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ぽかぽか春庭「音読み訓読み月一君宇」

2022-01-08 14:19:55 | エッセイ、コラム

20210926

ぽかぽか春庭ニッポニアにっぽん語教師日誌>日本語教師養成講座(3)音読み訓読み

 日本語教師志望者に、春庭老師が伝授する中国語母語話者学習者への漢字教育。
 音読み訓読みの区別について、中国人学習者は、「少し中国語に近い読み方、訓読みは全然違う読み方」という理解をしていることが多い。
 「中」はチュン>チュウ、だから音読み。でも「なか」は「チュン」と全然ちがう発音だから、訓読み。漢字ひとつのときは訓読みだから「へやの中へどうぞ」は、「へやのチュン」ではなくて「へやのなか」。でも、「7月の中頃」は、漢字がふたつあるけれど、「チュウごろ」ではなく、「なかごろ」

 やはり、漢字の読み方は難問です。日本語母語話者は、小学校中学校の漢字教育で、音読み訓読みを叩き込まれてきます。「小学校」の小はショウで「小さい」のときは「しょうさい」ではなく、「ちいさい」となることは、義務教育修了者は学習してきます。
 しかし、「音読み」は「おんよみ」と読むのか「おとよみ」なのか、日本語学習者は迷います。なかには、「漢字がふたつあるから、オンドクみ、かな」と思う学習者も。「み」がつかない「音読」だったら「オンドク」なんですけれど。

 音。「オン」「オト」どちらが音読みで、どちらが訓読みか。区別の仕方があります。日本語教師志望者のほとんどは、音読みと訓読みの区別方法をしりません。ひとつひとつの漢字を習うときに音読み訓読みふたつ同時に学習するので、身についており、ひとつひとつの漢字について、音読みなのか訓読みなのか、迷ったことがないのです。では、日本語学習者に「音」の訓読みは「オト」で音読みは「オン」であると、どのように区別させたらよいのでしょうか。

 区別の方法、春庭の日本語コラムでは何度も書いてきたことです。
「ツキイチクンウ 月一君宇」が、音読みの2つめの発音です。「オン」の二つ目「ン」は、「ツキイチクンウ」にあるから、音読み、しかし「オト」の二つ目は「ト」ですから、訓読みです。

 ただし、例外がいくつか。「月」は「ゲツ」「ガツ」も二つ目は「ツ」ですから音読み。しかし、訓読みの「つき」も二つ目が「キ」です。「つき」は訓読みとおぼえてしまうしかない。

 「毎日、かわりないですが、今日は 特別な日、たんじょう日です。わたしにとって、祝日です」
 「日」ひとつでも、「にち、(きょう)、ひ、び、じつ」と、読み分けること、いとも簡単にできている日本語母語話者って、どれだけ小学校中学校の漢字テストで叩き込まれてきたのか、すごいなあと思います。

 ひとつの文字の発音が、文脈によって変わっていくこと、当たり前に思っていることが、世界の文字教育のなかでは特殊なことであり、このような日本語の読み方ができることは、すごいこと、ひるがえれば、日本語学習者にとっては、学習が困難な点なのだ、と、日本語教師志望者にもわかってもらうことが漢字教育の第一歩。

 2021年7月の授業中。
 
 2009年の授業中写真と、2021年授業中写真、自分では見た目変わりなく授業を進めていると思えるのですが、さて、11年の差はどこにでているのか。
 中国では中国語の意味の「老師ラオシー」でした。現在は日本語の文字通りの「老師ろうし」であるのは確かですが、声のでかさは変わっていないと思います。

 このクラスの学生に「思いのほか」という語で短文を作らせたら、「最初にハル先生を見た時は、厳しい先生かと思ったけど、思いのほかやさしい先生だった」と「お世辞交じり」の文を作った学生がいました。この程度の「思いやり」を授業で発揮できるのも、中級の学生ならでは。いえいえ、老師の指導がよろしいのです。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「蘭と雪」

2022-01-08 00:00:01 | エッセイ、コラム

  坪庭の降雪は翌朝もまだのこっていた
20220108
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記新年(5)蘭と雪

 世間様の正月休みも終わりになるころの6日木曜日。池袋サンシャインビル文化会館の7階の古代オリエント博物館にでかけて、帰りに2階で「世界蘭展」という催しを見ました。

 会期:2022/01/06(木)~2022/01/10(月) 

 入口に飾られた寄せ植え


 洋ラン愛好団体による出品の中、優秀作品に賞が贈られ展示されているほか、特別展示として「リカステへの誘い ~その魅力と日本の育種~」というコーナーで南米原産の蘭が、日本の蘭育種家によって美しい花を開かせるようになったことを見せていました。

 元首のリカステからさまざまな育種家が改良し、世界蘭展日本大賞なども受賞するようになった蘭


 香りを楽しむ蘭のコーナーを楽しんだり、関東を中心とした蘭園芸店の出品している即売会のコーナーをひやかしたり。

 華やかな蘭といえば、やはりカトレア


 美しい蘭を楽しんでサンシャインから地下道を通って東池袋に出ると、駅の前は、雪降りしきる冬景色でした。

 東京に雪が降るのは、1年に1度か2度なのですから雪景色を楽しむ余裕があればいいのですが、とびきりの冷気をかんじたので、大慌てで地下鉄乗車。
 雪に弱い東京の交通網。帰りの私鉄はさっそくに遅延が出ていました。早めの帰宅だったので、それほど雪が積もらないうちに帰れました。

 雪の中帰宅。まだあまり積もっていない。一夜の東京都心降雪は9cm


 7日は七草がゆを食べてお正月気分も終わりですが、私の今季授業始めは13日になりました。あとちょっと美術館や映画を楽しみます。

 映画や美術館観覧報告が続きます。絵に興味がない方には御退屈様、となりますが、ご容赦を。もともと世のため人のために書いているんじゃない駄文サイトですから、私自身のメモ用紙がわりのサイト。
 読んでくださる方には、感謝感謝ですが、2022年も世のために役立つことはないながら、細々と歩んでまいります。

<おわり>
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