▲オープニング花火
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昨年、国際花火シンポジウムが開催された大曲の花火春の章。GWと重なったこともあり(元々東北の花見シーズンと重なる)、宿が取れずに苦労したという話があった。そういう声に配慮したのか、今年の春の章は、GW明けの5月、第2週末の開催となった。
一昨年がISFのプレ大会、昨年がISF本番と来たから、今年が純粋な「春の章」の開催となる。いわば今回がプロトタイプになるわけだ。
そんな日に、「花火鑑賞士の集い」がかぶせてきたが、自分はカメラ席で見たいので、入場時刻まで拘束されるその集いは遠慮させてもらう。とりあえず、あいさつにだけは行って、遅めの昼食後、開場ゲートで待機することにした。
どんなに早く並んでも、後ろに並ぶ若い人に抜かされるんだけどね…。
16時開場予定が30分早まって会場、えぇ、案の定抜かされまくりましたわ~。
それでもまぁまぁいい場所を確保し(正確には譲ってもらった)、のんびりまったりスタンバイ。何しろ、打ち上げまであと3時間以上ある。
何にしても目に入るのが、正面に堂々とぶら下がっている丸い金属枠。これが噂のタワーか…。クレーンで吊られていた。
真ん丸な構造に、花火の火を吹きながら回転するとか、そのうち回転によって浮上して飛んでいくとか、好きなことを言いたい放題w。実際はクレーンで振り回されることもなく、お不動様でしたw とはいえ、本来の自分の席に行ってみると(カメラ席は、パイプいす席を買うと入場できるシステムで、そこに座らなくとも席はキープされている)、思ったよりも近くて「こりゃ、それこそ回ったりしたら面白いなぁ」と思う。
そんなこんなで、カレーうーめん食ったりビール飲んだりしているうちに、打ち上げ開始でございます!
オープニング花火、地元花火師によるHANABIコレクションに続き、早々に丸いヤツの活躍の舞台がやってきた。
丸玉屋さんは成田などでタワー花火を上げているという。成田は今の会場になる前(印旛沼の時代)に見に行ったきりなので最近の状況は分からないんだよね…。
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋。どこかで見たことある玉ですねぇ…。
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋。中央にタワー花火が出番を待つ(ピンクの扇前にクレーンにつられた丸いヤツ)
最初のうちは普通の打ち上げだったけれど、その直後にアヤツが火を吹きだした
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋。そして地獄の釜の蓋が開く。高さ40mにつるされたタワー仕掛け花火が火を吹く。
丸い構造物から放射状に火の粉を吹く。単純に丸い形だけではなく、蝶型だったり、パーツ別に吹き出したり、上下に吹きだしたり、とバリエーションはあった。
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋
なお、打ち上げ花火が上がるとこの程度になるのが現在のタワー仕掛け花火の限界ともいえる。法律的にも制限されているしね…。
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋
この時、丸い仕掛けからは断続的に時差花火が放たれ、火の線が見えない空間で赤い花火だけがグルグルグルグル回り続けるのが、なんだなんだなんだ???ってなった。冷静になれば大したことでもないんだが…w
▲日本の花火「花火ファンタジア」丸玉屋
この後真っ白になりました。
まぁ、見ているうちは横に飛び出たり、え!?そういう動きするの!?って楽しかったよ、タワー花火。これは、初めてみたからの面白さともいえる。
だけど、だけどねぇ…。
これが無ければ演出できないとか、面白くならないとか、そういったメリットというのは見いだせなかったというのが正直なところ…。タワー花火単体では面白いんだけど、打ち上げ花火が上がると、全然サイズが勝負にならないから、せっかく大看板で持ち出してきたのにかわいそうな感じに思えるというのが私感。あくまで私の感想。
40メートル10階建てビルの高さに吊っているといったけれど、打ち上げ花火の多くはその上を軽く超えていくからなぁ…。もっと高いところ(花火の高度に負けない高さ)で使うのなら面白いだろうけれど(それこそ東京タワーやスカイツリー、といったタワーや高層ビル)、現実は法令の制限等があるからなぁ…。
あ、大玉の上げられない、都市部の花火に使えば、面白いと思うよ、マジで!
続いての芸協玉は、大曲形式の新入り割物と自由玉の各社二つずつ。こちらに上げるのは自由玉がほとんどだったりするよ。
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第1部より抜粋
昇曲付三重芯変化菊 愛知県 磯谷煙火店
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第1部より抜粋
昇曲付四重芯変化菊 群馬県 菊屋小幡花火店
丸いは正義、色くっきりも正義!!
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第1部より抜粋
昇曲付輪廻の讃歌 群馬県 菊屋小幡花火店
▲地元花火師による創造花火競演
小松煙火工業「夜空に輝く一等星」
創造花火というから、夏の大曲のそれを予想をしていたんだけれど、あんなにワイドに打つとは思わなかった。したがって、最初の小松さんは縦構図のままw
▲地元花火師による創造花火競演
北日本花火興行「CRYSTAL~大地にそそぐ光の結晶~」
▲地元花火師による創造花火競演
響屋大曲煙火「ヒカリのネバーランド」
▲地元花火師による創造花火競演
和火屋「アイスブルーの華」
そして芸協玉の第2弾。自由玉より。
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第2部より抜粋
昇曲付虹色のグラデーション 齊木煙火本店
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第2部より抜粋
昇曲付マーガレットの花 篠原煙火店
ここで、大玉の足元に小さい花火が上がっていることに気付く。
「えっ! なにか引火した小型煙火が上がっている!? この後大丈夫?
なんで誰も消火に来ないの???? って混乱していると、どうやら遠花火らしい。日がとっぷりとくれて、対岸後方の山並みの稜線も闇に溶けてしまっているから、一瞬何が起こっているのか分からなかった。
それでも淡々と花火が上がる。
▲日本煙火芸術協会と地元花火師による大玉共演第2部より抜粋
昇曲付光の波紋 野村花火工業
左下に見えるのは、新作花火コレクション会場でもある山のホテルで上げられた結婚式花火とのこと。花火師さんの縁者さんのお式だったらしい。偶然を狙った意図的かw ちょっとしたサプライズだった。
そして。今回アメリカから招へいした花火業者による花火ショー。なんかベタなタイトルですが…。
▲世界の花火「Hooray for Hollywood」(ハリウッド万歳)
パイロ・スペクタキュラーズ・バイ・スーザ(アメリカ)
う、うん。花火玉本体は簡単にアメリカから持ってこられないものね。現地調達やら隣国からの調達やらで組み立てたようだから、きっと全力の○%ぐらいなだろう。
そして無情にも最終プロログラムの読み上げが行われる。
▲フィナーレ花火
▲フィナーレ花火
▲フィナーレ花火
終了後、大曲では恒例の光の交換が自然発生的に起こる。当然対岸でも花火師さんは赤いカンテラを振っている。夏ではないこの時期に大曲に来る人の花火愛を実感したひと時であった。
まったりと撤収後、道端で今期ババヘラ1号を食しながらホテルへ向かう。
駅へ向かう道はガラスキで、今回の花火大会の地元率にしみじみする。ツアー客も結構来ていたが、その数は夏の1~2割程度か…。
2次会に到着したのはだいぶ経ってからであった(大遅刻)。いつものように楽しいひと時であった。
ホテルに大型バス2台分の団体客がいたせいか、翌朝のバイキングで行列。新幹線の時間に合わせてチェックアウトする。
新幹線のチケットをなぜか子供で予約取っていたということが発覚して大慌てしたが(えきねっとでポチるときに間違えたらしい)、帰路は爆睡で東京まであっちゅー間だった。
一昨年に初めて開催され、昨年がISFで奇跡の1週間となり、そして今年。「春の章」としては、本質を問われるときである。今までの冠が使えない分、花火本体のみでの勝負が必要になってくる。今年の評判が来年の集客に影響出るんだよね。
まだ、夏ほどの集客力があるとは言えないけれど、大切に大きくしていっていただきたい花火大会である。
以下は私感。メモ代わりの戯言。
大曲の関係者へ…。年4回の大曲の花火はいいが、どう異なるのか一般のお客様に分かるようなキャッチフレーズを付けましょう!
下記は一例
冬の章:全国精鋭の若手花火師による新作花火の発表会
春の章:海外の花火会社とのコラボで新たな花火を提案する
夏の章:日本一の花火師を決める大会
秋の章:音楽花火で楽しむ一大オペラ なんてかな~。
(↑正直よく理解できていない)
現状集客の多くを団体旅行業者に頼っている部分はあるだろうが、そういうライトユーザーには夏とそれ以外の季節の花火の区別がついているとは思えない。
夏でさえ、競技大会と理解せずに見に来ている主体性のない団体客は意外と多い。まず夏をしっかりと認知させたうえで(宣材画像が大会提供花火ばかりじゃダメ。前年優勝玉を押すぐらいの思い切りは必要だと思う)、その夏とどう違うかを各花火ではっきりさせないと、売る側(旅行業者)ももやっとした気持ちでしか売らない。
ちなみに、某社は毎年年末には夏の大曲の花火ツアーは販売を始め(もちろん席は確定してない)、桜の咲く前にはそれ以外の夏ツアーの企画は済んでいる。年が明けて年度が改まってからでは遅いんだよね…。