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ミンガラ春庭「最後の一周現世来世」

2016-02-27 00:00:01 | エッセイ、コラム
20160227
ミンガラ春庭ミャンマー便り>2016ヤンゴン日記2月(7)最後の一周現世来世

 人生を山登りにたとえたり、マラソンにたとえたり。マラソンで42.195kmを走って来て、最後のトラック一周でうしろから来た走者に追い抜かれたりします。私の人生、追い抜かれるのはまったく気にしていません。ゆっくりマラソン、完走できればらっき~!!人生が登山であるなら、低山をゆっくりのぼり、景色を見たり、花の写真をとったり、ゆっくり下ればそれでよし。早さを競うクロスカントリーでも高さを競うのでもなく、100名山のいくつ登れたかの数を競うこともない。

 今回のヤンゴン赴任、昨年の8月から、赴任先大学にこれまでなかった日本語授業を確立させようと、奮闘してきました。昨年、私が赴任するまでに2人の先生が先行赴任してくれていたのですが、ふたりとも「2ヶ月だけの臨時の仕事」でした。春休みの期間、あるいは夏休みの期間の「半分旅行気分」での赴任でしたから、楽しかった思い出だけ残った、と言って帰国しました。

 私は、「この大学に日本語教育を定着させる」という課題を背負っての、長期赴任のつもりでしたから、週末、土日には家に仕事を持ち帰って、ひたすら授業準備をするなど、仕事ひとすじの暮らしを8月9月と続け、12月に新学期が始まったときも、新学期立ち上げがうまくいくように、1月は順調に授業がすすむように、仕事を続けました。

 なんとか軌道に乗ってきた2月、ようやく旅行する余裕ができて、土日には女子校時代のクラスメートやっちゃんとバガン仏教遺跡群へ旅行したり、チャイティヨー寺院(ゴールデンロック、岩の上に丸い岩が乗っかっていて、落っこちそうな上に仏塔が建っている。やっちゃんの一番の希望旅行地)へ行ったりできました。バガンは一泊、チャイティーヨーはタクシーチャーターの日帰り弾丸旅行です。
 私が授業をやっている間、やっちゃんはひとりで大学内を散歩したり、日本語が少し話せる女子学生といっしょに買い物にでかけたりしてすごし、10日間のミャンマー旅行を大いに楽しんで帰りました。

 私も、やっちゃんが来緬してくれて、はじめて旅に出かける気持ちになったのです。すばらしかったバガンの眺望、のちほどご報告。チャイティーヨーは、丸一日、ぐったりしてすごしました。旅の前日やっちゃんと日本料理の店に行き、お高い店だからと信用して食べた生野菜にあたって下痢。やっちゃんはミャンマーの清潔度を頭から信用していないので、生野菜は決して食べない用心深さで無事でした。下痢でふらふらの身体で日帰り弾丸観光のチャイティーヨーの印象は最悪です。

 やっちゃんと民族村にも行ってみました。ネット評判記などに、「テーマパークとしてはちゃち」と書かれているとおり、もうちょっとなんとかしないと、目のこえた外国人客はよべないなあ、という場所でした。ここものちほどご報告。

 南アフリカ、マラウイ、カナダ、アメリカ、カナダ、ロシアなど世界旅行を重ねてきたやっちゃん。今年1月にはクロアチア旅行に行ってきたのだって。そんな旅慣れたやっちゃんのミャンマー感想。「いい国で、これからの発展が楽しみだけれど、お寺の中を必ず裸足で歩かせるのだと、外国人観光客は呼べない。お寺の参道にゴミが落ちていて、歩くと足の裏が真っ黒になるようじゃ、清潔好きの人はこない。町にも田舎にもあふれているごみをなんとかしないと、世界遺産登録もできない」

 仏塔や景色の美しさ、人々の人情の穏やかさはすばらしいけれど、観光開発にはまだまだ課題が大きい、というのが、世界旅行評論家やっちゃんのことばでした。
 私は、3月上旬の授業も終えて報告書などの書類を書いたら仕事は終わりです。少しのんびりしつつ、ミャンマー各地の旅行を楽しみたいと思っています。

 ヤンゴン勤務も、最後の一周にかかった、というところ。完走したいです。
 仕事をまっとうして、少しでもこの国の日本語教育に貢献できたとすれば、私の来世はきっと「よい人」として生まれかわるに違いない。
 もし蜻蛉蚯蚓オケラに生まれたとしても、よい蚯蚓です。農地の土を肥やし豊かにする蚯蚓でしょう。みんなみんな生きているんだ、ともだちなんだ。私は悉皆成仏を信じます。

<おわり>
 
コメント (6)
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