NAO日和

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<2月の鑑賞予定映画>

「1ST KISS ファーストキス」「ショウタイムセブン」「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」「ゆきてかへらぬ」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」「デュオ 1/2 のピアニスト」

「グラン・トリノ」

2009年05月22日 | あ~か行の映画

~俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
         少年は知らなかった、人生の始め方を~

注目していた作品だったのに、観に行く時間がなくてこんなに遅くなっちゃった・・。

2008年 アメリカ ワーナー配給 (09.4.25公開)
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド、他
音楽:カイル・イーストウッド、マイケル・スティーブンス
上映時間:117分
出演:クリント・イーストウッド・・・・・・・・ウォルト・コワルスキー
     ビー・ヴァン・・・・・・・・・・・・・・・・タオ・ロー
     アーニー・ハー・・・・・・・・・・・・・スー・ロー
    クリストファー・カーリー・・・・・・ヤノビッチ神父

<見どころ>
『ミリオンダラー・ベイビー』以来、4年ぶりにクリント・イーストウッドが監督・主演を
務めた人間ドラマ。朝鮮戦争従軍経験を持つ気難しい主人公が、
近所に引っ越してきたアジア系移民一家との交流を通して、自身の偏見に直面し
葛藤(かっとう)する姿を描く。イーストウッド演じる主人公と友情を育む少年タオに
ふんしたビー・ヴァン、彼の姉役のアニー・ハーなどほとんど無名の役者を起用。
アメリカに暮らす少数民族を温かなまなざしで見つめた物語が胸を打つ。

<あらすじ>
妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は
自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。
そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、
アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。
やがて二人の間に芽生えた友情は、それぞれの人生を大きく変えていく。
(以上、シネマトゥディより)

<感想>
「グラン・トリノ」=フォードの車種、“フォード・トリノ”のうち1972~1976に生産された
           ものの名称。

久々のイーストウッド主演&監督作品。「チェンジリング」は監督だけだったもんね。
主人公のウォルトは、妻に先立たれ、2人の息子とは疎遠関係。
 
大切なのは、愛車“グラン・トリノ”と愛犬。
朝鮮戦争で犯した自分の罪に悩む日々。その為にアジア系人種に対する
偏見を持つ。隣に越してきたアジア系民族(モン族)に対する嫌悪感は相当なもの。
神父の話なんて全然聞かない。人を信用しない。相手を非難することばかり
している。どっからみても偏屈な頑固じいさん。
どこの国にもいるのねぇ~。

そんなウォルトじいさんが、隣に越してきたタオ族の一家と出会うことによって
少しずつ変化してくる。
 
作品の前半は、そんな頑固じいさんと、お隣家族とのホームドラマっぽい
感じだったのだが、後半タオ民族のチンピラが出てきたあたりから
ユーモラスな雰囲気は徐々に消えていく。

この作品を観たのは、祖母の葬儀が終わった後だったので
なんだかいろんな想いが錯綜しながら鑑賞。

作品内には、「親子の確執」「生と死」「戦争」「人種差別」など、数多くの
キーワードがあったが、個人的には「親子の確執」という点に目がいった。

息子は息子なりにウォルトに歩み寄ろうとするけれど、なかなか通じない。
ウォルトはウォルトで、凝り固まったものから抜け出せず、その分の愛情が
隣に越してきたタオへ向けられていく。
だけど、やっぱり親子。
ウォルトが、病院の検査で余命が幾ばかりもないと知り、息子に電話をする
シーンがあったが、片意地張っているウォルトが唯一みせた弱さ。
息子をいたわる言葉には、愛があふれていた。
 
そして、もうひとつ。ウォルトは、戦争で大きな罪を背負っていた。
最後に懺悔はしたが、神に向かってはしていない。
おそらく、ラストで見せた行動が、自分の罪に対する彼が出した答えだったかも
しれない。
 
モン族の一家と触れ合いながら、徐々に民族蔑視が薄れ、
死期が近づくと、息子への確執も薄れ、そして戦争での罪を“懺悔”したことで
復讐というものも薄れ、衝撃のラストで、最後は「慈愛」があふれていた
締めくくりとなっている。

悲しいけれど、これでよかったのだ、と思わせてくれる作品。

個人的には、両親と仲たがいしている子どもに是非見てほしい1本である。

点数:10点 (10点満点)

コメント (4)
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