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ぽかぽか春庭「概念美少女と会田誠」

2013-06-25 00:00:01 | エッセイ、コラム
大山椒魚会田誠2003

2013/06/25
ぽかぽか春庭@アート散歩>春庭の現代ゲージツ入門(6)概念美少女と会田誠

 話題の「18禁部屋」のモニター映像「美少女」は、立ち止まってゆっくり見ていられなかった。後ろから押し出されるテイに混み合っていた部屋だから、映像作品も数分しか見ていない。うしろ向きでも会田誠ご本尊だとわかる素っ裸姿。うん、なかなかカワイイお尻。

 「美少女」とピンクで描かれた文字に向かって、画伯は、両手で懸命に作業をなさっておられる。モニターの横には、画伯自身により「”美少女”という文字概念だけを見つめて写生に至るのは可能か実験したが、立つまで1時間かかった」という笑える解説がついている。(むろん「写生」は春庭による誤変換です。画伯はちゃんと射○とかいておられる)

 美少女という文字概念がエロから遠いというより、50近くなったという年齢で1時間かかるのだとは思うけれど、「ちゃんと立つ」までモニターにつきあっていられず、残念無念。なにせ18禁部屋は混み合っていた。真面目な顔でゲンダイゲージツの話題についていこうとしていたPTA夫人風の二人連れが、まじめにモニターを眺めていたので、会田誠はエライと思う。おそらくこのふたり連れマダムは、画伯が両手でどんな作業をしているのか、意味がわかっていなかった。「なあに、これ?」「さあ、見ていたら、何か作品ができあがるんじゃない?」てなこと言い合いながら、ゲンダイゲージツのお勉強をしていました。画伯珍チンの勝利。
 会田画伯、現代美術の高き山にしっかと立っていてください。固く、強く!1時間以内に!

 あなたも実験!見つめてください。
美少女

 たった?

 あとで見ようと思っていた、段ボールハウスのヌシが語るモニター映像の前は、すでに座り込む余地なしにワカゾーがぎっしりベタ座りしている。会田御大は「アヤシゲなアラビア人風」に扮して、頭に白い帽子、ガウンを着て長いヒゲ。『日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ』です。オサマ・ビン・ラディンのインタビュー映像の真似をした映像で、ネットで一部だけ見ることができた。

 ニセオサマは、焼酎を飲みながらこたつに入って、「いかにもガイジン風のニホンゴ」で喋っている。森村泰昌がオサマに扮するよりも、会田の風貌はオサマにぴったりだと思います。

 時間が経つにつれ、会場はますます混み合う。こう混んでくると、「ああ、会田誠もこうやって大衆消費財になるのだなあ」と、感慨深い。(大衆消費財をバカにしているのではない。為念。日展理事あたりが、「ゲージツとは高級なもんである」という顔をするのをぶっ壊してくれるゲージツ家はみんな好き)。

 眠くなったので、同時開催の山城知佳子(1976年沖縄生まれ)映像作品の上映で椅子に座れるときに、映像見ながら半分寝ていました。
 23~24時は、3分の2見て3分の1眠ってしまった。2回目上映の午前1~2時は、半分見て半分寝た。3回目上映の3~4時は3分の1見て3分の2寝た。合計でだいたい全部見た勘定なので、山城さんにお許し願おう。

 山城さん、沖縄からのメッセージ、受け取りました。しかし、コンセプチュアルビデオっていうのかしら、あんましおもしろくない。見ている内にすぐ眠くなるという点では、こちらの要望にぴったりの作品でしたけれど。
 でも、見てから3ヶ月たつのに、まだどんな映像だったか、断片的にですが覚えているので、ほんとはすごい映像作家なのかもしれません。

 朝4:00~6:00は、展望回廊スカイビューですごしました。夜景がきれいなのは2時くらいまでで、4時5時の夜景は、ビル屋上に飛行機のための赤いランプ(航空障害灯)が光っているだけで、取り立ててきれいじゃないことがわかりました。

 あいにくの曇り空で、日の出は見られそうにないので、朝6:00前、森美術館が閉館になる直前に下に降りました。
 六本木アートナイトは、朝までいろんなイベントやってたみたい。
 森美術館だけで一晩すごした私、年寄りだから途中眠くはなったけれど、現代美術のエネルギーをもらったので、元気に桜坂を下り、麻布十番駅へ向かいました。 

<つづく>
コメント (2)
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