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秋の週末越後三昧①

2012-11-06 00:19:00 | 花火
 週末は3つのイベントをハシゴしてきた。
 ①ろうそく祭り
 ②SL試運転
 ③角突き千秋楽


▲燃えるろうそく

 ろうそく祭りは宝徳山稲荷大社の秋の神事。
 信越線に乗っていると、無人駅である越後岩塚でギョッとする。山から巨大な赤い物体が突き出ているのだ。「大地の芸術祭」ではない。それが宝徳山稲荷大社。あまりの巨大さに、山向こうの地元民の私でさえ、怪しい宗教じゃないかと疑った次第である。



▲鳥居もデカいが、その背後の神社本体の建物もデカい


 そのいわれは古く、縄文時代創建とか!? でもって、3つあるお社にはそれぞれ尊い神様が祭られている。

 天照白菊宝徳稲荷大神(あまてらすしらぎくほうとくいなりのおおかみ)
 大和古峰大神(やまとふるみねのおおかみ)
 八意思兼大神(やごころおもいかねのおおかみ)

 他ではあまり聞かない神様だけに、有難みもひとしお!?

 11月は神無月、国中の神様が出雲にお出ましになる。
 その出雲行きの前に何故だかこの宝徳山稲荷大社に集合していくというのがこの日らしい。つまり、この日の巨大なお社の上空には全国の神々千五百万(八百万ではきかない)の神様がグルングルンと回っているというわけである。
 まぁ、さすがに全国というのは誇張で、リアルサイズでは東北関東周辺の神様が集まるのではないかという無駄な推察を加えてみるが、それだけ神様がいれば人々の願いも聞き届けてくれるに違いないというわけで、周辺の善男善女がこの日の夜に参拝に訪れる。


▲燃えるろうそく。これでも全体の1/4ぐらい

 で、神事は夜中の10時に本殿で、0時に奥の院で行われるという宵っ張りのお祭りなのだが、このときにお願いに使うのがろうそくである。
 ろうそくといっても3寸の仏壇ろうそくではない。1尺の赤いろうそくである。それも2本セット(2,000円也)。そのろうそくの赤い胴に油性マジックで願いを記入し、灯をともして神様にお願いするわけである。
 そのろうそくの数が半端ない。数万本。50メートルプール2つぐらいの屋外に、ズラズラッとろうそく立てが並ぶのである。そう、ろうそく畑。ひと昔前は、何十万本もあったという。
 それらに灯がともると、まさに壮観!まるでたいまつのように赤々と燃える。ろうそくの芯が小指ほどの太さがあるのだから、ちょっとした風ぐらいでは消えないのである。
 11月の夜ともなれば、結構寒い。だが、ここに行けば暖房要らずのぬくもりである。

 このろうそくの明かりの束に、時折「火の鳥」が見えるという。それが見えると幸せになるといわれているので、人々はろうそくの明かりを一時じっと見ているのである。


▲中抜けだけど冠菊


 このろうそく祭りに合わせて、花火が打ちあがると聞いた。
 3~5号ぐらいの単発花火がポンポンと上がるだけである。花火好きとしては行くっきゃナイショ。ってカメラを担いで行ったのだが、これがなかなかに難しい。
 曲導入りの花火がほとんどなく、いきなり花火が開くのである。発射音はろうそくの炎の燃えるゴーゴー音にかき消されるから、まさに突然花火が開く感じ。
 久々に「中抜け」写真を大量に生産してしまった。それに、ろうそくの炎が集団となって明るすぎるから、なかなかバランスが難しいのだよね。



▲見物の人がド真ん前に立ち尽くしてしまったが、ろうそくの光を遮ったのでむしろ花火の色はキレイ。


 この神事は新潟の行事に多い「日付固定」なので、また曜日が良い日に行って見よう思った。


 ちなみに、奥の院で参拝(玉ぐし奉納)をすると、供物の引換券が渡される。これを一番下の本宮に持っていくとビニール袋に無造作に入った供物が渡される。
 うどん、せんべい(地元岩塚製菓特別謹製)、お神酒(小千谷の高の井酒造謹製)のほか、みかんや缶詰が入っていた。お参りするだけでこれらがもらえるのも、この神社に多くの人が集まる理由なのかもしれない(笑)。


 私は電車での移動だったので、神事は見ないで撤収した。一番盛り上がるの夜中の0時過ぎと聞く。車でお出かけすることをオススメする祭りである。



▲曲導付花火は本当に少ない