高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

小泉元首相講演会

2020-11-01 11:48:56 | 日記
ブログではあまり書いていませんでしたが、寿都町が高レベル放射能廃棄物の最終処分場(地下埋設)の立地への文献調査に応募するということで寿都町では反対運動が起こっています。「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」が立ち上がり、文献調査応募の是非を問うています。そもそも同町には、住民投票を行うための条例規定がないので、この条例設置を求める請願署名活動をしました。その前に町長はもはや独断で国に応募をしてしまったのですが・・・。 にしろ、応募後に取り消しをした高知東洋町の前例もあるので、住民は町長リコールも視野の入れて運動を継続しているところです。

その中で、元総理大臣の小泉氏の講演が決まりました。 私も小泉事務所にお願いのメールを入れたりしました。原発反対の全国ネットワークや城南信用金庫の後押しなど多くの要請もあり、小泉氏が来町を決断をしてくださいました。11月3日に東京から日帰り講演です。 小さな町の市民団体が受け入れる超VIPなので、受け入れにてんやわんやですが、いよいよ明後日です!!
 
氏は、首相当時は原発推進派(ともかくも国是推進)だったのですが、東日本大震災の福一事故、フィンランドの地層処分予定地への視察などを通して、今や原発反対の旗振り役になっていることはご存知の通りです。講演会の聴衆は近隣町村を含めて、今のところ300名くらいにチケットが配布されているもようです。 これを機会に運動にはずみがつくことを願っています。
 
このような状況の中で、寿都町の浜中地区で大きな土木工事が進められています。市街地からは離れているので寿都町民もよく知らないと思います。 はば3,40m、長さ2-300mはあるでしょうか、運河ができるような掘削工事です。林に仕切られているので道路からは見えにくいのですが、この先の海岸によく子どもの活動でゆくので、たまたま見つけました。何人かの町民に聞くと「土砂採取らしいよ」「風車新設の基礎工事のためじゃないかね」とあまり関心がないようなので、工事現場近くまで行ってきました。
 
工事看板には、「漁港護岸工事」ともあります・・。
役所に照会したところ・・・、「ホタテやカキの水揚げ用で、何年も前から決まっている工事で今回とは関係ない」と寿都役場の人も建設主体の小樽開発建設部も言います。
 
でもね・・
随分と今の寿都漁港と離れているでしょう・・。 こんなに大きい港が必要なの? まるで大型の運搬船も接岸できそうではありませんか。  今は漁港づくりとして農水や北海道開発庁予算を使って建設されても、国のやることですから、商業船港と用途変更など簡単にできてしまうんでないかい???
 
まさかと思いますがね・・、こういうご時世なので疑心暗鬼になってしまいます・・。
 
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寿都石

2020-11-01 11:09:46 | 黒松内・寿都

10月22日

隣町の寿都で開催されている「寿都お宝学習会」なる市民サークルに参加させてもらっています。10数人のメンバーがいて寿都教育委員会の学芸員参加事務局を勤めてくださっています。 寿都弁、寿都鉄道、金唐紙、角十佐藤家などいくつかの調査グループがありフィールドワークをしています。 私はかつてのニシン漁の場所請負人だった佐藤家の倉の片づけチームに入っているのですが、他のチームのワークにも参加してもいいので、「寿都の石」チームのフィールドワークに参加してきました。

寿都はニシン漁盛んな頃の大金持ちの家が今も残っており、それらの土台やら墓石などに本州から北前船で運ばれてきた本州産の建築石が各所で使われています。 それらは灰色から肌色の火山性の溶結岩なのですが、どうもそれと違う黄色みがかったものでありました。調べてゆくと、港の岸壁にも使われていたりすることが発見されています。 海岸にも崩れて波に揉まれて丸みを帯びた石も数多く見つかります。


今回は、詳しく歩き回ったこの地区(美谷・びや)のTTYさんの案内で巡検。すると、海岸にある稲荷神社の地面がこの黄色みがかった地層が露頭していることがわかりました。さらには、切り出し場であったであろうかと思われる地形が大きくくぼみ同様の地層が露出し、タテヨコに切り込みがはいっている崖もみつかりました・・。
 
地質の専門家に写真をみて頂いたところ、水冷破砕岩というらしく、太平洋側の室蘭にも散見されるらしいことがわかりました。 それじゃあ、ロマンもないので、この石を「寿都石」と勝手に命名し、お宝認定することにしようということになりました・・・。
 
フィールドワークは想像も膨らみ、おもしろいね!
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環境教育の意義

2020-11-01 08:55:10 | 主義・主張

寿都弁慶岬。 美しいなあ・・。 

こんな美しい海がある寿都町で、今、高レベル放射性廃棄物の最終処分場(地下地層処分地)の立地文献調査への応募が決まった。それも、町の協議会(議会ではない、法的根拠はない)で通したこととは言え、町長独断の形で・・。 町長が独自独善で応募しても法律上はなんの問題がない町長専決事項でもあるのだ。寿都町には住民投票の規定すらない・・・。(なので、今、条例制定への請願を出している) このこと自体が法律の建て付けとして、核リサイクル国策事業の焦りを現している。

しかし、この問題に対して賛成する‍人と反対する人がどうして現れてしまうのだろう・・・。 放射能のことだけを考えれば、そんなものを近くに置きたくない、危険であると、ちょっとだけ知識があれば生理的にも受け付け難いことだと思うのだが・・・。

問題の本質は、やはり「お金」「経済の成長」への信奉があるかなしなのだろう。

自然体験型環境教育を自分の仕事としてきた私だが、その教育的大きな目標に、「空間的視野の拡大」と「時間的視野の拡大」というお題目・ベースコンセプトがある。 この視野の拡大がなされていない人々がイコール推進派なのだろうと感じること多大である。

空間的視野とは、そもそも環境とはいち限定されているものではなく、つながりがあるものである。今ここに、目の前にある事象はその隣にも繋がっているという視野・感覚だ。 地下には水脈もある、地質断層もある・・、放射能は管理が行き届かなければ拡散するものである・・・・・、目に見えない微生物もプランクトンも存在している・・、何万Kmも離れた地域で紛争が起こっている・・、障がいのある人には使えない場所である・・・、アパートの中に引きこもっている老人も若者がいる・・・。 森と海はつながっている・・。 これらが感覚的に理解できることが空間的視野の拡大だ。

時間的視野とは、何百年、何千年、何万年、何千万年前から命は脈々と繋がってきたかけがえのない存在である。ここがわずか100年前は森であった、湿原であったことを想像できるか、人口減社会を想像できるか・・、これらが感覚的に理解できるようになるためには時間的視野の拡大が必要だ。

これらが備わっていないと、とうてい、「世代間の公平性」など理解はできない。

寿都町長は、最終処分場建設を前提とした概要調査終了の段階で、町民の皆さんに、その先に進むか否かを判断していただくと説明する。 それは20年後らしい・・。今の子どもが働き盛りな頃だ・・。そんな重大な問題を先送りする神経が理解できない。。。

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