高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

環境教育こと始め その1 プロローグ

2025-02-16 15:00:08 | 主義・主張

北海道自然体験活動推進協議会(通称:えぞCONE)と環境教育学会北海道支部との合同フォーラムが今月下旬2月22-23日に札幌で(もうすぐじゃあないか!)開催されます。私はえぞCONEの代表(あまり実体のないネットワークなのでありますが・・・)でもあって、合同フォーラムでは学会支部長と環境教育学会会長と私の三者で「北海道環境教育のこれまでとこれから~日本環境教育学会の未来ビジョンを受けて」なる大それたテーマでパネルディスカッションをしなければならないので、あまりに行き当たりでは、バッタリしてしまうので、ちょっとは下準備しておこうということで、つらつらと、書きつづります。 (長いですよー)

◆北海道の自然環境教育のこれまで

私は北海道自然体験学校NEOS(Nature Experience Outdoor Schoolの頭文字で構成した名称)を1990年に設立し 子供向けの自然体験キャンプと大人向けのネイチャーツアーの活動を開始した。当時はまだまだ環境教育という言葉は社会に浸透しておらず、現在の(公財)日本環境教育フォーラムは山梨県清里のキープ協会が中心となって自然に関わる仕事をしている人々を全国から集めてのミーティングを開き始めた時代でした。 当時札幌では自然ウォッチングセンターという団体があり、有料で人々を自然観察会に連れ出すなどの活動を始めていた。NEOSはそれより多少遅れて1990年に設立したのであったが、その頃にウォッチングセンターは4つ位に分派した。 分派の中に丸山環境教育事務所というのがあって、札幌で同業者らしき人々に挨拶回りをしていたときに、主宰の丸山博子さんに出会った。 彼女は丸山環境教育事務所という事務所開きをしたばかりで手づくりの名刺をプリンターからチャチャチャと打ち出して鋏で切って渡してくれたのであった。 聞きなれない「環境教育って何?」という感じの初対面であった。 たぶん、その彼女から清里ミーティングのことを聞いて、1年後くらいに山梨で開催されたミーティングに初参加した。 当時は自然観察や自然保護系や教育関係者が多く200名以上の参加者がいた。その会場に入った瞬間に「間違った、自分が来るところではなかった」と感じてしまった。しかし、会場の中にただひとり、声をかけてくれる人物がいた。 それは国際自然大学校NOTSの代表の佐藤さんであった。「あー、北海道の高木さんでしょー」と。 インターネットも盛んでなく、遠方の情報交換はアナログ、手紙でやりとりをする時代でお互いに顔も知らなかったのに、よくまー声をかけてくれたもんだ、NOTSの活動内容を手紙で照会していたからだっと思うが、今考えると、きっと同質なにおいがしたんだあろうなあ。 その2泊3日のミーティングで様々な報告やワークショップ(なんて言葉は一般にはまだなじみがなかったが、)に参加して、私の活動も「環境教育のひとつの形態ではないか?」と感じて北海道にもどった。そして、「自然体験型環境教育」などと標ぼうしNEOSの活動を始めた。清里で知った情報で欧米から輸入された様々なアクティビティ(ネイチャーゲーム、プロジェクトラーニングツリー、開発教育活動やら)を試行錯誤しながら、当時専門学校でアウトドアインストラクターの養成仕事を始めていたので、その学生やらプログラム参加の子どもたちと実際に試した。(英文のものもあり、たとえ話が多くて実際においての理解に大いに想像をはたらかせたもんだったなー)

ちなみに、ファシリテーターなる輸入概念と実際を学ぶセミナーを北海道で実施したのも、丸山さんと私が最初である(と、ちょっと自慢)、インタープリターという役割と実践研修も数多く展開をした。

あれから30年・・・。

確かに北海道には数多くの自然ガイド・インタープリターやファシリテーターを仕事とする人は増え、環境教育も文科省や学習指導要綱にも明記されるようになりました。 ESDの概念、森のようちえん活動、木育、エコツアー、アドベンチャーツアー(生態多様性は人間の暮らしも含まれているので、私はATも環境教育活動のいったんを担っていると考えている)、そして今やSDGsという未来へ向けての目標も文言化されて広く周知されるようにはなり、30年前と比べれば隔世の感があります。

しかし、生き物が人々が暮らす環境はベターになっただろうか、何も変わっていないのではないか、むしろ悪化している・・・。

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