2009.3.1(日)曇
どこの自治会でも新しく入居する家族を暖かく迎えようという方針が出ている。10年以上前に入居した方などは大変苦労したそうである。私も田舎の育ちでだが、当時田舎での入退去というのはそうあるものではなかった。仕事で来られる学校の先生や駐在所さんぐらいである。それでも人によって村人とうまくやっていけない人があって、いわゆる村八分状態がままあった。そういえば友人で20数年前京北町に移り住んだS君も村の人に受け入れられなくて、子供達も登校拒否となり、ノイローゼになったと聞く。私たちも昨年そのことが一番不安であった。増して商売をしていくのだから、地域に受け入れられなかった日にはやっていけない。
幸い暖かく迎え入れていただき、不安は杞憂であったことがわかった。自治会は準会員ということで月額900円の自治会費を払っている。各自治会でこの辺の所は格差があるようで、千差万別のようだ。準会員というのは家を置いて出て行っている人、もしくは新しく入居した人などがなるようである。回覧板もも回ってこないし、いわゆる村用というのもない。聞くところに依ると年に一度防火水槽の掃除と野焼きがあるそうだ。
そういう意味で自治会については大変フランクなお付き合いをさせてもらっているが、他の地域の方々の言によるとその辺のところが大問題となっているようだ。
かみさんが「UターンだIターンだなんて言ってるが、そこの所を改善しないと村にには還ってこれへんで」と言っている。確かに毎週のように地域の用事があり、付き合いが大変という方が結構おられる。もちろんこれらの集団でする作業や一杯のみが田舎の良いところでもあるし、楽しんでおられる方もあるだろうと思うのだが、都市の気楽な近所づきあいを経験した人にとっては耐えられない程の負担となることもあるのだろう。
今後上林の村々が生活の場として生き残ってゆくとしたら何らかの形で、つまりUターンであり、Iターンであり、Jターンであり、それらの形で住民を増やさない限り存続し得ないことである。そのために今回の市営住宅など様々な形で施策が執り行われているが、一番ネックとなる地域住民との付き合いの問題が一番おざなりになっているというより、手の着けにくい問題となっているのではないか。市営住宅はお金さえあればできる、しかし付き合い問題はお金では解決できない。
村のしきたりや付き合いを悪いものとは言えないし、無くしてしまえというのは暴言である。だけどそれが入居の最大のネックとなっていることは確かである。解決するには従来の住人と新しく入居した住人との徹底した討議が必要かと思う。そこには昔からやってるからとか、隣の住人は無関係だなどという考えでは前進しない。真摯に自分たちの住む地域が将来どうなるかと言うことを考えなければならない。
大きな問題は、地域共有の財産であったり、農耕をするがための地権や水利権などである。住民の総てが農耕をしており、入会地や水利の問題が最も重要視される時代と少し変わってきている今日である。都会に近所づきあいの問題が少ないのは農耕していないからである。だけど今の農村では、専業農家と兼業農家、そして農耕とは無関係の家庭が混在しているわけである。そこで従来の総て農家のしきたりを踏襲するのは無理があるだろう。村の共有財産についても、今はその価値が低下していることは事実だし、維持をする意味合いも低下しているのでは無いだろうか。いまこそ大胆にその部分にメスを入れない限り、問題は解決しないとおもう。そういった根本的な問題に手を着けることなく手先目先だけの誘致活動をしたところで、地元の人も入居する人も幸せにはなれないだろう。
【作業日誌 3/1】
杉丸太防腐剤塗り
デッキ階段防腐剤塗り
今日のじょん:じょんのファンのひなちゃんが家族連れで来じょんされた。たまたまお客さまが輻輳し、一緒に遊ぶこともままならなかった。おとうやおかあのファンは一向にできないが、さすがじょん君は人気者のようである。私たちはじょんは可愛くて男前で賢くて云々と思っているが、客観的にはそう特別な犬ではない。可愛いというよりは愛嬌有りで、男前というよりは田舎っぽいという感じだ。でもみんなに愛されているという点では最高の犬だろう。じょん君に会いたいと訪れてくれる方には本当に頭が下がる思いだが、怖がりでなかなか慣れないので愛想が悪くて申し訳ない。
どうだい、この筋肉。