NAO日和

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<12月の鑑賞予定映画>

「はたらく細胞」「聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~」「私にふさわしいホテル」

「英国王のスピーチ」

2011年03月02日 | あ~か行の映画

~英国史上、最も内気な王~

2010年 イギリス・オーストラリア合作  (11.2.26公開)
第83回アカデミー賞、4部門受賞作品
配給:ギャガ             上映時間:118分
監督・脚本:トム・フーパー
脚本:デビッド・サイドラー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:コリン・ファース・・・・・・・・・・・・・・・・ジョージ6世 (内向的で吃音症にコンプレックス)
    ジェフリー・ラッシュ・・・・・・・・・・・・・ライオネル・ローグ (言語聴覚士)
    ヘレナ・ボナム=カーター・・・・・・・エリザベス (ジョージの妻)
    ガイ・ピアース・・・・・・・・・・・・・・・・エドワード8世 (ジョージの兄)
    マイケル・ガンボン・・・・・・・・・・・・ジョージ5世 (ジョージの父)
    ティモシー・スポール・・・・・・・・・・・ウィンストン・チャーチル (後の英国首相)

<見どころ>
吃音(きつおん)に悩む英国王ジョージ6世が周囲の力を借りながら克服し、国民に愛される王に
なるまでを描く実話に基づく感動作。トロント国際映画祭で最高賞を受賞したのを皮切りに、
世界各国の映画祭などで話題となっている。監督は、トム・フーパー。
ジョージ6世を、『シングルマン』のコリン・ファースが演じている。
弱みや欠点を抱えた一人の男の人間ドラマと、実話ならではの味わい深い展開が見どころ。

<あらすじ>
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。
そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)は
そんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。
ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家
ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。

<感想>
現女王エリザベス2世の父、ジョージ6世が,幼い頃からの吃音症を克服してゆく姿を描いた映画。

国王の妻、エリザベス王太后のことは長生きされた(102歳!)ので、よく覚えています。
(エリザベス女王とそっくりだし^^;)、この夫妻がイギリス国民に慕われていた・・・・ということは
存じていましたが、ジョージ6世が吃音症で悩んでいたことは、ちっとも知りませんでした。

この作品の魅力は、のちに「善良王」と呼ばれた歴史に残る国王が、等身大の姿で描かれていること。
 
父親の圧力からストレスで吃音症になってしまい、その為みんなからは好奇の目にさらされ
奔放な兄からは、いいように扱われ、見ていてかわいちょうになってきます。
兄が、年上の既婚女性に現を抜かしているから、代わりにスピーチしなくちゃけない。
なのに、兄からは「キングを狙っているんだろ?」と言われる有様。気の毒でなりません。

そんな夫のために、、エリザベス妃はオーストラリア人のライオネルにジョージを託します。
 
ジョージとライオネルの会話劇は、なかなか見ごたえがありました。
「ソーシャル・ネットワーク」の矢継ぎ早な会話とはまた対照的な、間をおいた会話でしたが
このテンポ感、私好きですね。
加えて、ジェフリー・ラッシュの、軽やかでかつ重厚な演技は落ち着いてみることができました。

いつもキワものなキャラばかり演じているヘレナですが、今回も良かったですね~。
 
素の顔で演じたのを観たの、「チャーリーとチョコレート工場」以来かしら?私。
「アリス・イン・ワンダーランド」や「ハリーポッター」では、すっかりきわものになっていましたが
今回は、夫を陰から支える凛とした王妃を見事に演じていました。

そういや、「ハリーポッター」でおなじみの俳優さんも出演していましたね。
  
どちらも、メイクしていないお顔を見るの久々のような気がします。。。。。

この作品で、NAOさんが感動したのは、なりたくなかった国王に不幸にもなってしまい
嘆き悲しむジョージ6世が、それでも妻とライオネルに支えられながら、自分の弱点を
見つめなおし、自分の置かれた立場・過去の辛い経験を真正面から受け止め、
自分自身の力で克服したこと。
 
国王も私達と同じようなこと悩むんだな・・・・・と、ちょっぴり親近感持っちゃいました。

時代は、第2次世界大戦前。どこと手を結んだらいいか?どうしたら戦争が避けられるか?
難しい舵取りのさなかに、兄エドワード8世は、「王冠をかけた恋」でシンプソン夫人をとり
あっさり王座を捨て、王を引き継いだジョージ6世夫妻は、この後ものすごく苦労します。

そういう状況を全て受け止めた上で、映画のクライマックスにも出てきた1939年・9月3日、
ドイツに対し宣戦布告の声明を発表したシーンは、静かな感動を覚えました。
バックに流れるクラシック音楽が、これまた良かったですね。
緊張をほぐすため、ライオネルが指揮者のように手で合図する姿は、音楽と融合していて良かったです。

自分の置かれた立場を理解し、吃音やコンプレックスを自分の力で克服する姿は国民にも
ちゃんと伝わっているんですね。
この後、ジョージ国王夫妻が、国民の精神的な支えになっていくわけですが、なるほど納得です。

でも、元々体が弱かったジョージ6世は、国王の重圧から体調を崩し56歳の若さで他界。
兄が王座を捨てなかったら、ヨーク公のまま、ひっそり終わったはずなのに。。。。
というわけで、エリザベス王太后は、終生エドワード8世(後のウィンザー公爵)とシンプソン夫人を
許さなかったのは、記憶に新しいところ。
若いとき、「なんで許さないのかな?」なんて思ってましたが、こうした背景を見ると
エリザベスが生涯許さなかったのもわかりますね。

でも、まさか自分の孫(チャールズ皇太子)が、同じような経路(離婚⇒既婚女性と再婚)を
辿るとは思わなかったでしょうね。。。なんとも皮肉です。

史実に基づいた映画なので、予測された展開が淡々と進み、静かな展開のまま終わります。
(そこが好み分かれる点かも!)
ですが、静かな感動を起こしてくれるのは、俳優の業というべきでしょう。

主演男優賞を獲ったコリン・ファース、惜しくも受賞しなかったジェフリー、ヘレナの演技は秀逸です。

心が温かくなる、静かないい映画だと思いました。 こういうガチな作品、私、好みです。

1939年9月3日、ジョージ6世の実際の声明録音

点数:10点 (満点)

コメント (6)
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