<2月の鑑賞予定映画>
~この冬、映画館がコンサートホールに変わる~
原作・ドラマ・アニメ、すべて見つくしたのですから当然見なくちゃ!!
2009年 日本 (東宝) 09.12.19公開
監督:竹内英樹 製作:亀山千広 上映時間:121分
原作:二ノ宮知子
脚本:衛藤凛
<出演者>
上野樹里・・・・・・・野田恵:のだめ (パリ・コンセルヴァトワールの学生)
玉木宏・・・・・・・・・千秋真一 (オレ様キャラの指揮者。ル・マルレの常任指揮者)
瑛太・・・・・・・・・・・峰龍太郎 (R☆Sオケで活動中の自己陶酔型ヴァイオリン奏者)
水川あさみ・・・・・・三木清良 (ウィーンに留学中で、峰とは遠距離恋愛中)
小出恵介・・・・・・・奥山真澄 (プロオケに在籍しながら、R☆Sオケにも所属)
福士誠治・・・・・・・黒木泰則 (コンセルヴァトワールに留学中のオーボエ奏者)
吉瀬美智子・・・・・エリーゼ (シュトレーゼマンの敏腕ドイツ人マネージャー)
伊武雅刀・・・・・・・峰龍見 (中華料理店「裏軒」の店主で龍太郎の父)
竹中直人・・・・・・・フランツ・シュトレーゼマン (千秋の師匠で世界的有名な指揮者)
ウエンツ瑛士・・・・フランク (コンセルヴァトワールでピアノを学ぶフランス人学生)
ベッキー・・・・・・・・ターニャ (コンセルヴァトワールでピアノを学ぶロシア人学生)
山口紗弥加・・・・・並木ゆうこ (ジャン・ドナデュウの恋人である日本人)
山田優・・・・・・・・・孫Rui (米国育ちの中国人ピアニスト)
なだぎ武・・・・・・・・テオ (マルレ・オケの事務局員兼ライブラリアン)
谷原章介・・・・・・・・松田幸久 (R☆Sオケに新しく招聘された指揮者)
<見どころ>
二ノ宮知子の同名ベストセラーコミックをテレビドラマ化し高視聴率を記録した
「のだめカンタービレ」が前後編の映画版になって登場。
天才的なピアノの腕と独特な感性を持つヒロイン、通称・のだめと、
一流の指揮者を志すエリート青年・千秋の恋と音楽に懸ける青春が展開する。
上野樹里、玉木宏をはじめ、テレビシリーズのキャストが続投。
フランスをはじめとする計5か国で撮影が行われ、新キャストも登場するなど、
映画版にふさわしくパワーアップした内容が見どころ。
<あらすじ>
プラティニ国際音楽コンクールでの優勝後、千秋(玉木宏)は
ルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に。早速オケの偵察に行く千秋だったが、
まったくやる気の感じられない団員たちの態度を目の当たりにし、がく然と
してしまう。一方、のだめ(上野樹里)はコンセルヴァトワール(音楽学校)の
進級試験を控え、練習に励む毎日を送っていたが……。
これまでのお話は、こちらを見てね!
のだめカンタービレ・in・ヨーロッパ 第1夜レビュー記事
のだめカンタービレ・in・ヨーロッパ 第2夜レビュー記事
<劇中登場曲> クリックすると視聴できます
♪ ベートーヴェン: 交響曲第7番
♪ チャイコフスキー: バレエ音楽「くるみ割り人形」~小序曲
♪ チャイコフスキー: バレエ音楽「白鳥の湖」~情景
♪ ベートーヴェン: 交響曲第9番 “合唱”~第4楽章
♪ ラヴェル: ボレロ
♪ デュカス: 交響詩「魔法使いの弟子」 (ディズニー映画「ファンタジアでも使用)
♪ シューマン: 交響曲第1番 “春”
♪ グリーグ: 「ペールギュント」組曲~ソルヴェイグの歌
♪ モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 第3楽章~「トルコ行進曲」
♪ メンデルスゾーン: 歌の翼に Op34-2
♪ ショパン: ワルツOp.64-1(子犬のワルツ)
♪ ショパン: エチュードOp.10-12 “革命”
♪ ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
♪ モーツァルト: オーボエ協奏曲 ハ長調 KV314
♪ サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン
♪ ジョリヴェ: バソン協奏曲
♪ チャイコフスキー:祝典序曲 “1812年”
♪ バッハ:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052~第1楽章
♪ チャイコフスキー: 交響曲第6番 “悲愴”~第4楽章
♪ ベートーヴェン: 交響曲第5番 “運命”~第4楽章
♪ マーラー: 交響曲 第5番~第4楽章
♪ ガーシュウィン: ラプソディー・イン・ブルー(エンディング曲)
<感想>
TV⇒映画の作品は、これまでいくつもありますが、正直、及第点をつけられるのは
ごくわずか。だけど、「のだめカンタービレ」は違います。
ドラマや原作をあらかじめお勉強しないとついていけない内容には
なっていますが、ちょっとお勉強したらじゅうぶん理解できるようになっています。
それにしても、平日にも関わらず、お客さんの入りがすごいのに驚き!
「のだめ」フィーバー再び!って感じです。娘の同級生のママにも会ったし。。。
OP&EDは、ドラマと同じ「ベト7」と「ラプソディ~」でしたが
いやぁ~最初の「ベト7」が、とにかくすごい!
ここですでに、目がウルウル状態でしたよぉ~。
前後篇からなる本編、まず前篇は、千秋真一がマルレオケで奮闘する話が
中心に描かれています。
今作で一番の見どころといえば、やはり玉木宏演じる千秋の指揮ぶり。
TV版に比べると、格段の指揮の腕前が上がっています!
プロの指揮者から相当学ばれた様子が随所にうかがわれます。
曲をちゃんと理解していないと、これらの指揮をちゃんと振ることなんてできません。
それを見事にこなし消化させていた玉木さんの指揮者ぶりは必見の価値あり。
後半の「祝典序曲 1812年」のシーンは、圧巻。
もちろん、のだめとのロマンス?もあります。
のだめは、今回の千秋を見て、絶望感においやられます。
千秋は、自分の夢の為にどんどん前へ進む。
自分も進みたいのに、思うように進めないジレンマに葛藤の日々。
縮まらない「差」を見せ付けられるシーンは、痛々しかったなぁ・・・。
さて、お話の題材はもちろん「音楽」。
というわけで、TV同様、音楽にはすごくこだわってくれました。
今回、のだめが演奏する「トルコ行進曲」のシーンは、有名ピアニスト:ラン・ランが
吹き替えました。よくOKしてくれましたねぇ~、驚きましたよ。
はじける音は、のだめにピッタリ。
音楽のお話なので、音源はプロの方ですが、ある程度の弾きさばきは
出演者もがんばっていました。感心するのは、どの方もちゃんとお勉強なさって
音源と指さばきが、間違っていない、ということです。
スクリーンで、手のアップとか出ると、指さばきは一発でアラがわかってしまいますが
みなさん、ちゃんと音源に合わせてやってらっしゃいました。
特に、オーボエの黒木君を演じた福士くんのオーボエは見事でしたね。
モーツァルトのオーボエ協奏曲、難しいのによくやってくれた!と思います。
クラシックの名曲が、たくさん出てきて、それだけでも満足。
映像と音楽が融合されていて、改めて音楽の素晴らしさを実感。
キャスト・スタッフが一丸となって、この作品をまじめに丁寧に扱っているのが
随所に見られて、それにも感動。
そして、千秋がナレーション付きで、作品に対して解説してくれているので
音楽史のお勉強にもなります。
演奏シーンは、どれも印象に残りますが、個人的に良かったのは
* OPの「ベト7」・・・・・・・・・・・このオープニングの持って生き方はすごい!
* 「1821年」・・・・・・・・・・・・・玉木さんの指揮者能力が上がった!と実感
* バッハのピアノ協奏曲・・・・アシュケナージを連想してしまう見事な演奏!
⇒ヤマハ全面協力の中、このシーンだけピアノは、名器「ベヒシュタイン」
でした。やっぱりいい音色だ♪
でも、これが一番でしょう。
そう、それはラヴェルの「ボレロ」! あのボレロを映像で再現するとは。。。
なぜ?と思われるかは、劇場でぜひ!
ヨーロッパの美しい映像も注目。不穏な感じで前篇が終了しましたが
これは予測の範囲。後篇のフィナーレが楽しみです。
予告編を見てると、原作どおりの最終回までいきそうですね。
となると、シュトレーゼマンとの共演するショパンのコンチェルトが聴けそうです。
のだめファン、大満足の作品。クラシックファンも楽しめること間違いなしです。
この年末年始、超オススメの作品。ぜひ、劇場で音楽を味わってください。
点数:10点 (満点)
追記~玉木さんの声、やっぱNAOさん的にはどストライクの声でした。
あの声を耳元で囁かれたら・・・悶絶です、ハゥ~。
~予告編~