20220122
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記冬(1)水天宮甘酒横丁と東洋文庫
家の近所に長いこと鎮座していた小さな神社。
毎年、有名神社の初詣は混み混みだからと、駅へ行く途中のこのミニ神社でパンパンとかしわ手打って手軽にすませていました。
地主の代替わりなどの理由でしょうが、神社をほかに移転させたかして、昨年神社の土地が更地になってしまいました。
駅まで徒歩1分。駅に着くまでに、コンビニ2軒ミニスーパー1軒あるという住宅地ですから更地になったらすぐ買い手がつくかと思ったら、半年たっても更地のままです。「神様追い出した更地」というのは、買うのに勇気がいるのかしら。たぶん、買い手がつくとしたら、神社も寺も関係ない中国などの富裕層か。
とにかく今までの初詣場所がなくなってしまったので、今年は神社初詣はなしかなあとおもっていました。「神様は神社で拝まなくても、私がかしわ手うったのは、どこでやってもちゃんと聞いてくれる」と、都合のよい神信心でしたから、別段初詣に出かける気もなかったのですが、水天宮近くの「ミュゼ浜口陽三」で版画を見るついでに、水天宮でお参りしようかと言うことになりました。
人形町の通りにたつからくり時計

「この前来たのは、もう20年だか年だ15年前のことだよね」と娘が言いますが、私もいつのことだったかはっきり覚えていない。
たしか、昔むかしの娘との下町散策。芭蕉記念館を見て新大橋を渡って天婦羅屋で一息ついたあと、水天宮参拝したのです。
水天宮は2013-2016年に改築工事を行ったので、それより前のことは確か。
耐震設備を整え新しくなった水天宮は、記憶の中のものより狭い感じでしたが、エレベーターが設置されていたので、コンクリの箱2階に上ってお参りするのは楽になった。
境内は安産祈願の若いふたりや、初宮もうでの一家一族総出などでにぎわっていました。
江戸時代から安産祈願で有名ということですが、祭神が安徳天皇、建礼門院(平徳子)、二位尼(平時子)と聞くと、壇ノ浦で海に沈んだお三方がどうして安産の神に?と不思議です。建礼門院が生き残って幼くして海の底のお宮に行った子のために祈ったご利益があるのかしら。
主神の天御中主神だって、一人神だし、たかみむすびの神やかみみすびの神に比べて、生産性感じられない神名だから、どうやって安産と結びついたのやら。まあ、イワシの頭も信心です。
ともあれ1月15日小正月の初詣。
水天宮お参りの行きかえり、人形町下町散歩。
重盛永信堂で人形焼きのセットのほか、食べ歩き用に粒あんと漉し餡2個買いました。72歳38歳の母娘コンビは、ベンチでもあったら座って食べたいと持ち歩いているうち食べる機会をのがしました。ひとつだけ見つけた石のベンチ、傾いていました。人形町にまともに座れるベンチを作る件、墨田区に提案したい。
前に来たときは「原宿や自由が丘などの若者でにぎわうところからは一歩しりぞいた昔の町」の印象があったのですが、2022年の人形町は、タイ焼きなどを食べ歩きしている若いカップルも多い。
人形町は阿部寛の新参者シリーズで人気のロケ地になった地域ですから、今でも聖地巡りしている人たちも。新参者で下町人気復活したのでした。
おのぼりさん母娘は、創業100年の柳屋でタイ焼きを買い、ほうじ茶専門店森乃園2階でほうじ茶あんみつセット、おしるこセットをはんぶんずつ分け合って食べる。棒ほうじ茶をお土産に買い、下町散歩を舌で堪能。
どこも大正4年創業など、100年以上の歴史ある店ばかり。佃煮の酒悦にいたっては、1675(延宝3)年創業というので、ひぇ~、古さに脱帽。
森乃園のおしることあんみつ

幸いそれほど冷たい北風でもなく、下町散歩を終えました。老舗350年の歴史に比べれば、母娘たして110歳なんざ、まだまだ青二才。2022年もコロナに負けずにがんばります。
姪っ子43歳が高齢で第3子を産むというので、とりあえず水天宮にパンパンとかしわ手打って安産祈願をしたのですが、自分用には学業成就がいいなあ、でも湯島天神には近くにいく用事もなし、と、東洋文庫のモリソン文庫前のソファで学業成就をお祈りしておきました。
モリソン文庫の本の棚を眺める

モリソン文庫の3階までぎっしりの本を眺めると、知恵を求める人類の本の神様が宿っていると感じられます。東洋文庫秘蔵の国宝「文選集中(もんぜんしっちゅう)」も、漢字見ても意味わからないけれど、心の中でパンパンかしわ手。きっとご利益あって、漢字に強くなれるはず。
東洋文庫「文選集中」

さて、安産も学業成就もOKと思ったのですが、1月16日には津波が来襲。體の弱い娘は、強く影響を受けました。海底地震の衝撃波による「空振」と言う現象が日本まで到達し、強い頭痛を起こす人が続出。急激な気圧の変化。その気圧の急変をもたらしたのが衝撃波の一種で、「空振」と呼ばれる現象です。
娘も「低気圧の影響で天気痛が起きるのはしょっちゅうだけれど、こんなに晴れているのに、どうして頭がガンガン痛くなったのだろう」と、「原因不明の悪い症状が起きたのか」と心配してしまいました。
「空振」という初めて体験する地球の力の大きさ。
水天宮では、安産といっしょに「災害撲滅悪疫退散コロナ終息家内安全世界平和」も祈ったのですが、どうもお賽銭ケチったのが悪かったか。「ご縁(5円)が10倍あるように」と、50円を2個。2人分のお賽銭、、、、。ケチです。
文選の本の神様モリソン文庫の本の神様はちゃんと我が願いを聞き届けてく
れるはず、、、、お賽銭あげなかったけど。
<つづく>