昨日、パトナーから夜行列車に乗り、今日、15日(日)の昼過ぎにジャバルプルに戻った。コルカーターのリットンホテル以来、Wi-Fiが繋がらない所ばかりで持って行ったリライアンスのデータカードがまるで役に立たなかった。データカードが悪いのか、インドのWi-Fi事情が悪いのかわからないが、最後に泊まったワーラナシーのホテル・デ・パリスでは、Wi-Fiも知らない従業員で、話にならず、おまけに風呂桶の水が排水できず、汚れた水に足が浸かったまま、バケツからお湯をかぶるしかなかった。このホテルは、昔の王様の迎賓館で、広い庭が気に入っていたので、遠藤周作氏から『深い河』の取材同行を依頼された時に、執筆向きの面白いホテルなので氏を泊めた所で、一度タージ・ガンジスというワラーナシーでは高級なホテルで食事をしたら、遠藤周作氏から、こんないいホテルがあるのに、なんであんなところに泊めるのかと責められたが、帰国して、いざ執筆にかかった時に、「執筆にはこのホテルで非常に良かった」とあと評判の良かったホテルである。熊井啓監督の映画『深い河』のロケでもこのホテルが宿泊先になり、その時の記念撮影が今も、ロビーに飾ってある。熊井啓監督と製作の佐藤正之氏は、『深い河』の中の、私がモデルになっている江波の役で私を出演させることに熱心で、勤務先の役員たちに何度か交渉に来てくれたが、役員会の大反対で実現しなかったうえに、コーディネーターとして、ロケに同行するように熊井啓監督たちが、航空券まで用意してくれたのに、丁度、インドで黒死病と言われるペストが流行したので、私自身がそれにかかってこっそりインドに行ったのが役員たちにばれてはまずいので、同行をあきらめた経緯がある。