久我山歳時記㊱、季節は進み、『啓蟄』を迎えた。ただ、このところ寒さが戻る日も多く3月8日には南岸低気圧の接近もあり、東京の朝は雪模様。

季節外れの雪と思ったが、午後には晴れ間も出た。しかし、9日は最高気温が15℃にもなり、やはり春到来は間違いない。

啓蟄は二十四節気の中で土の中で冬籠りをしていた生き物が目覚める候のこと。今年は3月5日であった。歳時記には柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲くと書いてある。


そのような季節を確かめるために久我山を再び歩いてみた。この頃のいつものコースは久我山〜富士見ヶ丘の井の頭線車両区付近、神田川を眺めると大きな鯉の姿があちらこちら。まだ、水草も少なく、鯉の姿が上からもはっきりも見える。


そのまましばらく歩くと緋寒桜やサトザクラが花をつけ、ソメイヨシノが追いかけてくるのを待っているようだ。


5分ほど歩くと日当たりのよいところに土筆が顔を出している。地面の黄土色と混じり、はじめは姿が見つけられなかったが、よく見るとあちこちに顔を出している。


他にもオオイヌフグリの青い小さな花やスズメノエンドウのピンク色の花、たんぽぽの黄色い花など意外に多くの花を見つけることができる。

オオイヌフグリ


スズメノエンドウ
ノゲシも蕾を膨らませ、もうすぐ咲くまで来ている。


花屋の店先には水仙やチューリップなども並んでいるが、寒風の吹きすさぶ中でも健気に花をつけ、春を知らせてくれる草花を見つけるのもたのしい。

ナズナ


ゴギョウ(ホトケノザ)
まだ数は少ないが、ナズナやハコベ、ゴギョウ(ホトケノザ)などの春の七草もう姿を見せ始めている。今年はソメイヨシノの開花もあと2週間程度、あっという間にやってくるとのである。


啓蟄の次の二十四節気は『春分』、3月20日にはソメイヨシノも咲き、春本番となっているだろう。