『東京の坂、日本の坂』その201。麻布十番付近の坂③。今回は麻布十番付近の坂道を歩くことにした。麻布十番の坂道を歩くのは2015年以来9年ぶりである。今回初めて歩く坂道も多く、前回に引き続きということもあり、③とした。都営大江戸線麻布十番駅を降りて7番出口を目指す。
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東洋英和女学院が近くにあるためか、可愛らしい制服の子供たちが反対側から歩いてくる。出口を出てすぐ右側に『麻布十番稲荷神社』を発見。都会の神社にありがちなすぐ前に聳えるように本殿が立ち、急な階段を上ることになる。その前に階段右側には大きな蛙の石像。
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この大きな蛙の像には『江戸時代文政4年(1821年)に大火があり、この周辺は焼けてしまったのだが、備中成羽の領主山崎主税助の邸のみ類焼を免れた。これは邸の池に棲む大きな蛙が水を吹きかけて猛火を退けた』という謂れがあり、お守りとなった。
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また、左側には宝船の石像があるが、これは港七福神巡りに因むもの。この神社以外に7つの寺社を巡るものである。
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階段を上り、本殿の前で手を合わせた。この神社は末広神社と竹長稲荷神社が戦災で焼け、昭和25年に合併したものである。
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神社の階段を降りて右に曲がる。少し歩くと鳥居坂下という信号があるが、ここが坂の一番下。ここからのかなり勾配のきつい坂が『鳥居坂』である。
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由来は江戸時代に坂の東側に鳥居氏の屋敷があったことによる。また、坂自体は元禄頃に開かれたものである。
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次の道を右に曲がるが、ここにシンガポール大使館がある。その先、突き当たりを左に曲がるとほぼ直角に曲がり下りていく急坂、『潮見坂』である。
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旧江戸中に『富士見坂』『潮見坂』は多く存在するが、いずれも富士山、海が見えたもの。この坂道も江戸中期頃までは芝浦の海が見えたようだが、今はマンションが邪魔をして海などもちろん全く見えない。(以下、次回)