2013/06/26
ぽかぽか春庭@アート散歩>春庭の現代ゲージツ入門(7)会田誠につづけ
会田誠、小学生時代は、授業中落ち着いて座っていられず、机のまわりを歩きまわってしまうタイプだったという。現代ならソッコー多動性障害(たどうせいしょうがい、Hyperkinetic Disorders F90)の診断名が下されたであろう。しかし、彼が描くマンガはクラスメートにも人気だったので、クラス内で疎外されることもなかったのだそうです。
会田誠は「駄作の中にだけ俺がいる」で「世間に出るためには、世間と交わることのできる人間に矯正しなければならなかったのだけれど、美術家になれば世間と同調しなくてもいいのだと気づいた」という意味のことを述べています。
東京芸大では、油絵専攻。卒業後は、「取扱注意画家」として快進撃。私生活でも、現代美術家岡田裕子(1970~)と結婚し、男の子をもうけ西荻窪在住。ドキュメンタリーのなかでは、「チューしてチューして」とせがんでまとわりつく息子に「お前、学校で絵かかせられるの、いやがっているんだろ」とか、語りかけていた。
岡田裕子、田園調布双葉からタマビへ。結婚記念写真は、ウェディングドレス着た岡田と化粧してウェディングドレス着た女装の会田誠が並んでいる写真だというのも、「お芸術」をする夫婦の写真としてイインじゃないかと思います。子ども、絵描きになるかしら。
ひとつの絵画技法に安住することもなく、漫画もポップアートも日本画の技法もしっちゃかめっちゃか取り込みながら、一貫して会田誠は会田誠として驀進してきました。今回の「初の美術館での大展覧会」で、名前は美術界のみならず、一般に浸透しました。今後の活動を楽しみにしています。
会田は、この展覧会にあたって、「平成勧進」として広く一般からひとくち15000円の寄付を集める、というプロジェクトを開催しました。企業からの協賛とかが得られなかったからだそうですけれど。
サポーターになると、会田作品の最新作「ジャンブル・オブ・100フラワーズ」の下絵だかのマルチプル(作家の指示のもとに量産された美術作品)が貰えるそうで、このマルチプルの値段も大いに値が上がったんじゃないかしら。15000円のマルチプル、15万になったら万々歳。
ちなみに、現在の会田誠の版画「切腹女子高生」はポスター版一枚15万円です。
今回の展示で、一番喜んでいるのは、会田誠を売り出しかつ収集してきたミヅマアートギャラリーの三潴末雄だろう。号いくら値が上がったのやら。なんちゃって。何でも値段に換算するしかできない庶民の絵画鑑賞法のHALでした。
さあ、ミヅマアートギャラリーよ、売り時だ。
って、会田誠は、すべてを金銭に換算する鑑賞法に潰されずに、消費され尽くされずに描きつづけることができるか?
現代アートとは何なのか、わからん。わからん珍だけれど、おもしろい。
木下直之『股間若衆』が面白かったことから、春庭は「アートと自主規制」を考えた。
森美術館による「18禁部屋」という自主規制が、さらに「アートか児童ポルノか」という論議を呼び、おおいに盛り上がった六本木アートナイトでありました。
アートの自己規制について、また、アートの現実へのコミットメントについて、春庭は縷々考えてきて、これからも考えて行くのであります。
まあ、私が考えても世の中に何のかわりもないけれど。
春庭の現代ゲージツウォッチングは続きます。
アートが私にとって何なのか、それを考えたシリーズ。次回は会田を師とあおく若手アーティスト集団。チム↑ポム。師匠に劣らぬ、お騒がせ集団です。
<つづく>
ぽかぽか春庭@アート散歩>春庭の現代ゲージツ入門(7)会田誠につづけ
会田誠、小学生時代は、授業中落ち着いて座っていられず、机のまわりを歩きまわってしまうタイプだったという。現代ならソッコー多動性障害(たどうせいしょうがい、Hyperkinetic Disorders F90)の診断名が下されたであろう。しかし、彼が描くマンガはクラスメートにも人気だったので、クラス内で疎外されることもなかったのだそうです。
会田誠は「駄作の中にだけ俺がいる」で「世間に出るためには、世間と交わることのできる人間に矯正しなければならなかったのだけれど、美術家になれば世間と同調しなくてもいいのだと気づいた」という意味のことを述べています。
東京芸大では、油絵専攻。卒業後は、「取扱注意画家」として快進撃。私生活でも、現代美術家岡田裕子(1970~)と結婚し、男の子をもうけ西荻窪在住。ドキュメンタリーのなかでは、「チューしてチューして」とせがんでまとわりつく息子に「お前、学校で絵かかせられるの、いやがっているんだろ」とか、語りかけていた。
岡田裕子、田園調布双葉からタマビへ。結婚記念写真は、ウェディングドレス着た岡田と化粧してウェディングドレス着た女装の会田誠が並んでいる写真だというのも、「お芸術」をする夫婦の写真としてイインじゃないかと思います。子ども、絵描きになるかしら。
ひとつの絵画技法に安住することもなく、漫画もポップアートも日本画の技法もしっちゃかめっちゃか取り込みながら、一貫して会田誠は会田誠として驀進してきました。今回の「初の美術館での大展覧会」で、名前は美術界のみならず、一般に浸透しました。今後の活動を楽しみにしています。
会田は、この展覧会にあたって、「平成勧進」として広く一般からひとくち15000円の寄付を集める、というプロジェクトを開催しました。企業からの協賛とかが得られなかったからだそうですけれど。
サポーターになると、会田作品の最新作「ジャンブル・オブ・100フラワーズ」の下絵だかのマルチプル(作家の指示のもとに量産された美術作品)が貰えるそうで、このマルチプルの値段も大いに値が上がったんじゃないかしら。15000円のマルチプル、15万になったら万々歳。
ちなみに、現在の会田誠の版画「切腹女子高生」はポスター版一枚15万円です。
今回の展示で、一番喜んでいるのは、会田誠を売り出しかつ収集してきたミヅマアートギャラリーの三潴末雄だろう。号いくら値が上がったのやら。なんちゃって。何でも値段に換算するしかできない庶民の絵画鑑賞法のHALでした。
さあ、ミヅマアートギャラリーよ、売り時だ。
って、会田誠は、すべてを金銭に換算する鑑賞法に潰されずに、消費され尽くされずに描きつづけることができるか?
現代アートとは何なのか、わからん。わからん珍だけれど、おもしろい。
木下直之『股間若衆』が面白かったことから、春庭は「アートと自主規制」を考えた。
森美術館による「18禁部屋」という自主規制が、さらに「アートか児童ポルノか」という論議を呼び、おおいに盛り上がった六本木アートナイトでありました。
アートの自己規制について、また、アートの現実へのコミットメントについて、春庭は縷々考えてきて、これからも考えて行くのであります。
まあ、私が考えても世の中に何のかわりもないけれど。
春庭の現代ゲージツウォッチングは続きます。
アートが私にとって何なのか、それを考えたシリーズ。次回は会田を師とあおく若手アーティスト集団。チム↑ポム。師匠に劣らぬ、お騒がせ集団です。
<つづく>