かつて、マスコミというもののいい加減さを再認識した事件に、沖縄密約事件、別名、外務省機密漏洩事件がある。これは、毎日新聞記者西山太吉が外務省の女性事務官から「アメリカが地権者に支払う土地現状復旧費用400万ドルを日本政府がアメリカに秘密裏に支払う」という密約を入手して報道したのに対して、佐藤栄作政権の政府側は、『週刊新潮』にちくることによって二人の不倫関係をスクープさせ、さらに、東京地検特捜部の検事佐藤道夫が書いた起訴状に2人の男女関係を暴露する「ひそかに情を通じ、これを利用して」という言葉が各紙に記載されて、秘密条約の問題から男女のスキャンダル問題に状況を一変させたことだ。起訴状が提出された日、毎日新聞は夕刊に「本社見解とおわび」を掲載、以後、この問題の追及を一切やめ、他のメディアも触れなくなった。この功績で、佐藤道夫はのちに参議院議員という政治家となった。
わたしはこの「ひそかに情を通じ、これを利用して」という文章を佐藤道夫自身が書いたのか、命令で書いたのかが知りたくて、いくつかのパーティーで彼にあったときに聞こうと思い、自分がマスコミの者で、と自己紹介して話しかけて聞き出そうとしたが、その度に避けられた。おそらく、マスコミでも記者クラブのに入っていない出版社の人間だから警戒して寄せ付けなかったのであろう。記者クラブは、情報操作のための道具だからだ。
いずれにしろ、特捜部の検事で参議院議員になったのはごく少ないのではあるまいか。このときは、検察は、完全に自民党の支配下にあったといえる。
わたしはこの「ひそかに情を通じ、これを利用して」という文章を佐藤道夫自身が書いたのか、命令で書いたのかが知りたくて、いくつかのパーティーで彼にあったときに聞こうと思い、自分がマスコミの者で、と自己紹介して話しかけて聞き出そうとしたが、その度に避けられた。おそらく、マスコミでも記者クラブのに入っていない出版社の人間だから警戒して寄せ付けなかったのであろう。記者クラブは、情報操作のための道具だからだ。
いずれにしろ、特捜部の検事で参議院議員になったのはごく少ないのではあるまいか。このときは、検察は、完全に自民党の支配下にあったといえる。