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ぽかぽか春庭「2003年の作文発表会」

2015-11-12 00:00:01 | エッセイ、コラム
20151112
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003三色七味日記(9)2003年の作文発表会

 2003年の三色七味日記再録です。
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2003/11/27木 晴れ 1063
ニッポニア教師日誌>作文発表会

 作文、日本事情2コマ。今日は作文の後半で「いままで書いた作文の発表会」を行った。
 今年、システム変更で作文クラスの学生数が半分になった。おかげで、添削する時間もとれたので、今までになくたくさんの作文を書かせた。

 学生は「A4版原稿用紙50枚つづりを買ったときには、こんなにたくさん紙があっても余ってしまうだろうと思った。まさか50枚全部紙が終わるとは思わなかった」という。下書きと清書で全部で50枚が終わり、足りなくなった人もいる。

 丸谷才一の持論「子どもに作文を書かせて、添削してやろうとか、感想を一言かいてやろうと思うから、教師は子どもに作文を書かせたがらなくなる。添削も感想もいらないから、ただひたすらどんどん書かせれば、自然に上達する。」

 私は自分の方針として、書かせたら必ず添削をして、つまらないコメントでもひとこと書き添える。時間がかかるが、どんどん書かせる。
 それで、「読めば読んだ分だけ読解力がつく」「書けば書くほど作文力があがる」と、いうことは実感できる。量が質をたかめることといういうことは、2チャンネルロゴだけでなく、いくらでもあある。

 ひとつずつ気に入った作文を選んで、朗読発表を行った。本当はひとこと感想を言うことができたらよかったが、来週文集作りの時間があまったら、感想コーナーを作ろう。

本日のかみ:原稿用紙50枚書くうちに上達する作文。教師の指導ではなく紙のおかげ


2003/11/28 金 曇り 1062
ニッポニア教師日誌>デパート買い物シーン

 ビデオ会話3コマ。
 今日から中国からの学生がひとり増えた。ちょうど12課のビデオに「ひさしぶりに会った友人に、新しい友だちを紹介する」というシーンがあったので、ビデオを見てから「ともだちを紹介する」という練習。

 新入生は食品安全学専攻。中国にとって、必須の学問だろうと思う。農薬や添加物の混ざった食品を輸入したら、自分のクビを絞める結果になりかねないから、中国の農産業にとって必要不可欠。

 大学院院生として留学している他の学生と異なり、彼女は研究留学生だから、日本語学習は必須ではない。しかし、研究のためには日本語学習が必要と自分で判断し、指導教官を通じて申し込んできたのだという。「みんなのにほんご」を7課までしか終わっていないが、熱心な人なのでこれまでの遅れに追いつくだろう。文法事項の理解はしているが、会話経験がないので、まだ発話に慣れていない。

 今日は、SFJ10課のビデオのデパートシーンを見てから、買い物ごっこを再現。新入生に客の役を、ジジとニューにデパート店員の役をやらせる。私がエレベーターガールの役。
 行き先の階をエレベーターガールに告げるところから、スタート。「東京デパートご利用ただきましてありがとうございます。はい、3階でございますね。かしこまりました。3階紳士服売り場、とまります。おあとございませんか。」と、エレガ口調。新入生ショウおずおずと「5カイ」「はい、5階、婦人服売り場へまいります」

 婦人服コーナー担当のニューは「いらっしゃいませえ」とはりきる。ショウさんもまわらない口でいっしょうけんめい「もう少し大きいサイズのセーターがありますか」「色はいいけど、デザインがちょっと」など、10課の文型を言う。

 ジジはレジ係りの役。「○○円お預かりします」「○○円のおかえしです」などの、買い物ごっこセリフはすっかり忘れていたが、なんとか無事買い物がすんだので、「ジジさんはとてもよいデパート店員でした。ジジさんは、国にかえったら、デパートの店員になります」と、今日のもうひとつの新文型「~になります」を使ってほめると、みな笑う。
 将来ジジがなるとしたら、デパートのオーナーか、商業大臣くらいであろうと、学生達は承知している。

本日のひがみ:教える教師は、しがない非常勤講師でも、教わる学生たちは、各国家よりぬきのエリートたち


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20151113
 まだ全開票確定したのではないのですが、大方の予想通り、ミャンマー総選挙はアウンサンスーチー女史率いる国民民主連盟(National League for Democracy、NLD)の大勝利に終わりそうです。現在の政権とその基盤である国軍は、選挙結果を尊重すると言っていますが、来年1月の政権正式交代までは何が起こるかわかりません。1990年の選挙NLK勝利の結果を軍部によってムシされたから。
 軍事政権が定めた現行憲法では、家族に外国国籍者がいる者は大統領にはなれないという明らかにアウンサンスーチーさんを標的にした決まりがあります。結婚相手が英国人であり息子ふたりの国籍もイギリスであるアウンサンスーチー女史は、現行憲法では大統領になれません。おそらくは別の大統領を立てて、NLD党首として実権を握ると予想されます。党は勝利したけれど、大統領の問題を含めて、NLDの課題はおおきい。地方の選挙区など、数合わせの候補者で玉石混淆の人もいるというので。

 政権担当トップがだれを教育省大臣にするのか、また、大学学長はどうなるのか、まだわかりません。
 ヤンゴン大学はアジア地域の教育史においても、137年というトップの歴史を誇る名門大学なのですが、学生の政治活動参加を押さえるために軍事政権によって封鎖されて以来、大学自治は復活していません。
 日本の大学もじわじわと自治権を事実上失ったかのように、文科省の意向どおりになりつつあります。教育学部その他の文系学部を閉鎖し、横文字の多い新学部を設立する大学も増えてきました。直接お金に直結しない学問を必要としないという考え方、これから増えていくのでしょう。自主独立という建前も、時の権力によって左右されてしまうのが、お金をもたない大学の宿命。

 せいいっぱい仕事をしようと思っている春庭ですが、いつクビになるのやらわからぬままのブラックバイト。
 ブラックでもホワイトでもがんばりますけれどね。
コメント (2)
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