▲芝浦側のレインボーブリッジの足元からお台場を望む。目の前は航路のため、屋形船やら貨物船やらフェリーやらがバンバン通る。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
5月の下旬、お台場で未来型花火!? という情報が冬のうちに流れてきていた。
まぁ、お台場というからには場所はあの辺りだし、2012年の東京ミュージック花火の実績もあるから、まぁあんな感じだろうなぁと高をくくっていた今回の「スターアイランド」
未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」
有料席の価格を見て目を疑った。なんで花火を見るがんにベッド席とかがあるがん? なんてディープ魚沼弁が口をつくほどの価格であった。しかもそれらは発売と同時に売り切れなんて何の小芝居!?(おそらくスポンサー席みたいなもので、一般庶民には縁のないものなんだろうなぁと貧相な財布と頭で考える)
ということで、最安でも8,000円という入場料と知る。
▲開始時間から10分が過ぎる頃、ようやく初弾が上がった。長かった…、長すぎだよ、前段。しかも地味な錦冠だった。慰霊の花火とかなのかなぁと思ったが、たぶん違うよね。
うん、それで尺玉バンバン上がるのなら、いろんなショーが入っても面白そうよね…。だが、あそこでは尺は上げられん! どうも最後まで金を出す気にならなかったんだよ、純正花火クラスタとしては…。
ホント、ショーとか音楽とか単体ならまだしも、花火と絡めるとなるとまったく食指が動かないんだよね。個人的にはミュージックスターマインも別に無くてもいいやぁ派なので、花火の迫力が感じられないような小細工には全く興味がないし(あくまで個人的な)価値がないのだ。
となると、有料席以外で花火を見る場所を探さねばならぬ。
こういう時に役立つのは東京ミュージック花火の経験。あの時は、お台場の海辺がすべて閉鎖され、アクアシティの上だけで見ていいよということになっていた。ただし、音はない。音は有料観覧席にのみ届くよう指向性のスピーカーが使われていた。
今回も同じような感じなんだろうなぁと思いつつ、アクアシティの駐車場情報も出てこないので、早々に芝浦側でいいかぁという腹積もりとなっていた。
そして当日。朝早くから現場入りしている人々から続々と情報が入る。デックスのテラスは○○円以上の買い物をすれば入ってよいとか、ここは立ち止まっても大丈夫だとか、いや三脚はやっぱりダメだとか、現場の場当たり的混乱が伝わってくる。
SNSなどで有名人を使って広告が行われ、開催直前にはテレビスポットなどでも告知されてきたイベントだけに、この後、よくこのイベントを分かっていない一般観客が大挙して押し寄せ、混乱しそうだなぁということだけは想像できた。
実際、観覧禁止となっていた場所も多勢(一般タダ見観客)に無勢(商業施設側警備員)で、押し切られたらしいから、ほら言わんこっちゃない状態。なお、有料席エリアは、荷物チェックなども行われるガードの固さで、こちらは秩序を保ったらしい。
▲台船は3台。しかも奥行きのある台船。それぞれの台船から上がる花火。
冬だとここから台船が見えないのだが、今回は3台ともよく見えた
こなた、お台場対岸のレインボーブリッジの足元。
17時近くに到着した。三脚はそれなりに並んでいたものの、まだ結構空きがある。それよりも驚いたのは、結構一般観覧者がいるということ、後方の芝生の部分に敷物を敷いたり持参の椅子を広げたりで、すでに200人ぐらいいるのではないか状態。
軽装なのを見ると、この界隈にお住まいの方が中心と思われる。
当然、こちらには彼らを排除するような無粋な警備員はおらず、おそらくレインボーブリッジの施設職員と思われる人が見回っているぐらい。そんなのんびり平和な風景。
ただし、風は思いっきりこちらに向けて吹いている。
台船が3台とも丸見えなので、場所はそれほどこだわらずに三脚を広げ、コンビニに食料調達に行く。
▲なんか、カラフルなの上がっているのだが、レインボーブリッジ程度の高さでは満たされるはずもなく…。もっと大きいのないですかぁ(無理を言う)
芝浦の辺りも朝が早いから、夕方のコンビニは品数少な目。パンを買ってきて戻り、潮風を味わいながらもそもそ食す。
きっと今ごろお台場の皆様はセレブなお食事を味わっておられるのでしょうなぁ…。とあえて妄想をたくましくする。
背後では、ピクニック気分の家族のざわめき。新たなご近所さんが、バカでかいワンコ3匹を連れて散歩にやってきた。
薄暗くなってきたのでようやくスタンバイ。
刻々と時間が迫る中、品川ふ頭からノルウェー船籍の船が出港する。あれ、こっちへ向かってくるぞ。このままでは初弾かぶるかも~って心配していたら、花火がなかなか上がらない。そのうちに、大きな船は視界から消えていってしまった。
それでもまだ花火は上がらない。会場で何か(パフォーマンスとか音楽とかダンスとか…)やっているんだろうなぁと妄想しつつ、いつ上がってもいいようにとレリーズを握りしめたまま約10分。
シュポ!
という唐突な発射音でレリーズのスイッチが入り初弾開花。
なんで初弾(2枚目)がこんなに地味なの!?
その後も長~い空白があって、1万発なんて詐欺なんじゃないかって思い始めたころようやく次の花火が上がる。
そしてその後花火が上がり出した。だが小さい、つまらぬ…。こ、これでは…、というところにようやく救世主が…。
▲マルゴー玉 キタ━━━━(゚∀゚)━ ━━━!!
真ん中の玉が芯と親星で時差変化
前の週の「花火鑑賞士の集い」の際、マルゴーの社長が、「来週のお台場の花火に玉出しているから見てね」って言われていたのである。わざわざの社長の言。それなりの玉が上がるんだろうなぁって思っていたら、どこをどう見てもマルゴーさんの玉と分かるすごいのが来た!!
ひゃっほう!!
▲輪星の外側がくるっと色変化
▲八方咲そろい踏み
▲ギュルギュル動くこれはスタープリズムでよろしいか!?
この手の時差変化は、花火の世界では最近の流行であり、何社も特徴的な変化を出してきている。別にマニアだけにウケるという花火ではない、普通の人が見ても光が動き回るさまは美しく、新鮮で、驚きで、歓喜であるのだろう。背後のどよめきを感じながら、前方をひたすら注視する。
▲八方だって時差で変化できるもんね~
▲今度は両脇でギュルギュル時差変化!!
観客のボリュームが上がる! この手の星は輝度が高く、色もしっかり出る。だからホント静止画で見せても大抵の人がきれいと感じるようである(私調べ)
▲3台ともマルゴー玉だ!
▲ここは○かな
▲まだまだ続くよマルゴーコーナー
マルゴーコーナー、最初は何発に1つぐらいなのかなって思っていたのだが、かなり前面に強気にぶっこんで打ち上げている。
そういえば、インタビューで「花火も色が変わってキレイ」って浴衣のお姉さんが言っていたのって、マルゴーさんのこの手合いの玉のことだよね。もっともっと吹聴していいよ~!
▲なお、音楽は全く聞こえません。いいの、花火がきれいだから♡
▲小さい八方がちょうどおリボンみたいだ!
▲絵になる玉は1発でも存在感抜群である
▲ちょっと大きな船が通るとこうなる
▲これは、青の違いを見せたかったのか!?
▲小勝の八方を重ねるだけ重ねてみた
▲千輪はもうちょっと、いやもっともっとあっていいと思うのだ
▲柳がスカートのようで
▲3台の台船から、扇打ち千輪来たーーー!!
▲丸玉輪星タイム
▲らしい打ち上げ
▲お帰り、マルゴー玉!! 盛って盛って盛りました
なお、この辺り、なぜか音楽が聞こえてきていた。ただし、花火とのシンクロは感じられない。音の時差があるからかな?
▲そうそう、下が海だからどんどん落としちゃって~!!
(しかし確か右端に煙火師待機エリアがあったような…)
▲ここは錦一斉だよなって思っていたら、痛恨のミス! 右側からラストだけ銀が出た
▲錦で一斉扇打ち~!
音の聞こえない芝浦側は、フィナーレだと思った観客が多かったようで、ここで帰る人が続々。だが時計を見るとまだ仕舞いにはちょっと早い。ということでもうすこし粘ってみるのであった。
そしてフィナーレ
▲フィナーレは銀一斉。最後は白飛びしているので、少し前のカット
帰路はゆりかもめの混雑を嫌って、バスで田町へエスケープ。混雑も渋滞もない帰路は快適であった。
このイベント、毎年続くんですかね~。
後パブもものすごい勢いで各局取り上げているし…。東京ミュージック花火のように1回こっきりにならないようにお願いしたいとこだな。まぁ。パフォーマンスの方には食指動かないけどさ…。
添え物であってもいい花火が上がるのなら、迷惑にならないように行くから~。
ってか、これでオリンピック狙っているとしたら、何とか尺を入れられるように各所調整をお願いしたいところである。