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ミンガラ春庭「ヤンゴン到着」

2015-08-24 23:55:55 | エッセイ、コラム
20150825
ミンガラ春庭ミャンマー通信>ヤンゴン8月日記(1)ヤンゴンの到着

 8月4日から半月ほどのヤンゴンだよりです。

 日本の夏の盛り、東京を発って空路6時間半でヤンゴン空港に着きました。前回3月に来たときは、タイの農地、ヤンゴンの大地がよく見えて楽しかったのですが、今回は雨期のさなかの到着ですから、雨だか湿気100%だかの影響で、地上もうすぼんやりかすんでいる気がしました。なにはともあれ、無事の到着。でも、無事なのは空港に降り立つまででした。

ヤンゴン空港


 ミャンマー人で日本語が上手な旅行業者がいて、前回も出迎えを依頼してありました。
 O先生が懇意にしているミャンマー人です。O先生は、私が従事することになった大学プロジェクトの立ち上げ中心者となった方で、3月同様今回も空港の出迎えを手配してもらってあったのです。
 が、3月に出会ったその旅行業者もタクシー運転手も、出迎えロビーにいないのです。そう広くもないヤンゴン空港出口ロビーですから、いれば見間違えるはずはないと安心していたたのに、私の名を書いた紙を持った人が見当たりません。

 私は、ロビーを行ったり来たりうろうろし、ときには前回と違う人がきているのかもしれないと思って「Dr.○○、hear」と叫んでみたり。1時間も待ちましたが、運転手に会えませんでした。空港インフォメーションは英語が通じるので、迎えの人がこないことを話し、宿泊予定のホテルに電話してもらいましたが、「ホテルでは送迎は承っていない。出迎えの運転手からの連絡も受けていない」という返事がきたのみ。

 入れ違いになってもこまるとは思ったのですが、いくらミャンマーアポイントとはいっても。1時間も待ったのだから、いいだろうと、空港のタクシー手配カウンターに申し込み、前回もらっておいたホテルへの地図入りカードを見せて、ホテルにたどり着くことができました。旅行業者への送迎手配は25ドル2600円を前回も払ったのですが、タクシー代は7000チャット700円のみ。

 あとで事情が判明。旅行代理店社長は、運転手に空港出迎えを頼んで、マレーシア出張に出かけた。運転手は、私が到着する数日前に、軽い脳梗塞のような症状で足がマヒしてしまったので、病院にいくことになったのだが、マレーシア出張中の社長に連絡がつかなかった、ということでした。旅行代理店社長に頼んでくれたO先生は、「旅行代理店として出迎えを受注したのだから、社長がどこに行こうと、きちんと顧客を出迎えることができるように手配しておくべきだったのに」と、お腹立ちでしたが、まあ、無事着くことができたのだし、これがミャンマー式のアポイントかと最初の先例をうけておくのも、悪くない。
 ただ、これが3月の段階であったら、私は立ち往生してしまったことでしょう。空港で夜を明かすことになったかも。
 ホテルの地図をもらっておいたことが、とても役立ちました。

 ホテルは、3月と同じヤンゴン大学から徒歩20分のところにある、小さなB&Bで、ベッドと朝食を提供する、家族経営のマジェスティホテル。2階4室、3階4室。4階は食堂と老夫婦の部屋です。.1階はフロントと若夫婦の部屋。
 高騰はげしいヤンゴンホテル事情のなかで、比較的リーズナブルで大学から歩ける、という理由で、派遣元大学のミャンマー関連の先生方が定宿にしています。

 老夫婦のうち、ご主人はたまに見かけるけれど、ホテルの仕事に関わっているのをみることはなく、大奥さんは、朝ご飯の料理人やウェイターに指示を出すときだけ顔をみます。若主人がフロントにいて、部屋の掃除をしたり荷物を運ぶボーイ3人か4人に指示を出している。いつもにこにこして愛想のよい人。若奥さんは2歳くらいの子供の世話と、若主人がフロントにいないとき、鍵の受け渡しなどをしてくれます。若主人は英語がわかり、大奥さんも若奥さんも片言なら通じるので、単語を並べれば意思疎通はできます。

 今回はシャワーのみのスタンダード室。4日の晩から12日の晩まで宿泊し、大学までは徒歩で20分。
 タクシーをつかうと、大学南西にある五叉路がとてつもない渋滞で、角を曲がるまでに30分以上熱気と排気ガスのなかにとどまっていなければならなくて、40分も50分もかかることになります。冷房のあるタクシーはほとんどないので、渋滞の間は扇子が必需品。しかし、街中で扇子をバタバタ仰いでいる人はほとんど見かけず、うちわは見かけるけれど、みな、慣れている暑さなのか、扇子もうちわも使っている人はあまりいません。たまに、カフェなどで仰いでいる人を見ると、中国人かシンガポール華僑の人かと思います。

 最初の1日め、5日の朝大学へ行こうとして、まだ金銭感覚が身についていなかったため、失敗をしました。タクシーは、メーターがついていなくて、すべて交渉制。ミャンマー語しかできない運転手がほとんどですが、数字くらいはわかるので、指を示しながら「two thousand2000」とか「ワン、ファイブ1500」などと交渉します。最初2000チャットといわれたので、値切って1500にしました。1500チャット150円です。でも、大学に着いたとき、どういうわけか1500円と脳内変換されていて、1500円だから、15000チャットだと思って5000チャット紙幣3枚だしてしまいました。運転手はにこにこと受け取りました。150円でいいところを1500円払ったことになります。

 日本円で考えればタクシー代1500円払っても、そう損したわけではないのですが、このときは10倍もの金額を払ってしまった自分のお馬鹿かげんにあきれ、どうしてこうも数字に弱いのかと嘆きました。
 正直を旨としている仏教徒なら、お客の勘違いに「これは多すぎる」とでも言っていいはずなのに、黙って受け取った運ちゃん、あんたは不正直の罪により、来世はごきぶりに生まれ変わるよ、と毒づきました。とは言っても、勘違いして払ったこちらが悪い。

 という、微妙なヤンゴン生活スタートの巻でした。

<つづく>

 
コメント
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