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ぽかぽか春庭「柔道合気道変体仮名・得意技発表会2」

2012-09-27 00:00:01 | 日本語教育
2012/09/27
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>2012年9月(2)柔道合気道変体仮名・得意技発表会2

 集中講義最終日の得意技発表会、ふたりは、武道が趣味で、柔道、空手、合気道について技の解説やら型の披露をしました。合気道の型の披露は、とても迫力あるものでした。
 女性が不審者に腕をつかまれたときは、こうやって相手の腕を払いのける、というのを教えてもらいました。役にたつことがあったらいいなと思いますが、だれも私の腕をつかんだりしないんじゃないかしら。相手の顔見てるだけで怖がって逃げる人のほうが多い。私、そんなに睨みつけたつもりはないのに。

 柔道の解説もとても興味深かったです。ロンドンオリンピックで、海老沼選手が韓国選手と対戦し、ゴールデンスコアの旗判定は主審副審とも韓国選手の勝利としました。しかし、会場内はブーイングの嵐。ジュリー(審判委員)の判定のあと、海老沼選手勝利に反転しました。

 韓国側はいったんは勝利となったのに、審判委員の判定で覆ったことを不服とし、韓国選手はいつまでも引き下がろうとしませんでした。
 しかし、柔道をやっていて黒帯をつけるレベルの者なら、あの試合を見て最初のあの旗判定はおかしいと、だれもが気づく程度の誤審だったのだそうです。韓国選手はソッコー退場となるべき反則ワザをかけていました。

 審判がきちんと判断すべきであった韓国選手の反則を見逃して、韓国選手の勝ちとして旗をあげた、という部分をスローモーション映像をつかって解説してくれました。
「このワザは反則ワザなので、これをやった時点で反則負け。それを自分でもわかっていただろうに、審判が見逃したことをいいことにして、自分の負けを認めなかったのは、柔道精神に反する。柔道とは、勝ち負けにこだわる以上に、自分自身を高め、相手への敬意を失わないことを学ぶスポーツなのに、あの韓国選手の態度は残念だった、ずっと韓国アイドルのファンで韓国語も勉強してきたのに、韓国の選手がスポーツ選手としてやってはいけない態度をとったことは残念なことでした」

 解説を聞いて試合の中継をスローモーションで見ると、なるほど、海老沼選手は反則ワザにより腕をひねられているのがわかります。並の選手ならあの反則で骨折していたくらいの痛めつけられようだったのだそうです。
 リアルタイムで中継をみていたけれど、素人のわたしには判定が覆った理由が、テレビ中継の解説をきいても理由がわかりにくかった。あの旗判定がまちがっていたことは、柔道をやったことのある者にはよくわかることだった、という説明で納得しました。
 でも、そんなレベルの誤審をする審判員が国際試合の審判をやっていていいんだろうか、という疑問も残りました。

 古文の授業で変体仮名を読む訓練を受けたという学生は、『源氏物語・鈴虫』の影印本で読み方のコツを他の学生に教えてくれました。
 影印本というのは、変体仮名で書かれた写本をそのまま写真に撮って本にしたもの。私は、御所本冷泉為和筆の「伊勢物語」で変体仮名を読む訓練を受けたのですが、伊勢の活字本と照らし合わせながらひとつひとつ文字を確認しただけで、試験が終わったら忘れてしまいました。今でも書道展に行ったおりなど、達筆の変体仮名の和歌の書などを見て「なんて書いてあるのか、さっぱりわからん」と思います。
変体仮名で書かれた写本の影印本「すずむし」


 夏のころ、蓮の花の盛りに、入道の姫宮の御持仏どもあらはしたまへる、供養ぜさせたまふ。
 このたびは、大殿の君の御心ざしにて、御念誦堂の具ども、こまかに調へさせたまへるを、やがてしつらはせたまふ。幡のさまなどなつかしう、心ことなる唐の錦を選び縫はせたまへり。紫の上ぞ、急ぎせさせたまひける。

 、、、、と、書いてあるんですけれど、さっぱり読めません。

 鈴虫の巻、たいていの人は一度は「源氏物語絵巻」の中の「すずむし」の場面を目にしたことがある。見たことはあっても忘れています。
 今はほとんど流通していない二千円札。裏の絵は、この鈴虫の巻の場面で、光源氏と冷泉院が十五夜の夕暮れに対面しているところです。右下に描かれているのは、紫式部。

「源氏物語」鈴虫の絵が裏にある弐千円札


 住友家が寄贈した「鈴虫」写本。


<つづく>
コメント (7)
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