20190303
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記早春はるのうた(2)弥生の骨とシモキタの劇
縄文人と弥生人について興味を持ってきました。ご先祖ですから。
東日本に住んでいるので、われらの祖先にはナンボかは縄文人のDNAがあるだろうなあなどと、勝手に想像して、火焔土器や土偶などを「ご先祖の宝」と思ってきました。
宇宙幸福原っぱ教のご本尊様たち。ご本尊様たちは、みなで私を守ってくださるありがたいお宝。


息子と科博によく来ていたころ、縄文や弥生の発掘成果の展示を見たことがあります。
図録に書かれた解説などを読み「はあ、なるほど」と、研究者の説に啓発されてきてわかったようなつもりになる。
漫画などでは弥生人が縄文人の村を襲って土地を奪った、というシーンがありましたが、縄文人と弥生人の利用する土地はまったく異なっているので、土地や水をめぐって争いが起きたのは弥生人同士であり、弥生人が縄文の村を襲ってもなんのメリットもない、ということも教わりました。
1万年前から8000年間続いた縄文文化。後期縄文のころには当時の世界の中ではたいへん高度な文化的生活を送っていたことも知られています。
そして、大陸から稲作文化を持った人々が少しずつ海を越えてこの東端の島にたどりつき、千年列島を稲の国に変えていったこと。
紀元前の日本列島。縄文人の人口増加率。年に1%くらいずつ増えていく。去年100人いた村は、今年は101人に増えている。しかし弥生の村は安定した稲作生産によって人口増加率は2~3%。この差により、また混血によって、千年くらいの間には、人骨のDNAに純粋縄文人は減り、弥生人との混血人骨が増えました。
とくに縄文人を痛めつけたのは、武器を持つ弥生人の襲撃などではなく、稲作と同じくらい古く列島にもたらされた、インフルエンザなどの大陸からやってきた病原菌であっただろう、という説も、スペイン人の南米上陸や南太平洋のあと、これらの地域の人々が新しい病気によって人口激減したことなどからみて、なるほど、縄文人も新しい病気に弱かったのだろうなあ、と感じました。
で、最新の弥生人骨研究の成果が東京科学博物館が展示されていたので、2月13日に行きました。弥生人骨だけが目的ではなく、13日に無料ミニコンサートがある、という科博ニュースを見て、無料大好きの春庭、出かけていったというわけ。ミニコンサート開始前のひととき、弥生人の骨を見てすごしました。

弥生時代の人骨が数多く出土した土井ヶ浜遺跡を中心に、弥生時代人骨をめぐる研究史や最新成果が展示されていました。開催期間:2018年12月11日-2019年3月24日。
最新発掘成果はどのようなものか、、、、
人骨に残る少量DNAが解析できるようになり、渡来人との混血状況が地域によって異なることなどがわかったそうです。同じ九州でも、大陸に近い福岡あたりの遺跡出土だと混血が進んでいる、鹿児島などの南のほうは北のDNAとかなり異なる、などの分析結果が展示されていました。同じ弥生人といっても、地域によって特徴がことなるということもわかってきたという展示、面白かった。
縄文人の人骨は傷のないものが多いのに対して、弥生人の骨には、矢や刀による傷が見られ、争いの多かったことが判明しています。土地争い水争いで村ごとに戦争したのだろうなあと、「クニ」ができて首長なんてものが出現すると戦争になるなあと思いました。
展示の人骨は撮影禁止ですが、人骨の上に展示されている写真パネルの撮影はOK。
ミニコンサートが終わってからまた弥生人骨について、解説をゆっくり読もうと思っていたのですが、13日のミニコンサートは、科博だけでなく、上野の文化施設6館で行われる連続イベントであることがわかり、午後は4館をめぐって音楽三昧になりましたので、骨はまた今度、ということになりました。
2月14日木曜日、ジャズダンス仲間のミサイルママとコズさんといっしょに下北沢へ行きました。下北沢演劇祭が開催されており、友人K子さんが出演しているので観劇に出かけたのです。K子さんは、現在所属している劇団で演技出演は今回が最後、というので、前回はミサイルママとふたりで見た劇を今回は3人で。

『バリャガンガーラ・笑いのない町』トマス・マーフィ作。菅沢晃演出。
K子さんは前回と同じ「おばあさん」の役です。
いつもは私よりずっと若々しくて生き生きしているK子さんですが、髪を白くしてすっかりおばあさんになり切っています。
おばあさんは、孫娘の介護をうけ、一日中ベッドの上でぶつぶつ独り言をいうほか何もしない暮らし。おばあさんがつぶやいているのは、「どうしてこの町から笑いが消えたのか」というお話なのですが、あるところまでくると話はワープして戻ってしまい、最後まで語ることはありません。
孫娘メアリーは、おばあさんの世話をするために看護師の仕事をやめました。看護師をしているころは、妹のドリーが介護をしていたのに、ドリーは結婚して家を出てしまったのです。
メアリーは、繰り返されるおばあさんの話にうんざりし、やめさせようとしてきましたが、おばあさんが話をやめることはありません。おばあさんは今はメアリーの名前さえ思い出さなくなっています。
ドリーとの争いのあと、メアリーは、くりかえし語られる「笑いの無い町」のお話を最後まで語らせてみようと考えます。
おばあさんを励まして記憶をたどり、最後まで町の歴史を続けると、、、、。
町に大火事が起きたとき、おばあさんは息子トムを救い出すことができず、死なせてしまった、、、。トムの死を自分のせいだと攻め続けたゆえ、おばあさんは過去の記憶を忘れようとし、すべてを靄の中にしまって暮らしてきた。
メアリーは、おばあさんの話を最後まで聞き、家族の間で封印されてきた過去を知ります。記憶を封印することで過去を葬り去るのではなく、知ることによって、記憶の中から一歩踏み出す勇気を持ちます。
バリャガンガーラちらし

こずさんも、ミサイルママも、K子さんの迫真の演技に感嘆しきりでした。
私も、これが「最後の演技出演作品」と思うと、もったいないと思いました。K子さん、まだまだ役者として活躍できると感じたけれど、これから先、別の形で演劇活動を続けるのだろうと思います。
K子公務員として定年までいっしょうけんめい働き、60歳から演劇活動を始めました。わたしにとっては、希望の星です。これからもK子さんの演劇を応援していきたいし、ミサイルママといっしょにジャズダンス発表会に出るときは、K子さんに見てほしいです。K子さんは私より2歳上で、ミサイルママは2歳下。おなじ世代の友人のがんばりを見ていると、私もがんばろうという元気がでてきます。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記早春はるのうた(2)弥生の骨とシモキタの劇
縄文人と弥生人について興味を持ってきました。ご先祖ですから。
東日本に住んでいるので、われらの祖先にはナンボかは縄文人のDNAがあるだろうなあなどと、勝手に想像して、火焔土器や土偶などを「ご先祖の宝」と思ってきました。
宇宙幸福原っぱ教のご本尊様たち。ご本尊様たちは、みなで私を守ってくださるありがたいお宝。



息子と科博によく来ていたころ、縄文や弥生の発掘成果の展示を見たことがあります。
図録に書かれた解説などを読み「はあ、なるほど」と、研究者の説に啓発されてきてわかったようなつもりになる。
漫画などでは弥生人が縄文人の村を襲って土地を奪った、というシーンがありましたが、縄文人と弥生人の利用する土地はまったく異なっているので、土地や水をめぐって争いが起きたのは弥生人同士であり、弥生人が縄文の村を襲ってもなんのメリットもない、ということも教わりました。
1万年前から8000年間続いた縄文文化。後期縄文のころには当時の世界の中ではたいへん高度な文化的生活を送っていたことも知られています。
そして、大陸から稲作文化を持った人々が少しずつ海を越えてこの東端の島にたどりつき、千年列島を稲の国に変えていったこと。
紀元前の日本列島。縄文人の人口増加率。年に1%くらいずつ増えていく。去年100人いた村は、今年は101人に増えている。しかし弥生の村は安定した稲作生産によって人口増加率は2~3%。この差により、また混血によって、千年くらいの間には、人骨のDNAに純粋縄文人は減り、弥生人との混血人骨が増えました。
とくに縄文人を痛めつけたのは、武器を持つ弥生人の襲撃などではなく、稲作と同じくらい古く列島にもたらされた、インフルエンザなどの大陸からやってきた病原菌であっただろう、という説も、スペイン人の南米上陸や南太平洋のあと、これらの地域の人々が新しい病気によって人口激減したことなどからみて、なるほど、縄文人も新しい病気に弱かったのだろうなあ、と感じました。
で、最新の弥生人骨研究の成果が東京科学博物館が展示されていたので、2月13日に行きました。弥生人骨だけが目的ではなく、13日に無料ミニコンサートがある、という科博ニュースを見て、無料大好きの春庭、出かけていったというわけ。ミニコンサート開始前のひととき、弥生人の骨を見てすごしました。

弥生時代の人骨が数多く出土した土井ヶ浜遺跡を中心に、弥生時代人骨をめぐる研究史や最新成果が展示されていました。開催期間:2018年12月11日-2019年3月24日。
最新発掘成果はどのようなものか、、、、
人骨に残る少量DNAが解析できるようになり、渡来人との混血状況が地域によって異なることなどがわかったそうです。同じ九州でも、大陸に近い福岡あたりの遺跡出土だと混血が進んでいる、鹿児島などの南のほうは北のDNAとかなり異なる、などの分析結果が展示されていました。同じ弥生人といっても、地域によって特徴がことなるということもわかってきたという展示、面白かった。
縄文人の人骨は傷のないものが多いのに対して、弥生人の骨には、矢や刀による傷が見られ、争いの多かったことが判明しています。土地争い水争いで村ごとに戦争したのだろうなあと、「クニ」ができて首長なんてものが出現すると戦争になるなあと思いました。
展示の人骨は撮影禁止ですが、人骨の上に展示されている写真パネルの撮影はOK。

ミニコンサートが終わってからまた弥生人骨について、解説をゆっくり読もうと思っていたのですが、13日のミニコンサートは、科博だけでなく、上野の文化施設6館で行われる連続イベントであることがわかり、午後は4館をめぐって音楽三昧になりましたので、骨はまた今度、ということになりました。
2月14日木曜日、ジャズダンス仲間のミサイルママとコズさんといっしょに下北沢へ行きました。下北沢演劇祭が開催されており、友人K子さんが出演しているので観劇に出かけたのです。K子さんは、現在所属している劇団で演技出演は今回が最後、というので、前回はミサイルママとふたりで見た劇を今回は3人で。

『バリャガンガーラ・笑いのない町』トマス・マーフィ作。菅沢晃演出。
K子さんは前回と同じ「おばあさん」の役です。
いつもは私よりずっと若々しくて生き生きしているK子さんですが、髪を白くしてすっかりおばあさんになり切っています。
おばあさんは、孫娘の介護をうけ、一日中ベッドの上でぶつぶつ独り言をいうほか何もしない暮らし。おばあさんがつぶやいているのは、「どうしてこの町から笑いが消えたのか」というお話なのですが、あるところまでくると話はワープして戻ってしまい、最後まで語ることはありません。
孫娘メアリーは、おばあさんの世話をするために看護師の仕事をやめました。看護師をしているころは、妹のドリーが介護をしていたのに、ドリーは結婚して家を出てしまったのです。
メアリーは、繰り返されるおばあさんの話にうんざりし、やめさせようとしてきましたが、おばあさんが話をやめることはありません。おばあさんは今はメアリーの名前さえ思い出さなくなっています。
ドリーとの争いのあと、メアリーは、くりかえし語られる「笑いの無い町」のお話を最後まで語らせてみようと考えます。
おばあさんを励まして記憶をたどり、最後まで町の歴史を続けると、、、、。
町に大火事が起きたとき、おばあさんは息子トムを救い出すことができず、死なせてしまった、、、。トムの死を自分のせいだと攻め続けたゆえ、おばあさんは過去の記憶を忘れようとし、すべてを靄の中にしまって暮らしてきた。
メアリーは、おばあさんの話を最後まで聞き、家族の間で封印されてきた過去を知ります。記憶を封印することで過去を葬り去るのではなく、知ることによって、記憶の中から一歩踏み出す勇気を持ちます。
バリャガンガーラちらし

こずさんも、ミサイルママも、K子さんの迫真の演技に感嘆しきりでした。
私も、これが「最後の演技出演作品」と思うと、もったいないと思いました。K子さん、まだまだ役者として活躍できると感じたけれど、これから先、別の形で演劇活動を続けるのだろうと思います。
K子公務員として定年までいっしょうけんめい働き、60歳から演劇活動を始めました。わたしにとっては、希望の星です。これからもK子さんの演劇を応援していきたいし、ミサイルママといっしょにジャズダンス発表会に出るときは、K子さんに見てほしいです。K子さんは私より2歳上で、ミサイルママは2歳下。おなじ世代の友人のがんばりを見ていると、私もがんばろうという元気がでてきます。
<つづく>