晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

日置のこと(44) 宮津市日置-2 10/19

2013-10-19 | 上林地名考

2013.10.19(土)曇り

  妙見山山頂からは何の展望もきかないので、石段を下り、坂の中間部分から宮津湾を望む。ところが目の前には栗田半島(くんだはんとう)が横たわっているばかりで、成生岬、大島、小島も見えない。
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 やむなく下ってしまって海岸に出る。ようやく成生岬や大島小島を見ることが出来た。あの部分から朝日が昇ってきたら古代人ならずとも感激するだろうなあと思いつつ眺めているが、方向的には随分ずれていて、やはり妙見山頂から望みたいと思う。
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やっと見えた成生岬、黒い影は栗田半島黒崎。大島、小島もはっきり見える。

 次に日の入りの位置を調べるべく山頂の真西に当たる空き地から西の山並みを眺める。畑川の支流、左股となる谷と日置の間の尾根が目前に横たわる。
 尾根左方の二つのピークの右ピークが270度、尾根中央の二つのピークの右ピークが300度、240度は左の斜面となる。
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左から二つ目のピークが270度、真ん中の二つのピークの右側が300度。春秋分、夏至にここに日が沈む。

 この場所から見ると、春秋分や夏至、冬至の日の入りはこの位置になるが、妙見山の山頂からはもう一つ奥の尾根、鼓ヶ岳(569m)から国分あたりに降りる尾根が見えるのではないだろうか。
これらの展望を確認するためには、妙見堂の屋根に上がるか、頂上から藪こぎをして展望の得られる位置まで出るかだ。
 どちらも結構困難だなあと思いつつ車を進める。日置を過ぎて波見に入ると、「海と星の見える丘公園」というのがある。この位置だと日置の全容が見られるかなと思い公園に入ってゆく。
 公園は府立の施設だが、何とも主旨のはっきりしない中途半端な施設のようだ。それにしても広大な土地に意図のはっきりしない施設が並び、訪れる人影もない。展望台から日置の全貌を眺める。日置のはっきりした区画の田畑を眺めていると、条里制の名残かなと思われる。そこで妙なことに気づく、日置のある位置だ。
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最も高い所から成生岬、大島、小島が一望できる。妙見山もこんな感じで見えるはずだ。

 日置について書かれた説を見ていると、日置は西日本に多く、山間部に点在するというのが大方である。西日本に多いというのは納得できるが、山間僻地に多いというのはどうだろう。
 ここに来て多くが山間僻地に存在するというのは疑問を感じている。今わたしが調査対象にしている7個所の日置について、4個所が国府の近隣にあるのだ。
宮津市日置が4Km、八木町日置が3Km、日高町日置が600m、高浜町日置が23Km、おおよその距離であり、若狭国国府が小浜市にあるとして高浜町日置が決して近くはないが、他の3個所は国府隣接地と言ってよいだろう。
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日置の山側がよくわかる。集落から山側に入っているのが畑川で、左の尾根が妙見山の下から見た尾根で、その奥の尾根が鼓ヶ岳から国分に下る尾根。

 こうなってくると全国の日置を調べる必要が出てくるが、日置が必ずしも山間僻地にあるという説は成り立たないし、戸数を調べる役所説の「あえて戸数を把握しにくい地に置いた」という説も無意味になってくる。つづく

【今日のじょん】昨日の疲れなのか、好きな人が居なくなってか、とにかくしょぼちんとした一日を送っている。情けない顔が余計情けなくなるから気の毒だ。P1010535
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これ昨日の様子。おとーが降りてきても二階ばかり見ている、散歩に行くでといっても部屋の中ばかり覗いている。いくみちゃん命なのよね、ダレノオカゲデメシクーテンネン

 

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日置のこと(43) 宮津市日置-1 10/18

2013-10-19 | 上林地名考

2013.10.18(金)曇り

 宮津市の日置(ひおき)は天橋立の北方にあり、リゾート地として有名である。丹後半島を巡る国道を幾度となく通過しこの地の存在は知っていたが、日置部との関連として日置を見ることはなかった。今回、丹後町の宇川温泉を訪れる際にちょっと立ち寄りして日置を見ることにした。
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北側からの日置の遠望、妙見山は若狭湾に飛び出ているように見える。

  日置部が太陽観測をしたと仮定して、何処で観測したのだろうかという問題は、最も気になるところである。地図を開くとすぐに一つの候補地があがった。
 畑川と世屋川の運んだ堆積物でできたのだろうか、あるいは波が運んだ砂でできたのだろうか3Kmあまりの平野の南1/3あたりの海岸に妙見山という小さな山がある。30mの低い山なんだがなにしろ海と平地の中にあるので突出している。
 国道を行くと日置郵便局の所から海に向かうとすぐに行ける。
 この山が日置部の観測地の候補となるのは、わたしの日の出日の入り方位板で見ると、真東に大浦半島の成生岬(なりゅうみさき)があり、北へ30度振ると大島と小島の間の海がある。春秋分には成生岬から陽が昇り、夏至には大島、小島の間から陽が昇ることになる。冬至の日の出は大浦半島の博奕岬灯台のあたりになるのだけれど、こんな事も確認したかったし、日の入りの位置なども自分の目で確認したかった。
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妙見宮鳥居、下段石段、上段石段と登ると頂上の妙見宮に着く。

 妙見宮の下に車を置いて、妙見宮への石段を登る。
 登り口右手の石碑の台座に二個の盃状穴を発見、かなり古いもののようで風化が進んでおり、雨だれ痕なのか人工的な盃状穴なのか判断が難しい。その後も沢山出てくるようなら盃状穴だろう。
 ところが続く石段は材質が硬いためか一向に見当たらない。頂上の本殿の横に一部だけ凝灰岩の石材があり、二個の窪みが見られたが触ってみるとざらざらしており、底部も盃状というより皿状になっており、盃状穴とは言えそうにない。寛永年間の手水鉢にも盃状穴は見つからず、登り口の二個がらしいという程度である。
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盃状穴らしきものは下段石碑の台座と本堂横の石材にそれぞれ2個発見。

 もっとも盃状穴が目的ではないのだが、予想通り頂上の周囲には竹木が生い茂っており、展望はまるで無い。せめて真東の光景でも木の間から見えないかと思ったが竹が密生しており、まるで何も見えない。
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妙見堂と板碑そして真東の光景。

 またこの妙見堂のある山は向山と呼ばれているが、16世紀中頃には山城が築かれていたそうで、その防備を隠すため植えた竹の残骸かも知れない。
 また、この地にある阿弥陀一尊像板碑には応永34年(1427年)の年紀銘があり、古くから信仰あるいは祭祀のあった場所だと予想される。つづく

【今日のじょん】今日はじょんも連れだって宇川温泉にゆく。とにかくいくみちゃんと一緒に居られるのでヒコヒコのようだ。P1010569

海と星の見える公園

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宇川温泉駐車場
 

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