9月に入ってもなかなか涼しくはならない。偶然、福島県のアンテナショップ『ミデッテ』で『冷やしラーメン』が提供されているのを知った。
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冷やしラーメンは冷やし中華とは異なり、甘酸っぱいタレではなく、通常のラーメンを冷やしたような味付け。もちろん、動物系の脂を使うと脂が固まってしまうので鰹出汁を使うなど工夫が凝らされている。冷やしラーメンを提供してくれるのは会津坂下(あいづばんげ)の『いしやま』というお店である。こちらのお店は魚介系の出汁は使わずにひたすら脂を取り、澄んだスープを作られている。
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値段は大盛1000円、普通盛850円で普通盛の食券を券売機で購入し、カウンターに出し、しばらく待つ。モニターからは福島県の観光地のVTRがかかっていて、会津坂下を通る只見線の風景も出てくる。
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テーブルには会津坂下の冷やしラーメンのお店が11軒書かれたチラシが置かれている。福島県の人はラーメン好きなのである。よくみると鶏だし、ダブルスープ、揚げ玉でコクを足すお店、それぞれに工夫している。会津坂下で冷やしラーメンが考案されたのは昭和27年だから70年以上の歴史がある。
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番号が呼ばれ、ラーメンをカウンターに取りに行くが、胡椒と共にラー油をしっかり掛ける。というのは先ほどのチラシにあった『長八』という店のラーメンではラー油をたっぷり掛けてあると書いてあったのである。
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麺は喜多方ラーメン同様の平打ち麺、スープがよく絡む。あまり濃くはないが、ほんのり甘く、旨みが詰まったスープは脂っこさはない。喉越しがよく、個人的には加えたラー油がインパクトとなっていると思う。
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チャーシューも脂の殆どなく、食べると塩でしっかり味付けがなされ、存在感大。細いメンマもシャキシャキ。氷でスープが冷やされていてキレもいい。ネギの代わりに玉ねぎというのも面白かった。初めて頂く冷やしラーメン、このジャンルも色々食べてみたくなった。夏のランチにはもってこいの味です。ご馳走さまでした。
食堂いしやま
本店 福島県河沼郡会津坂下町市中2番甲3617
0242832366