関東三十六不動尊巡り⑤、今回は15番札所宝仙寺に伺った。正式には『真言宗豊山派明王山宝仙寺』、東京メトロ丸の内線中野坂上駅で下車をし、青梅街道を荻窪方面に5分ほど歩くと宝仙寺の信号が出てくる。これを渡ると山門前に到着する。
宝仙寺の由来は平安後期に源義家により創建された。義家は後三年の役で奥州を平定、帰途に陣中で護持していた不動明王像を安置するために建立をしたものである。
境内の入口には山門、仁王像が2体納められ、睨みを効かせている。境内に入ると石碑があり、『中野町役場跡』とある。ここに明治28年から昭和初期まで区役所があった。
すぐ目の前には三重塔、もとは寛永年間に今の第十中学の校庭に高さ24mの塔があり、江戸時代には名所であった。しかし、昭和20年の空襲で焼失、その後平成4年に法起寺三重塔を模した塔が再興された。なかなか立派な塔である。
本堂には不動明王像が安置されているが、これはお前立ちで鎌倉時代に作られたもの。本尊は鎌倉時代に秘仏となった。他に降三世明王、軍茶利明王、金剛夜叉明王、大威徳明王も合わせ、五大明王が安置されている。
御影堂は三重塔と同じく平成4年に作られたもので中には2.4mの弘法大師像が安置されていた。
境内は広く、整備されていて左側には広い墓地、その前に引導地蔵尊坐像が並べられ、そばの石仏は明和9年に作られたものである。
他にも多くの臼が山のように積まれた臼塚や鎌倉時代の無名五輪塔など歴史を感じさせられる碑が、あちらこちらにあり、ゆっくり見ているうちにあっという間に1時間くらい経ってしまった。