9月10日からの7連戦が今年のペナントレースの帰趨を左右することは間違いないと以前にこのブログで書いた。
他球団と異なり、阪神は7連戦をホームである甲子園で開催できた。その有利さは9月8日までのホーム&アウェーの勝率はホーム59.3%に対し、アウェーの勝率は46.8%が物語っている。
そこで軌跡を追ってみた。
9月10日の対DeNA19回戦には幾つかポイントがあった。二軍で調整していた青柳の先発は8月22日ヤクルト戦以来、しかも今期はわずか1勝、さらにこれは4月5日以来である。なぜこの大切な試合を岡田監督は青柳に託したのであろうか。7連戦で先発の駒不足がない訳ではない。今期、DeNAの東投手は対阪神戦3回先発していて2勝0敗(その際の阪神の先発は青柳、伊藤将、村上)。普通ならば中5日の村上先発のところなのだが、前回は村上vs東で負けたこと、5月10日の試合では青柳が投げ勝った(勝ち投手はその後にもつれて岩崎、東も負け投手ではない)ことから、青柳に掛けたのだろう。
阪神は先手を取るが4回表にすぐに逆転されてしまう。しかし、4回裏四球の井上が1死後木浪のヒットで3塁に達し、1、3塁を作る。次は投手青柳に打席が回るが、ここからがベンチワークの見せ所。まずは青柳のセーフティスクイズが決まり、同点となる。三塁ランナー井上の生還は微妙でビデオ判定となったが、覆らず点は認められたのだ。さらに5回に森下の13号が飛び出し逆転した。さらに波に乗り、6回裏は梅野、木浪、代打・島田の連続ヒットから近本タイムリー、中野のラッキーなタイムリーなどで2点、7回は代打渡辺のソロホームランなどで2点を加えて大勝した。今シーズンクオリティスタートを続けていた東を打ち、勝利を掴んだ。大きな要因は井上の同点ホームインが認められたことだろう。
ただ、一夜明けた11日のDeNA20回戦、先発は阪神が村上、DeNAは今期阪神に5回先発して1勝1敗ながら防御率2.10のジャクソン。村上は一発をケアしていたが、1回表、牧にソロホームランを打たれて先制される。すかさず1回裏に大山タイムリーで同点とはなる。ただ、3回表は村上が牧にタイムリーヒット、佐野の2ゴロで3対1となる。6回阪神は森下のソロホームランで1点を返し、さらに無死から4番大山、5番佐藤の連続ヒットで1、3塁を作るが、6番島田は内野フライで1死、7番坂本はスクイズを決めて3対3の同点にする。この辺りは調子の良さが出ていた。
7回で村上は降板し、8回はゲラが出たが、桑原に不用意に投げた初球のストレートをホームランされ、この1点が決勝点。DeNAはウェンデルゲン、森原と繋ぎ、勝利。阪神は8回裏の1死2塁、9回裏の1死2塁のチャンスをいずれもものにできず惜敗した。
ただ、試合終了後の岡田監督も大人だなあと思う対応に驚く。佐藤輝明のエラーがきっかけで負けたと言われかねない試合でもあまり強く非難することなく、静かな対応に終始した。
9月12日の対DeNA21回戦はゲリラ豪雨のために直前で中止、登板過多だった石井・桐敷・岩崎など中継ぎ陣に取っては恵みの雨となった。
9月13日の対広島戦は広島キラーの高橋(ここまで広島から2勝0敗)が先発、初回の失点はあったが、阪神は2回に同点に追いつくと4回下位打線からチャンスを作り、近本タイムリー、盗塁、相手のエラーで3点取り逆転。6回広島に2点取られて高橋は降板するも後の投手がしっかりと抑えて阪神が7対3で勝利。
ここまでで2勝1敗で1試合雨天中止、DeNAに落とした星は大きいが、先発投手が全て試合を作れており、安定感がある。打線も森下の3試合連続ホームランだけでなく、タイムリーや小技も出ていて問題なしと感じた。(以下、次回)