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ぽかぽか春庭「岡本太郎とチム↑ポム」

2013-06-27 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/06/27
ぽかぽか春庭@アート散歩>春庭の現代ゲージツ入門(8)岡本太郎とチン↑ポム

 殿堂入りしてしまって、今や誰も悪口を言う人がいなくなった現代美術の古典のひとつ。岡本太郎。
 テレビのCMに出て、例の「ゲージツは爆発だぁ」と叫んでいたころは、まだ「現代美術を滑稽なものとして笑い飛ばす火焔土器」のようなエネルギーをまき散らしていました。

テレビCMに出ていたころの岡本太郎


 亡くなったあとは、養女(として入籍したパートナー)の岡本敏子の「タローを守る」という努力の甲斐あって、タローは今では現代美術の古典作品。タローをお笑い芸人扱いして笑いとばすことが出来なくなってきた昨今。
 あの独特の風貌と、そこに立っているだけで笑いだしたくなる存在感は貴重だった。縄文式の底抜けの笑うエネルギーがある人でした。

 「太陽の塔」のミニチュアレプリカが5万円前後。シルクスクリーンやリトグラフの版画作品が10~30万円ほど。直筆油絵の値段は、もう天井知らず。
 と、またまた値段でゲージツを語るしかできないお馬鹿なアート鑑賞法をやっておりますが、岡本太郎をタダで見たければ、渋谷へ行けばよい。渋谷マークシティビルの京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路の壁に掲げられています。縦5.5m、横30mの壁画です。

 1954年、アメリカによるビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸が被爆し、無線長だった久保山愛吉らが被爆した際の、水爆炸裂の瞬間をテーマに描いています。久保山さんは原爆症発症して死亡しました。
 私は、熱帯植物園にいったときは、必ず近くにある第五福竜丸保存展示場へ行って「水爆実験によって被爆死亡した人を忘れない」ための見学をしてきます。忘れないことは大事だと思うので。

 「明日への神話」渋谷駅へ出かけて撮ってきた写真、横の長さ30mなので、4部分に分割してUPします。

明日の神話向かって左から








 一番右側の下のエスカレータ手前空きスペースがあります。(一番下の絵の、撮影日付が入っているあたり)この空きスペースに、フクシマ原発事故の後、フクシマ第一原発爆発を思わせる絵が貼り付けられました。壁画本体への損傷はなかったけれど、ビル壁画への損壊として警察は撤去。
 東京の若手美術家グループ「Chim↑Pom」が、自分たちの作品と発表しました。

 画面の右下に付け加えられたチム↑ポムの「フクシマ原発の爆発」


 私は2011年5月には出かける気力もなく、かろうじて仕事をしていたところでしたので、通勤経路をはずれている渋谷駅に行くこともなく、見ないままでした。チン↑ポムというグループ名もなにやらそれらしき名前ですし、見たかったなあ。現代芸術は、これくらいの行動をしてよいはず、と思っていました。

 チム↑ポムの作品は、「いたずら描き」としてすぐに撤去されてしまいました。
 が、さすが「岡本太郎記念館」の現館長である平野暁臣(岡本敏子の甥)は、今年3月から7月まで、記念館の展示として「Chim↑Pom」展を開催しています。Chim↑Pomは、6名のメンバーによるアーティスト集団。メンバーはエリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求。

展示期間 :2013年3月30日(土)~7月28日(日)
開館時間 :10:00 - 18:00 (火曜日休館)

 こいつは見ておかなきゃと、見て来ました。
 見て来た結果。私はChim↑Pomの表現を高く評価する、という結論に至りました。平野暁臣、慧眼です。

 以下、Chim↑Pom展について。

<つづく>
コメント (4)
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