芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

秋山虔氏の訃報に接し、ご冥福を祈る

2015年11月20日 | Weblog
どういう訳か、日本も勇ましい軍事大国を目指す政権を選んだが、インドもヒンドゥー教徒至上主義のテロ集団を母体とするモディ首相が政権についている。国内ではヒンドゥー教徒至上主義のテロを容認していて、外では、米国、イスラーエルに向かって、テロを撲滅しようと訴えているのが笑える。どちらも、ご都合主義で、やっていることは同じだからだ。しかし、こういう政権の幹部達は、ヒットラー政権のゲッペルスの宣伝上手を最大限真似て国民を煽り、国民の中にそれに踊らされて選挙で選び、反対者を脅したり、殺したりして政権を維持している。今、インドでは、作家が何人か殺されて、それに付いて、言い訳のない政権に政府から貰った賞を返却する人達が大勢出て、一つの運動になっている。
一昨日の新聞にヒンドゥー教徒至上主義を旗印に多くのテロを指導して来た団体の指導者が92歳で亡くなったことが出ていた。この指導者はバナーラス・ヒンドゥー大学を出て直ぐこの運動に加わって、アヨーディヤののバーブリー・マスジッドを破壊して、そこにヒンドゥー神社を建てたりする運動を主導して来た。
丁度同じ頃、日本では、源氏物語研究の泰斗、秋山虔氏が矢張り、享年92歳で亡くなったと報じられていた。氏の小学館から出した源氏物語現代語訳は、瀬戸内寂聴現代語訳の源氏物語の編集で大いに活用させていただいたばかりでなく、源氏大学を企画した時の全国での大学開校にあたり、北海道から九州までの各大学の源氏物語研究者を紹介していただき、実現の運びとなった。私も、俵万智と全国10カ所の源氏大学で対談して、それが、『ひかりそへたるーー源氏物語の恋の歌』という対談集という本に実を結んだ。秋山虔氏にはそればかりか、弊訳『竹取物語』現代語訳・ヒンディー語訳を小社より出版した時に日本語現代語訳文の監修をしていただいた。赤塚の仕事場になんどかお邪魔して、非常に丁寧に見ていただき、最近の古典研究者はこれを知らない人が大方ですね、あなたの訳はあなたの訳ですからこれで良いのですなどとお褒めをいただいた。また、これに続いて、源氏物語もご自分で現代語訳し、ヒンディー語訳すると良いですと、強く勧められた。それが出来ていれば、その源氏物語の小生訳も見ていただけたのだが、それは実現しなかった。慚愧に堪えない。何れにしても、大変お世話になった方を失って残念この上ない。合掌