
夏旅行第10弾、最終日は小倉からスタート。まずは小倉城に向かう。小倉城は鎌倉時代頃より記録があるが、その後関ヶ原の論功行賞で1602年に細川忠興入城、1632年には細川氏国替えに伴い小笠原忠真が入封している。明治以降は陸軍歩兵師団が置かれていた。

現在の城は1959年に鉄筋コンクリートで再建されたものだが、内装工事中で残念ながら中には入れなかった。

周囲には小倉城庭園が再現されていて、現在では市営の施設として公開されている。池に向かい建物があり、

また、その後ろに天守閣を望む風景は美しい。


向かい側には八坂神社、入口には、大きな石が配され、社殿も堂々としたものである。


松本清張記念館もあり、中には彼の年表や映画化された作品の紹介、さらに2階は東京高井戸にあった仕事場が忠実に再現されている。清張ファンの私としては大変興味深く見て回る。

小倉城を離れて次は田川石炭歴史博物館へ。筑豊にあまり足を運んだことがなかったが、田川周辺は鉄道網が入り組んでいて踏切が多い。博物館は三井田川鉱業所伊田竪坑の跡地にあり、竪坑櫓や二本煙突などそのものが残されている。


中に入ると日本石炭採掘の近代化が一目でわかるような展示物があるだけでなく、炭鉱住宅で暮らしていた人々の様子などを見る事ができる。また、2011年に日本で初めてユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛コレクションが飾らせている。

漫画調で採炭を行っていた庶民の姿を丁寧に描いた作品は大変興味深かった。他にも実際に炭坑で使用された大型機械や復元した炭鉱住宅、蒸気機関車などが野外展示されている。


次に飯塚市まで車を走らせて『伊藤伝右衛門の旧宅』を見に行く。伊藤は筑豊の炭坑王と呼ばれ、NHKの朝の連続ドラマ『花子とアン』に登場した柳原白蓮が伝右衛門の後妻として一時すごした屋敷である。飯塚市幸袋にあり、敷地300坪、部屋が25という広大な建物で白蓮が大正天皇の従兄妹のため、菊の紋章が入ったシャンデリア、白蓮のすごした部屋などを見る。


その後、白蓮は伊藤の元から離れてしまうのだが、その後も地元のために貢献し続けた伝右衛門、そのフィルムも鑑賞することができた。
伝右衛門の死後には売却され、取り壊しも検討された中で地元民の強い保存運動から飯塚市が譲渡を受け、一般公開されている。庭から見る建物も立派で保存を求めた人々の気持ちがわかる気がした。

この後、台風20号の影響を怖れながらも定刻より少し遅れた程度で東京にたどり着いた。ほぼ雨にも降られることなく、数々の知らない場所を見ることができた旅、でも暑かった!