『久我山歳時記』㊽。9月7日は二十四節気の一つ、『白露』である。白露は音、字だけでも美しく、秋になるイメージがわく。まだまだ残暑は続くが、流石に朝夕には涼しい日が出てくる時期である。
ちなみに七十二侯では『草露白(くさのつゆしろし、〜9月11日)』『鶺鴒鳴(せきれいなく、〜9月16日)』『玄鳥去(つばめさる、〜9月21日)』とされている。
ただ、朝や夕方の気温が下がったとはいえ、東京ではまだ草に露が降りるほど寒くはなっていないが。
(この撫子は浄瑠璃寺を訪れた際のもの)
さだまさしの『追伸』(1974年)の歌詞に『撫子の花は咲きました、芙蓉の花は枯れたけど、あなたが無口になった秋に…』というのがあるが、秋の気配を感じると50年も前の歌だが、思い出す。ただ、今年はやはりまだ暑さが残っているので芙蓉の花も綺麗に咲いている。
やはり夏の暑さからすぐに解放されることは嬉しいが、秋となり、涼しさを感じるということは寂しさを感じる。例えば、朝の暑さの中で鳴くミンミンゼミやアブラゼミはいつのまにかいなくなった。代わりにエンマコオロギ(ピピピン)やカンタン(ルルル)、ミツカドコオロギ(チチチ、チチチチ)、オカメコオロギ(ジジジ、ジジジジ)、キリギリス(ギーチョン、ギーチョン)など色々な虫が鳴く。もちろん姿は見えない。
ただ、草花はまだ百日紅やムクゲ(木槿)、ゴーヤなどは花をつけていて夏の花も元気に咲いている。
我が家のモミジアオイも花の数は減ってきたものの、大きな赤い花を咲かせており、ポーチュラカも色とりどりの花を咲かせている。
また、例年秋になると咲き始める我が家のアサガオは9月4日に初めて花を咲かせた。よく見ると沢山の蕾がついていて秋を楽しませてくれるだろう。
さすがにひまわりの花は種がなりつつあり、街路に植えられたアオギリの葉が黄色くなってきている。
葡萄の房は大きくなってきた。次の『秋分』までには一気に花のラインナップも変わるだろう。
空を眺めるとモコモコ大きくなっていた入道雲より、高いスジ雲やウロコ雲を見ることが増え、空が高くなって来たような気がする。
永遠に続くかと思っていた35℃ももう過去のもの、日本は四季の国であることを実感。ただ。夏の暑さはこりごりだが、一気に寒くなってしまいそうな今年の天気は『秋』という季節を探すのが難しいのかもしれない。