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『蕎麦にこだわる』その19杯目。大晦日、年越しそばというところで立食そばでは比較的メジャーな紅生姜天ぷらを取り上げてみた。
『紅生姜の天ぷら』というと『するめの天ぷら』同様関西の専売特許のように思われるかもしれない。しかし、普段足を運ぶ立食い蕎麦の店でも『富士そば』のスタンダードメニューには入っている。
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今回は幾つかの店を周り、紅生姜天の乗った蕎麦(うどん)を比較をしてみた。最初に行ったのが、『福そば』。人形町の真ん中にある立食そばで席のないタイプである。天ぷらは『玉ねぎとニンジン』『春菊とニンジン』『長ネギとゲソ』など6種類あるかき揚げの1つで『紅しょうがのかき揚げ』があり、180円。かけそばが400円で合計580円となる。
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蕎麦を毎回生めんから湯掻くため、3分の待ち時間がある。蕎麦ができると丼に入れ、ツユと刻み葱を入れ、最後にかき揚げを乗せる。
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カリカリに揚がった紅生姜天は歯応えも良く、ツユに触れるとシナっとなる。細切りにした紅生姜をかき揚げにしたもので揚げてあるからか少し辛味が少ない。ツユは江戸前のやや濃く甘みの少ないタイプ、鰹の香りが立って美味い蕎麦である。
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続いて小伝馬町の『おか田』、ここは椅子のある立食蕎麦。券売機で食券を買う。ここは520円である。食券を持ってカウンターに渡し、蕎麦を作ってもらう。生めんから湯掻くため、ここも3分待つ。人気があり、11時半過ぎると席は一杯になるが、そこは立食い、比較的早く流れる。
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できた紅生姜天そばはやや細めの麺が喉越しがいい。ツユも透き通っていてやや甘め、私の好みである。
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こちらの紅生姜天も薄く平たく揚げたかき揚げで細切りの紅生姜を纏めたもの、上手く揚げられていてツユが脂っこくなりにくい。箸で切りながら頂くが、簡単にほろほろ切れ、やはりあっさりとしている。
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最後に細切りではなく、スライスタイプの紅生姜天ぷらを食べさせるうどん屋さん。秋葉原駅の構内にある『親父の製麺所』というチェーン店だが、丸亀製麺と同じ形式。天ぷらの揚げたてをトングで皿に取り、うどんを注文、最後に会計する。
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私はかけうどん(370円).いなり寿司(70円)、紅生姜天(160円)、竹輪天(140円)計740円を購入。しかし、かけうどんと紅生姜天のみなら530円である。
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うどんを啜るが、讃岐うどんらしく腰がつよい。生姜天をうどんに乗せるがかなり大きく、齧り付く。一枚ではなく3枚を串に差して揚げてはあるが、今までの紅生姜天とは違い、食べ応え、辛さともに群を抜く。
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かなりの生姜好きではないと辛味で食べるのをやめそうな味。ただ、わたしのようにこの辛味を楽しむものにとっては紅生姜天を食べた充実感が半端なく舌に残る。
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ただ、スライス系の紅生姜天は東京では滅多にお目にかかることはない。大阪の商店街の天ぷらやさんにはあれだけならんでいるのにである。
いずれにしても寒い時に生姜の辛味とつゆの温かさでからだがぼかぽかになるのは間違いないのである。ご馳走さまでした。
福そば
中央区日本橋人形町1ー16ー3
おか田
中央区日本橋小伝馬町13ー6
親父の製麺所 秋葉原店
千代田区外神田1ー17ー6TokyoFoodBar内