▲10号対打昇朴付四重芯変化菊(長野県 青木昭夫)@秩父夜祭花火大会
クリアーな四重芯。目視はできてもカメラにとらえられないことも多い花火だが、これは後から見てもすっごくクリアに写っている。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
花火にのめりこむ前は趣味といえば「読書」だった。
もともと本を読むのは好きだ。「本をあつけて(預けて)おけば黙って静かにしている」子供であった。
本の所有量は多い方だと思われる。現在の新居に引っ越すにあたって、書棚を3本買ったが、そろそろ収納能力のマックスが見えてきている。それでも最近は新刊本は宮城谷昌光以外はめったに手を出さず、その代わり文庫や新書は積極的に購入するというスタイルにしているので、だいぶスペースの節約はしていると思うのだが…。
よく読んでは売る、買うなら古書(Book ●ff)なんていう人もいるが、私の場合思い出しては読み返すことも少なくなく、だからこそ人の手を経た物には少し抵抗がある。
まぁ、書棚に関しては中板を買い足せばもう何段か持つだろう(笑)。
最近読んだのが『のぼうの城』
http://www.shogakukan.co.jp/nobou/
昨年「本屋大賞」の次点に入り、注目を集めた本である。来年には映画公開という。しかも萬斎様ではないかっ!
ということで、文庫本が出たのを幸いに買い込んできた。
うーん、でもね…。おもしろいの、これ?
「のぼう」とは「でくのぼう」の略で、本作の主役である。忍城の城代の息子で、途中でとーちゃんが死んでしまうために城代になるわけだが、こいつがなーんにもできないのだよ。あまりに何にもできな過ぎて、周りの者(領民含め)が思わず手助けしてしまうという設定。
そういう男が実はできるヤツで、対石田三成に痛快な戦術を展開して…って話ならすっきりするのだが、本当に最後まで何にもできない。唯一、水攻めで大きな水原となったところに船を浮かべ、田楽を舞ったというぐらいしか活躍場面がない。ここで多少の表情の展開は見せるが、基本は無表情。
これでは感情移入ができない。
作者は、周りの者の戸惑いを読者にも感じてほしいという手法で描いたのかもしれないが、それっておもしろいのだろうか…。
いや、ひょっとしたら中心人物を茫洋と描くことによって、周りの人物の魅力を引き立たせたのかもしれない。確かに成田家中には魅力的な人物が多い。だけど小粒なんだよねぇ。
かたや石田軍も長束はテンでダメダメだし、大谷はちょっと魅力的だけどメインじゃないしね…。
成田家の息女甲斐姫(映画は榮倉奈々)がこののぼうに惚れている設定だが、まだ彼女がメインの設定の方が面白いんじゃないのって思ったら、すでにそういう作品は書かれているらしい。まぁ、甲斐姫はのちに秀吉の側室に上がるので、歴史的にはのぼうよりよっぽど有名なんだよね。
なんか最後にこうカタルシスがあるのかと思ったら、結局そういうものはないまま終わってしまった。それでも文庫本2巻を一気に読ますパワーはあるのだから、つまらなくはないんだろうな。
映画は見に行こうかどうか、かなり怪しくなってきている。だって萬斎様が「できない男」で無表情でいるなんて面白くないじゃないか。
▲10号対打昇木葉マーガレットの花(長野県 篠原茂男)@秩父夜祭花火大会
正面からと横からの図鑑的展開。これは向きが難しい。
▲尺の単発。プログラムに書いていないとどこの玉だか全然見当がつかん@秩父夜祭花火大会
ちなみに、圧倒的兵力に必死に籠城をするという設定なら『風は山河より』の方がはるかに面白い。全5巻というあたりがネックだが…。