千里鶯啼緑映紅。水村山郭酒旗風。南朝四百八十寺。多少楼台煙雨中。(江南の春・杜牧)
何とも酒飲みにはいい響きだ。酒を呑んでいて、こんな風景の中で呑んでたら、幸せに尽きるぞ。
杜牧
ところで、酒屋には勧盤(かんばん)がある。あの看板娘の看板ではないのよ。勧盤と言うのは
「その店のお勧め」という意味である。以前は得意料理を意味していたものではありますが、ちょっと時代が下がると、その店の「お勧めの酒」を意味するものとなった。
中国は宋の時代、「三侠五義」の一節。陥空島の錦毛鼠(きんもうそ)の白玉堂が酒屋に立ち寄った際頼んだ酒。「こんな酒は駄目だ。お前には娘がいるだろう。その娘が産まれた時に仕込んだ酒があるだろう。それを甕(かめ)で持ってこい。」というのが出てくる。「勧盤を持って来い。」。当然ちょっとお高い。でも侠客はお金持ちなのだ。悪い奴を懲らしめて頂いたお金を持っているからね。(もしかして、これがカツアゲの語源じゃないだろうね。そうだとしたら、それはとんでもない間違いだ。)
そもそも中国では、女の子は12、3歳位で嫁に出す。というより、要は買われるのだ。(それが結納金の始まりなのだよ)。
で女の子が産まれた時に老酒(紹興酒)を甕に仕込んで土に埋めるのだ。 嫁入りの時に出して振舞うのだが、丁度、その年月が12イヤーズオールド。ん?、何処かで聞いた言葉だね。
12,3年仕込んだ、甕を開けると、茶色というよりは少し緑がかった色の老酒が出来るのだ。
うーん、美味そう!。どう?こういう話を聞くと無性に呑みたくならない?。
老酒にはやはり、中国料理だね、たまには、よく働いて、小金を稼いだら、お決まりのラーメン餃子、チャーハンではなく、(私は好きだからついついこれを頼んじゃうけど)ちょっと、贅沢だけど、違う料理で老酒を飲みたいもので御座る。
酒を飲める事は料理を倍美味しくさせるものであるね。私はフレンチの時はワインを飲みながらフランス人、中華の時は老酒飲みながら中国人、イタ飯の時はイタリア人になりまする。あはは!。