今週末、ウチの裏をSLが走る。
SL信濃川ロマン号。
上越線長岡駅と、飯山線十日町駅を往復する。もちろん、小千谷にも停車。しかも往路は蒸気機関車に必要な水の補給などをするので、駅に20分も停車するそうだ。
▲小千谷駅を出発したSL。駅にも人が大勢おり、また、家の裏に出てきているおじいちゃんも写っている。
このSLは実はある事件が関係している。
JR東日本不正取水問題。
JR手持ちの発電所が信濃川沿いにいくつもある。この発電所へ引き込まれた水はすぐ信濃川に戻るのではなく、山の下のトンネルを通ってより下流の発電所へと引き込まれ、そこにある発電所でもう一度発電を行う。つまり水の再活用。
その間、本来の信濃川にはその分の水が不足することになる。本当は、決められた水量のみを使用するはずだったのが、長年にわたりJR東日本が多めに取水していたということが発覚した問題である。
この水は最終的に小千谷で信濃川に戻るため、小千谷では水量豊かな大河に戻っているのだが、その上流の十日町~川口間は大河とは名ばかりの水量の少ない川になっていた。それは、魚資源の激減にもつながり、そして農業用水の不足にもつながるという、第1次産業県・新潟としては深刻なダメージを受けたのだった。
ひょっとして、信濃川の川下りが廃止されたのもこれが原因だったのかな…。
JRは謝罪し、沿岸の市町村に対し、賠償と共に観光支援などを約束した。
その観光支援がこのSL運行である。
今回初めて知ったのが、SLというものは、本運行の前に約1週間ほど試験運行が欠かせないということ。確かに、ハンドルをグイッとひねればスピードが出る電車とは違い、操作は難しそうだ。
この辺りは「鉄」の皆さんがどこかで解説をしてくださるだろう。
その試運転がちょうど私が帰省していた11月3・4日と行われた。
何せ実家のすぐ裏は上越線。窓を開ければそこが特等席!
▲至近距離で見たSL
でももっと近くで見たいというのが人情。
ついつい線路際まで行ってしまう。都会と違って田舎の線路はほとんど無防備。私も子供のころは線路のすぐ脇で遊んでいて、「特急とき」などを間近に見ていた。新幹線がなかったころだから、特急も急行も今の倍以上走っていたわけだ。
時間になって、線路際まで行くと、小千谷駅に停車しているSLが見える。
時々サービスなのか、水蒸気を盛んに上げているのもよく見えた。駅にも多くの人が集まり、フラッシュがたかれている。
そして出発時刻。
ぽぉー!!というひときわ大きな汽笛を鳴らし、プシューっと余計な蒸気を吐き出して、ゆっくりとSLが動き出す。さっきまでの白煙が見る見る黒煙に変わり、近づいてくる。
沿線に見物に出ている人へのサービスなのか、やけに汽笛と水蒸気を大盤振る舞いして疾走。ウチの前もあっという間に駆け抜けて行った。
カーブの向こうに姿が消えてからも、時折汽笛の音が聞こえる。
汽笛というのは旅情をかき立てるものだ。
さて、旅立ったSLは午後に戻ってくる。
もう一度ウチの裏を通るのだ。
ということで、午後にもう一度見物に。午前中はかろうじて持った天気も午後には本振り。傘を差しながらそれでもやはり見物客がいる。
そんなところに、遠くからSLがやってきた。
……あれ……。
後ろ向き!?
▲復路は後ろ向き。石炭が先頭で、運転台の後方に煙突がある。
復路の機関車は「お尻」から走ってきた。
この沿線に「転車台」がないからとのこと。かつては十日町にあったのだが、ほくほく線開業と共になくなり、越後川口の転車台も中越地震の後に撤去された。
話には聞いていたが、やはり目の当たりにすると少し脱力(笑)。
翌日も試運転日。
往路を見送るべく、今度は家からちょっと離れたところまでトコトコ遠征。
天気がよかったからか、まったくの農道にまで見物人がチラホラ。中には県外ナンバーも見られる。後ろを見れば、線路脇には明らかに「その筋」の方がチラホラ…。
上越線は電化されているため架線(邪魔)がある「ため、それでも少なめと思われるが、架線のない飯山線にはもっと多くの「その筋」の方が来られたのではないだろうか…。
そんな中、汽笛を鳴らしてSLが近づいてきた。
▲どうしても空を入れて撮りたくて、縦
ちなみに、ここ、春だともっと面白い撮り方ができるんだけど、常態化しないかな~
▲運転士も写っていてちょっとうれしい気分
…あれ~、今朝も後ろ向きだ~。
この日は往路が逆向きで、復路が正面というスケジュールだった。
まぁ、珍しいものを見れたから良しとしますか。
ちなみに本番の乗車券は瞬殺で、家族分のチケットを取ろうとしていたウチの弟がたいそう憤慨いた(10時にみどりの窓口に行くんじゃダメらて…)。
SL信濃川ロマン号。
上越線長岡駅と、飯山線十日町駅を往復する。もちろん、小千谷にも停車。しかも往路は蒸気機関車に必要な水の補給などをするので、駅に20分も停車するそうだ。
▲小千谷駅を出発したSL。駅にも人が大勢おり、また、家の裏に出てきているおじいちゃんも写っている。
このSLは実はある事件が関係している。
JR東日本不正取水問題。
JR手持ちの発電所が信濃川沿いにいくつもある。この発電所へ引き込まれた水はすぐ信濃川に戻るのではなく、山の下のトンネルを通ってより下流の発電所へと引き込まれ、そこにある発電所でもう一度発電を行う。つまり水の再活用。
その間、本来の信濃川にはその分の水が不足することになる。本当は、決められた水量のみを使用するはずだったのが、長年にわたりJR東日本が多めに取水していたということが発覚した問題である。
この水は最終的に小千谷で信濃川に戻るため、小千谷では水量豊かな大河に戻っているのだが、その上流の十日町~川口間は大河とは名ばかりの水量の少ない川になっていた。それは、魚資源の激減にもつながり、そして農業用水の不足にもつながるという、第1次産業県・新潟としては深刻なダメージを受けたのだった。
ひょっとして、信濃川の川下りが廃止されたのもこれが原因だったのかな…。
JRは謝罪し、沿岸の市町村に対し、賠償と共に観光支援などを約束した。
その観光支援がこのSL運行である。
今回初めて知ったのが、SLというものは、本運行の前に約1週間ほど試験運行が欠かせないということ。確かに、ハンドルをグイッとひねればスピードが出る電車とは違い、操作は難しそうだ。
この辺りは「鉄」の皆さんがどこかで解説をしてくださるだろう。
その試運転がちょうど私が帰省していた11月3・4日と行われた。
何せ実家のすぐ裏は上越線。窓を開ければそこが特等席!
▲至近距離で見たSL
でももっと近くで見たいというのが人情。
ついつい線路際まで行ってしまう。都会と違って田舎の線路はほとんど無防備。私も子供のころは線路のすぐ脇で遊んでいて、「特急とき」などを間近に見ていた。新幹線がなかったころだから、特急も急行も今の倍以上走っていたわけだ。
時間になって、線路際まで行くと、小千谷駅に停車しているSLが見える。
時々サービスなのか、水蒸気を盛んに上げているのもよく見えた。駅にも多くの人が集まり、フラッシュがたかれている。
そして出発時刻。
ぽぉー!!というひときわ大きな汽笛を鳴らし、プシューっと余計な蒸気を吐き出して、ゆっくりとSLが動き出す。さっきまでの白煙が見る見る黒煙に変わり、近づいてくる。
沿線に見物に出ている人へのサービスなのか、やけに汽笛と水蒸気を大盤振る舞いして疾走。ウチの前もあっという間に駆け抜けて行った。
カーブの向こうに姿が消えてからも、時折汽笛の音が聞こえる。
汽笛というのは旅情をかき立てるものだ。
さて、旅立ったSLは午後に戻ってくる。
もう一度ウチの裏を通るのだ。
ということで、午後にもう一度見物に。午前中はかろうじて持った天気も午後には本振り。傘を差しながらそれでもやはり見物客がいる。
そんなところに、遠くからSLがやってきた。
……あれ……。
後ろ向き!?
▲復路は後ろ向き。石炭が先頭で、運転台の後方に煙突がある。
復路の機関車は「お尻」から走ってきた。
この沿線に「転車台」がないからとのこと。かつては十日町にあったのだが、ほくほく線開業と共になくなり、越後川口の転車台も中越地震の後に撤去された。
話には聞いていたが、やはり目の当たりにすると少し脱力(笑)。
翌日も試運転日。
往路を見送るべく、今度は家からちょっと離れたところまでトコトコ遠征。
天気がよかったからか、まったくの農道にまで見物人がチラホラ。中には県外ナンバーも見られる。後ろを見れば、線路脇には明らかに「その筋」の方がチラホラ…。
上越線は電化されているため架線(邪魔)がある「ため、それでも少なめと思われるが、架線のない飯山線にはもっと多くの「その筋」の方が来られたのではないだろうか…。
そんな中、汽笛を鳴らしてSLが近づいてきた。
▲どうしても空を入れて撮りたくて、縦
ちなみに、ここ、春だともっと面白い撮り方ができるんだけど、常態化しないかな~
▲運転士も写っていてちょっとうれしい気分
…あれ~、今朝も後ろ向きだ~。
この日は往路が逆向きで、復路が正面というスケジュールだった。
まぁ、珍しいものを見れたから良しとしますか。
ちなみに本番の乗車券は瞬殺で、家族分のチケットを取ろうとしていたウチの弟がたいそう憤慨いた(10時にみどりの窓口に行くんじゃダメらて…)。