自然体験活動の背景、意義について北海道教育大学の能條先生が、特に学校教育の側面から「学校教育を活かす自然体験教育」という小冊子を製作出版されました。 先生とは子ども農山漁村交流プロジェクトの推進時に学校と自然体験活動の意義についての解説テキストを一緒に制作したり、また、その成果から「人と自然をつなぐ教育」などの冊子も独自出版されました。
自然体験活動は、学校側からみると、「体験あって学びなし」「這い回る体験主義」と批判的な指摘もされたことがあります。私もかつて、とある国立の青少年自然の家と呼ばれる宿泊体験施設の所長さんから「高木さんたちのやっていることは楽しさの提供だろうけれど、私達の活動は教育ですから」と面と向かって言われたことがありました。
確かに、私たちは自分たちの仕事を「自然体験活動」と自称してきました。しかし、それは、社会教育と考えて来ました。そもそも、私が教育嫌いということもあるんでしょうが、「野外教育」ではなくて、「自然体験活動」という言葉に固執していた感があります。
時代は、何を学ぶかでなくて、学んだことをいかに活かすか、学びと評価の新しいカタチ・21世紀型スキルということが問われるようになっています。リテラシーからコンペティシーの学び。 これぞ、自然体験活動+教育によって育まれる最適な手法ではなかろうか。
自然の中だからこその体験
自然との距離を縮める体験、多様性や変化を実感できる体験、感性を研ぎ澄ませる体験、言語の獲得につながる体験、事象同士や自然と自分の’つながり’を実感する体験、心身の機能が発達・維持される体験
そこから得ることができる「学び」とは・・・
情報過多社会だからこそ、実感から学ぶことは大切です。主体的・能動的に生活してゆくことが、これからの社会に求められています。 発達可能な領域・最近接領域にアプローチしてゆく教育としての自然体験活動=自然体験教育。
チャレンジの場面をつくる、段階的な状況をつくる、自分で自分の成長がみえるしかけを提供する
暗黙知的な活動を形式知化する視座がいくつもありました。
このブックレットは①とあるので、次の②や③が楽しみです。