晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林風土記 7/19

2009-07-19 | 日記・エッセイ・コラム

2009.7.19(日)曇、雨

 先日引原さんが上林風土記の写真集と資料集を貸してくれた。平成16年に発行された新しい本で、第二の中上林村誌といえる内容だ。あまりに重厚な資料なので読了するには相当時間がかかりそうである。おいおい中身の御紹介をしたいと思う。村が無くなっているのにどうしてこのような本が発行されるのかなと思っていたら、実は民間の有志が作られた本なのである。編集期間が3年という短期間に600頁に及ぶ大資料をよくぞ収集、編集されたものだと感心する。
 写真集をを見ているとここも行きたい、あそこも行ってみたいと思うのだが、すべて行っていたら数十年かかるのではないか。とりあえずは先般気になっていた茅葺き屋根の破風についてこの写真集が大変参考になった。というのはトタンを被っていない本来の茅葺き屋根は過去の写真でしか見られないほど少なくなっているからだ。新しく改築された茅葺きの家を何軒か訪れたが、破風や屋根には興味が無く、どのような状態であったかまるで憶えていない。
 破風に興味を覚えたのは「奥上林村誌」に「井」の字の破風とひさしの無い家が奥上林の特徴とあったことだ。確かに「井」の破風は多い、しかしそれは奥上林に限ったことではない。中でも口でも、綾部でも福知山でも圧倒的に多いのだ。次に多いのはそのうちの家紋を入れたものだ。
Img_26201
  このタイプが圧倒的に多い(三和町台頭)

ところがこの「井」の字の白い破風に疑問を持ち始めた。これはあくまで茅葺きの上にトタンを被せた屋根で、破風の部分もその時に変わっているのではないかということだ。それというのも私が18年住んだ茅葺きの家の破風は、このタイプではなく、なにかがらんどうになっていたような気がするのだ。そこに鍾馗さまが置いてあったことは確かである。少なくとも白地に「井」の字マークではなかった。トタンを被せる際に新たに作るのか、元有ったものを活かすのか、屋根やさんに聞くしかない。Img_26211

綾部の郊外で見つけた現役の茅葺き屋根である。これが丹波の民家の原型かと思われるが、破風の部分は明らかにトタンであり、元は板もしくは茅であったのではないか。同様に置千木(おきちぎ、屋根の上の交差している木)が乗っている部分もトタンだが、元は杉皮か板だったのではないか。その辺のところが古い写真集では確認できる。写真集の写真は小さく、不鮮明な物も多く、目的が屋根を撮ったものではないので確認しづらいところがあるが、茅葺きの家の破風は白地のトタン、板、茅を竹で押さえたものとが有り、そのほとんどが「井」の字マークである。
 またほとんどが置千木となっており、棟の部分を瓦に替えている屋根や全体がトタン張りになっている屋根では置千木は見られない。ただ三和町で一軒、千木の部分までトタンで覆っている屋根を見つけた。これは手間と経費がかかっているだろうと下世話な想像をしている。
 庇については原型の茅葺き屋根では付いておらず、棟を瓦にしたり、すべてがトタン張りになった家ではほとんど付いている。少ない資料で一概に言えないが、奥上林村誌に書かれた民家の特徴というのは、中上林でも、あるいは周辺でも同様の特徴であるようだ。これが如何なる理由でそうなっているのか、もう少し多くの事例を見てから考えてみたい。Img_26221

北山の村に多い「水」マーク(綾部市郊外で)

【作業日誌 7/19】
野外テーブル設計

今日のじょん:先日の巨大毛虫に続き、巨大ナメクジを発見する。時間は7:50頃、場所は川北鉄工の歩道、ここはヘビ、カエルも常駐しているのでこれで三すくみが勢揃いである。長さは14cm、今回はスピードが無いので落ち着いて手のひら測ができる。私の手のひらは丁度20cmである。肝心のじょんはおっかなびっくりで気味悪がっていそう。上林は動物も植物もでかいのがいる。
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レインコートでの固まりを利用して爪を切る。

コメント
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