つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

そして、ついに…

2007-10-13 03:57:12 | ちょっとした出来事
釣り人にとって何がつらいかというと、まったく
魚がいないんではないか…と思えるような手答えの
なさなのである。こんな時は、一種の虚脱状態になってしまう。

逆に確実な手答えを感じたときは、体に電流が
走り、全神経が研ぎ澄まされるのだ。

いま確実なアタリ(魚信)を感じて、帰れるはずもない。
新しくエサを付け直すと、先ほど手答えのあった場所を
集中的に攻めるべく、投げ入れてはゆっくりリールを巻いて
探ってくる。

しかしあれっきり反応がなくなってしまったのである。
刻々と時は迫ってきて、もう30分が過ぎようと
していた。さすがにこれ以上伸ばせば帰り道が暗くなってくる。

「だめか…」何度目かの最後の一投を探ってきたとき
「ゴツ…ツ・ツ」先ほどと同じアタリが来た!。スッと
竿を立ててアワセル(掛ける)とグッと乗った手答え…。

リールを慎重に巻き上げると2番目のハリに魚がしっかり
掛かっていた。何とよく見るとそれはキスではなく、ハゼであった。

通常ハゼは河口域で釣れ、キスは遠浅の砂地で釣れるのだ。
ここは遠浅の砂地なのである。過去の経験でキスとハゼを
一緒に釣ったことはなかったので、まったくハゼは予測して
いなかったのである。

15センチ程のまあまあの型である。「わあカワイイ!」
「かわいそう…」カミさんと娘は好き勝手なことを言っている。

これでまあ意気揚々とまではいかないまでも、ちょっと胸を
なでおろして帰れるというものである。
ハゼはクーラーボックスの氷の上でチンマリと鎮座ましましておりました。

帰り際に周りを見ると、釣り人たちがちらほらとやって来る姿が見える。
そう本当はこの夕日が沈みかける、夕まずめ時と、朝日が出てくる
朝まずめ時というのが一番魚の食いが立つときなのだ。

その一番いい時間帯を、後ろ髪を引かれる思いで後にしたのだった。
コメント
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