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ぽかぽか春庭「青もみじ」

2015-11-17 00:00:01 | エッセイ、コラム
20151117
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>晩秋のことば(3)青もみじ
 
 東京のありがたいところ。「65歳以上無料」や「65歳以上100円」という低料金で美術館に気楽に行けるところ、「無料」で楽しめるのが好きです。ヤンゴンには絵画の美術館がないので、東京でめいっぱい楽しんでから出かけます。

 美術館の楽しみは、気に入った絵の前に立って、しばしゆったりと絵と対話する時間を作ること。そして、どの絵はがきを買って青い鳥さんに出そうかなと、絵はがきを選ぶ時間です。

 青い鳥さんに出している1ヶ月に10枚の絵はがき。11月15日づけでNo.555。
 555枚目は、ミレーの「洗濯物を干す女」という絵の葉書でした。青山のユニマット美術館で買った絵はがきです。ユニマット美術館は、経営母体が傾いて閉館してしまいました。今でもユニマットグループの所蔵品のようで、山梨県立美術館その他で開催されたミレー展には貸し出し展示がなされていました。しかし、美術館常設展示とことなり、「あの美術館に行けばあの絵に出会える」という安心感がなくなってしまい、閉館は残念です。

 「洗濯物を干す女」は、農家の庭先で洗濯物を干しているようすと、庭先に並ぶ小麦の藁山が晩秋らしい静かな光景を見せています。


 11月5日付けは、鎌倉で買った長谷寺と色づいた桜もみじの絵はがき。


 11月7日付けのNo.552の絵はがきは、minako Kawauchiの版画「青もみじ」。くすんだ緑の濃淡のもみじ葉が重なり合う図柄です。
 「青もみじ」を11月に送る絵はがきとして選んだあと、はたと心配になりました。私は、秋の色づく前のもみじ葉」の絵はがきと思って選んだのに、もしかして秋じゃないのか?と思って。

 最近の観光パンフレットなどで、「京都の青もみじ見物」などと使われていて「新緑の青もみじ葉」「夏の青もみじ葉」の意味で使われるようになっていたので、今は「青もみじ」は夏のことばになっているのかもしれません。


 辞書を確かめると、
1)まだ紅葉しないカエデ。
2)襲(かさね)の色目の名。表は萌葱(もえぎ)、裏は朽葉色。秋に用いた。
 とあって、青もみじ、今のところ、まだ秋でいいんだ、とわかりました。

 でも、ことばのイメージは、人が感じ取り、人が作り出すもの。「青もみじ」を多数の人が夏のことばと思うなら、夏を感じさせることばになっていくのでしょう。
 私は秋と思って使うけれどね。「鹿火屋」がすたれてハロウィーンが台頭するのと同じく、青もみじが夏の季語になっていくのも時代の趨勢。

・青もみじ襲の色目を脱ぎ捨てて金色夕日に手かざしてみる<春庭

 ミャンマ-の12月平均気温は30度。そして気温以上に、総選挙による政権交代の動きに熱いヤンゴンだろうと思います。暑いヤンゴンに出かける前、しばしの秋。晩秋の日本を楽しんでいます。日本の四季、ほんとうに美しいです。
 
<おわり>

コメント
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