春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「野を駆ける鹿のように」

2019-10-12 00:00:01 | エッセイ、コラム
201910112
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>福コーチョーデビュー(2)野を駆ける鹿のように

 1年前の3月30日。2018年4月に開校する気まんまんで書いた、日本語学校学生へ向けたHPのあいさつ文、だれも読みはしなかったあいさつ文なので、ここに再録しておきます。

~~~~~~~~~~~
みなさんこんにちは
 これから、日本語を学んでいくみなさんに、いろいろお話していきたいと思っています。
 日本語について、日本の文化歴史地理について、世界のいろいろな国とその文化について、いっしょにお話しいたしましょう。

今日のお話は、私たちの学院のマークについてです。


 当学院は、ロゴマークのひとつとして鹿をデザインしています。
 鹿は古来、日本の生活に深く結びついた動物です。犬や狐などと同じように、「神の使い」として大切にされてきました。たとえば、奈良公園の鹿は人に飼われているのではなく、野生動物(天然記念物)として自由に生きていますが、人に慣れ人々に親しまれる動物としておなじみです。

 同じようにおとなしく人に慣れる動物としては、羊もよく知られています。しかし、羊と鹿とでは、その歴史と習性で大きく違うところがあります。
 鹿は、今から1万年前の縄文時代と呼ばれるころの遺跡から骨が出土し、日本で広く利用されていたことが知られています。しかし、羊の牧畜が日本に導入されたのは、150年ほど前、明治時代以後のこと。日本では外来の新しい家畜です。

 羊の群れは一団となって同じように行動する習性があります。そのため、犬を牧羊犬として集団で移動させることができるのです。
 同じく、一頭一頭は温和な性質な鹿。しかしもし、犬が鹿の群れを追ったらどうなるでしょうか。鹿は羊のように集団とはならずに、一頭一頭がそれぞれの方向に散り散りになるそうです。
 鹿は、通常は静かに考え深く草をゆっくり食べていますが、いざとなると集団として流されず、一頭一頭が個体として行動するのです。

 日本語学習において、鹿のようにジャンプする力、疾走する力、そしてひとりひとりの個性を生かす、そのような充実した教育を、私たちの学院は目指していいます。

~~~~~~~~~

 20191012
 知らないうちにロゴマークが出来上がってきて、学校のガラス戸に貼られていたので、「なんで鹿?」と思ったのですが、そこは「へりくつ教師春庭」ぬかりなく、鹿のいいところを学習に結び付けました。
 集団管理の上では、羊の群れのほうがずっと管理しやすいでしょうが、個性豊かな鹿たちを育てていけるよう、10月に学生が入学してくるまでに、十分な準備をしていこうと思っていましたがバタバタしているうちに授業開始。
毎日の小テスト作りやら漢字練習問題やら、学生のレベルがマチマチので苦労も倍増。

<つづく>
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする