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ぽかぽか春庭「上野散歩ART meets MUSICほか」

2019-03-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
20190307
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記早春はるのうた(4)上野散歩ART meets MUSIC

 2月28日、上野公園アート散歩。
 仕事の平日は行き帰りの通勤で歩くだけで、たいていは3千歩、多い日でも5千歩なので、美術館を一めぐりすると1万歩になり、これでビール飲んでも大丈夫っていう気になります。大丈夫じゃないんだけれど。

 28日は一日冷たい雨の日でした。歩いたコースは、東京文化会館→国際こども図書館→黒田記念館→上島コーヒー店→東京国立博物館→上野駅構内三代目たいめい軒

 東京文化会館小ホールに着いたときは、すでに長蛇の列。「ART meets MUSIC 時代でつながる絵画と音楽」というイベントに出かけたのは初めてでしたから、こんなに人が集まるものだとは思っていませんでした。
 なぜ初めてかというと。これまで東京都美術館で行われるたいていの展覧会は、第3水曜日高齢者無料の日の観覧でしたから、年齢証明書だけで入場し、チケットを買わなかったのです。チケット半券があると、関連イベントに参加できます。



 「奇想の系譜展」の関連イベントのうち、「東京都美術館×東京文化会館×東京都交響楽団」という東京都歴史文化財団に属する3団体共同企画のミニコンサートと、映画「山中常盤物語」の上映会、ふたつのイベントはどちらもとても魅力的だったので、前売りチケット買ったという次第。

 今回の「ART meets MUSIC・時代でつながる絵画と音楽」は、江戸の奇想画の画家が生きた江戸と同時代の西欧作曲家という、かなりおおざっぱなくくりの「絵画と音楽」です。
 2018年夏の藤田嗣治展の関連「ART meets MUSIC」は、「日本とフランス―重なる旋律」というつながりで、ラベルの弦楽四重奏曲ヘ長調と中山晋平の童謡を並べるという選曲で、日本とフランスを行き来した藤田の生涯にあっていると思います。ムンク展のときはノルエーの音楽ということで、グリーグが出てくるのは当然か。
 が、今回の江戸奇想画と「ハイドン&シューマン」は、江戸時代と同時代に西欧で活躍したという関連のほか、あまり奇想画とは重ならないような、、、、いいんです。無料で音楽を楽しめました。

 東京都交響楽団の主席奏者メンバー中心の弦楽四重奏。 第1ヴァイオリン渡邊ゆづき(司会も担当)第2ヴァイオリン双紙正哉ヴィオラ樋口雅世チェロ古河展生。ピアノ小川典子

 演奏開始前の小ホール


・ハイドン「弦楽四重奏曲・皇帝」
・シューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」

 どちらもとてもよい演奏でした。
 皇帝はいろんなところでいろいろな四重奏を聞いてきたけれど、今回、皇帝ファンならみな知っているであろうけれど、私は司会のマエセツで初めて知った「小ネタ」をきき、より一層身を入れて、今では第2楽章がドイツ国家となっている「皇帝」を聞きました。

 小ネタ。皇帝第1楽章の始まりのコード「GEFDC」は、Gott erhalte Franz den Kaiser(神よ皇帝フランツを守り給え)の頭文字をとったものだ、ということです。ハイドンさんもなかなかゴマすり上手。

 私は、オーストラリアハプスブルグ帝国のフランツ2世をたたえた「皇帝」が、統一後のドイツ民主共和国の国家となった経緯について、これまで知らないまま、どうしてオーストリア国歌からドイツ国歌に国替えになったのか、知りませんでした。長い歴史のあれこれがあったんですね。このへんのいきさつ、サッカーで歌われる国歌について調べた人は知っていたみたいですが、サッカーを見ない我が家では知識が入ってきていませんでした。

 無料が好きな春庭、第3水曜日に無料で展覧会を見るのもいいですが、関連イベントに気に入ったものがあれば、これからもチケット買おうかと思いました。

 第3木曜日は旧奏楽堂で500円コンサートがあり東京芸大の学生さんが演奏するのではなかったと思って旧奏楽堂へ行ってみたら「今日は第4木曜日です」と言われました。そうでした。残念。昼ご飯を藝大大浦食堂で食べようと思ったら、入試の期間は構内立ち入り禁止。残念。

 国際こども図書館の食堂で「お得弁当」を食べました。550円。豚肉炒め卵焼きミニサラダ。リニューアル以来、この図書館でいちばん多く利用したのは、カレーライス410円という値段のカフェベルかも。

 上野でもたまにしか来ないこども図書館なので、ポスターに出ていた「イランの絵本展」をながめていこうかと思ったのですが、会期は3月から。残念。

 いつもはささっと見る明治の建物をじっくり見ました。これまで気づかなかったドアノブのところに「おす登あく」と書いてある札に気づきました。(変体仮名の変換ができなかったので、もとの漢字登を記載)
止,登,東,度,土などたくさんあった変体仮名の「と」のなかで、条件を示す「と」に「登」が使われたのはなぜか、という疑問が頭に浮かびました。
 中学生のグループがドアのまわりに来たので、「登は、'と'って読むんだよ」と言おうかと思ったら、ガイドツアーの一団で、ちゃんとガイドさんがついて説明していました。

 階段前のドア


 おす登あく


 それにしても、1906(明治39)年竣工のこの旧帝国図書館、私は、樋口一葉が足しげく通った「上野の図書館」だとばかり思っていました。安藤忠雄設計で2002(平成14)年にリニューアルオープンして、建物の説明をいろいろなところで目にするようになると、一葉は明治29年に亡くなっているので、一葉が通ったのは、この建物が竣工するまえの古い建物だということがわかりました。

 雨の中、こども図書館から黒田記念館へ。こちらもなかなかの建物。黒田清輝(1866-1924)が、大正13年に没するさい、財産の一部は美術振興という遺言を残しました。その遺産を使って、1930(昭和5)年に、美術学術的調査研究と研究資料の収集を目的とした美術研究所(現東京文化財研究所)が建てられました。設計は、岡田信一郎。
 現在、こども図書館と黒田記念館の間の建物が東京文化財研究所に宛てられ、元の建物は補修して黒田記念館になりました。

 黒田の作品、美術の教科書にでているような有名どころは特別室にあり、期間限定開室です。「湖畔」や「智・感・情」、「舞妓」などは、特別室で展示。

 通常展示室には黒田作品や関連作品が展示されています。今回の特別展示は黒田がパリで洋画修行しているときに師匠だったコランの作品を見ることができました。

 「梅林」1924 黒田最晩年の絵です。

 3月2日に梅を見に行く予定なので、「梅林」の絵葉書を買って、青い鳥さんに送りました。951枚目

 黒田記念館を出て東京国立博物館へ行こうとしたら、雨が激しくなっていて、これは東博に行くまで、傘さしていても濡れるなあ、と思ったので、黒田記念館内の上島珈琲で一休み。コーヒー400円。2階にはソファ席もあって、ゆったりと雨宿りできました。

 雨が少しは小降りになったので、東博へ。「顔真卿展」を見たとき、関連展示として東洋館の「王羲之書法の残影―唐時代への道程―」があったのですが、時間がなかったので、あとで見ることにしました。展示を見ても、書法の良しあしなどわからないHALですが、見ておけばなんらかの脳の栄養になるかもしれず、というほどの見学です。(ご報告はのちほど)

 5時の閉館時間には博物館を出て、上野駅構内の「三代目たいめい軒」に寄りました。ケータイに入っている歩数を見て、「1万歩超えた、ビールよし」と自分にOKを出して、瓶ビールと蟹クリームコロッケ、ボルシチ(というか、キャベツの薄味トマト煮スープミニカップ)50円を注文。

  おいしくビールを飲み、1万歩歩いて消費したカロリーを30分でもとにもどして帰宅。

<つづく>
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