    セル   20    セパレータ   21    アノード面  
22    カソード面   23    アノード溝   24    カソード溝 
30    セル
スタック   40    電源   51    電解質膜   61    アノード触媒層 
62   アノード多孔質層  71  カソード触媒層 72  カソード多孔質層
  80    再結合層 611  アノード触媒粒子
【詳細説明】
  従来、水(HO)を電気分解することにより水素(H)を製造する、
固体高分子形水電解装置が知られている。固体高分子形水電解装置は、温
効果ガスを排出しない燃料である水素を製造するものであるため、脱炭
素化に貢献できる技術として、近年特に注目されている。

固体高分子形水電解装置は、セルとセパレータとが交互に積層されたセル
スタックを有する。各セルは、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された
触媒層とを有する。固体高分子形水電解装置の使用時には、アノード側の
触媒層とカソード側の触媒層との間に、電圧を印加するとともに、アノー
ド側の触媒層に水を供給する。これにより、アノード側の触媒層と、カソ
ード側の触媒層とにおいて、次の電気化学反応が生じる。その結果、カソ
ード側の触媒層から、水素が排出される。
  (アノード側)  2HO  →  4H  +  O  +  4e
  (カソード側)  2H  +  2e  →  H
🎈【特許文献1】 特開2022-023996号公報  
 固体高分子形水電解装置では、アノード側の触媒層において生成された水
素イオン(H)が、電解質膜を通って、カソード側の触媒層へ移動する。
このため、水素の製造効率を高めるためには、電解質膜の厚みを薄くして、
電解質膜のイオン抵抗を小さくすることが望ましいが、
電解質膜の厚みを
薄くすると、カソード側の触媒層で生成された水素の一部が、電解質膜を
透過して、アノード側へ流れる場合がある。その場合、アノード側から排
出される酸素に水素が混入する。  上記課題を解決するため、本願の第1
発明は、電解質膜と、前記電解質膜のアノード側に位置し、水を水素イオ
ン、酸素、および電子に電気分解させるための複数のアノード触媒粒子と、
前記電解質膜のカソード側に位置し、水素イオンおよび電子を結合させて
水素を生成するための複数のカソード触媒粒子と、前記電解質膜のアノー
ド側の面と前記アノード触媒粒子との間に形成された再結合層と、を備え
前記アノード触媒粒子は、酸化イリジウム、イリジウムとルテニウムの合
金、またはイリジウムと二酸化チタンの合金を含み、前記再結合層は、白
金、イリジウム、コバルト、またはルテニウムを含む。
【0010】  本願の第2発明は、第1発明の電極構造体であって、前記再
結合層の外側に積層されたアノード多孔質層をさらに有し、前記アノード
多孔質層が、前記アノード触媒粒子を担持している
【0011】本願の第3発明は、第1発明の電極構造体であって、前記再
結合層の外側に積層されたアノード触媒層と、前記アノード触媒層の外側
に積層されたアノード多孔質層と、をさらに有し、前記アノード触媒層は
複数の前記アノード触媒粒子を含む
【0012】本願
第4発明は、第3発明の電極構造体であって、前記ア
ノード多孔質層が、前記アノード触媒粒子を担持ている。  
【0013】本願の第5発明は、水電解装置であって、第1発明から第4
発明までのいずれか1発明の電極構造体を備える。  
【発明の効果】【0014】
  本願の第1発明~第5発明によれば、電解質膜のカソード側において生成
された水素が、電解質膜を透過してアノード側へ流れた場合でも、再結合
層において、透過した水素を酸素と結合させて水に戻すことができる。
これにより、アノード側から排出される酸素に水素が混入することを抑制
できる。
【0015】  特に、本願の第2発明によれば、アノード触媒粒子の層を形
成しない。このため、電解質膜のアノード側の面における塗布処理の回数
を減らすことができる
【0016】特に、本願の第4発明によれば、アノード多孔質層に触媒粒
子を担持させることで、アノード触媒層の厚みを薄くすることができる。

5. 特開2024-142829 ポリマー、電解質材料、電解質膜、触媒層付き電
解質膜、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び固体高分子形水電解装
置 東ソー株式会社
【要約】下記式(1)で表される構造を有する、ポリマーで、電解質とし
て十分なプロトン伝導性を有するとともに、化学耐久性に優れるポリマー
を提供すること。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  下記式(1)で表される構造を有する、ポリマー。
【化1】000004
[式(1)中、
  Aは、下記式(a1)で表される構成単位を示し、
  Aは、下記式(a2)で表される構成単位を示し、
  L及びLは、それぞれ独立して、単結合又は-SO-を示し、
  nは、10~100の数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のAは、互いに同一であり、
  複数のAは、互いに同一であり、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化2】
000005 
   [式(a1)中、
  IExGは、イオン交換基を示し、
  Lは、単結合又は-SO-を示し、
  xは、1~10の整数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のIExGは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化3】

式(a2)中、
  Arは、イオン交換基を有しないアリーレン基を示し、
  Lは、単結合又は-SO-を示し、
  yは、2~20の整数を示し、
  *は、結合手を示す。
  複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【請求項2】
  前記式(a1)で表される構成単位が、前記イオン交換基として、スルホ
ン基、アルキルスルホン基及びスルホンイミド基からなる群より選択され
る少なくとも一種を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
  前記式(a2)で表される構成単位が、前記アリーレン基として、フェニ
レン基、ナフチレン基及びフルオレン基からなる群より選択される少なく
とも一種を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
  数平均分子量が、20000~300000である、請求項1に記載の
ポリマー。
【請求項5】
  スルフィド基を有する重合体の酸化物であって、
  前記重合体が、下記式(b1)で表される化合物と下記式(b2)で表
される化合物との重合体である、ポリマー。
【化4】

[式(b1)中、
  IExGは、イオン交換基を示し、
  Lは、単結合、-S-又は-SO-を示し、
  X1b及びX2bは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を示し、
  xは、1~10の整数を示す。
  複数のIExGは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化5】

[式(b2)中、
  Arは、イオン交換基を有しないアリーレン基を示し、
  Lは、単結合、-S-又は-SO-を示し、
  Z1b及びZ2bは、それぞれ独立して、チオール基、ハロゲン原子、ボ
ロン酸基、アルキルボラン基又はボロン酸エステル基を示し、
  yは、2~20の整数を示す。
  複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【請求項6】
  請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーを含有する、電解質材料。
【請求項7】
  請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマーを含有する、電解質膜。
【請求項8】
  請求項7に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面上又は両面上に配置
された触媒層と、を備える、触媒層付き電解質膜。
【請求項9】
  請求項7に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面上又は両面上に配置
された電極層と、を備える、膜電極接合体。
【請求項10】
  請求項9に記載の膜電極接合体を備える、固体高分子形燃料電池。
【請求項11】
  請求項9に記載の膜電極接合体を備える、固体高分子形水電解装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】本発明は、ポリマー、電解質材料、電解質膜、触媒層付き電
解質膜、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び固体高分子形水電解装
に関する。
【背景技術】【0002】
近年、環境問題を背景にエネルギー効率の高い新エネルギー技術として燃
料電池が脚光を浴びている。なかでも電解質にポリマー(高分子)材料を
用いた固体高分子形燃料電池は、最大電流密度が高く、しかも低温で作動
することから、自動車等の移動用動力源や携帯電子機器等の小容量電源に
適しており、特に注目されている。
【0003】固体高分子形燃料電池の電解質に使用されるポリマー(電解
質ポリマー)としては、フッ素系ポリマーが知られている(例えば、特許
文献1参照。)。フッ素系ポリマーは、高いプロトン伝導度及び優れた化
学耐久性を有することから電解質用途で広く使用されているものの、コス
トが高く、環境負荷も大きいという問題がある。
【0004】このような理由から、フッ素を用いない電解質ポリマーの開
発も進められている。例えば、特許文献2には、イオン性基を含有するセ
グメント(A1)とイオン性基を含有しないセグメント(A2)をそれぞ
れ1個以上含有するブロック共重合体からなる高分子電解質膜に関する発
明が開示されている。
【発明の効果】(電解質膜の作製)
  得られたポリマー(P3)をDMSOに溶解し、ポリマー(P3)を10
質量%含む溶液を得た。得られた溶液をガラス基板上に流延塗布し、60
℃で12時間乾燥して膜(膜厚49μm)を得た。得られた膜を1Mの塩
酸に24時間浸漬して金属イオン(Na又はK)をプロトン(H
に置換した後に、純水中に浸漬して十分に洗浄し、減圧乾燥することで、
比較例1のポリマー電解質膜(プロトン置換されたポリマー(P3)から
なる電解質膜)を得た。
【0157】(評価)
  本比較例のポリマー電解質膜について実施例1と同様の手法で各種評価
(プロトン伝導度評価、化学耐久性評価、水素ガス透過性試験、及び、S
AXS測定)を行った。プロトン伝導度は、231mS/cm(80℃相
対湿度100%)であった。フェントン試験では、試験中にポリマー電解
質膜が完全に溶解し、膜形状を保持できなかったため、質量維持率及びプ
ロトン伝導度維持率はともに0%となった。水素ガス透過率は、0.15×
10-7cm・mm/(cm・s・kPa)(80℃相対湿度60%)
であった。SAXS測定によるdry状態及びwet状態での面間隔dは
それぞれ3.6nm及び5.5nmであった。
【0158】<比較例2>
(電解質膜の作製)
  ポリマー(P3)に代えて実施例1で得られたポリマー(P1)を用いた
こと以外は、比較例1と同様の手法により、比較例2のポリマー電解質膜
(プロトン置換されたポリマー(P1)からなる電解質膜)を得た。電解
質膜の膜厚は37μmとした。
【0159】(評価)
  本比較例のポリマー電解質膜について実施例1と同様の手法で各種評価(
プロトン伝導度評価、化学耐久性評価、水素ガス透過性試験、及び、SA
XS測定)を行った。プロトン伝導度は、185mS/cm(80℃相対
湿度100%)であった。フェントン試験では、試験中にポリマー電解質
膜が完全に溶解し、膜形状を保持できなかったため、質量維持率及びプロ
トン伝導度維持率はともに0%となった。水素ガス透過率は、0.14×
10-7cm・mm/(cm・s・kPa)(80℃相対湿度60%)
であった。SAXS測定によるdry状態及びwet状態での面間隔dは
それぞれ3.9nm及び5.4nmであった。
【0160】<比較例3>
  比較例3では、評価サンプルとして市販のNafionTM  NR211
を用い、実施例1と同様の手法で各種評価(プロトン伝導度評価、化学耐
久性評価、水素ガス透過性試験、及び、SAXS測定)を行った。プロト
ン伝導度は、130mS/cm(80℃相対湿度100%)であった。フ
ェントン試験での質量維持率及びプロトン伝導度維持率は100%であっ
た。水素ガス透過率は、1.03×10-7cm・mm/(cm・s・
kPa)(80℃相対湿度60%)であった。SAXS測定によるdry
状態及びwet状態での面間隔dはそれぞれ3.3nm及び5.3nmで
あった。
表1.
000037
                               以上
🪄全固体有機樹脂型電解膜及び電池(AOD/AOB)に関しては再度特集掲
  載する。水電解だけでなく海水電解も掲載したい。
 今日の言葉:
  
 春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                           春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                   

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